2017/06/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にルークさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からルークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にルークさんが現れました。
■ルーク > 王城、カルネテル王家に名を連ねる一人の私室。
公務を終える主より、一足先に部屋へと戻ったルークは浴槽へと湯を入れ、主がすぐに寛げるようにと部屋を整える。
ポットを棚から取り出すと、魔石のはめられた簡易コンロに水をいれたポットをかけて湯を沸かす。
湯が沸くのを待ちながら、グラスとティーポットと茶葉を取り出し準備を行いながら、珍しくその唇から小さな溜息が零れ落ちる。
「………。」
ポットに向けた視線を、更に下へと落とせば視界に入るのは緋色のリボンで飾られた紺のブラウスに、パニエで膨らんだ黒と赤のチェックのスカート。
ドラゴンフィートを守るミレー族の少女が着用していたものと、同じ材質、同じデザインのその衣服は動きやすさなど機能性に問題はない。
しかし、肌を隠し、武器を仕込む上着がないこと、慣れぬスカート、なにより女性の体を隠匿する魔法具であるチョーカーを部屋の外でもつけない事に戸惑いは大きく、それが珍しく溢れた溜息の理由だった。
ご案内:「王都マグメール 王城」にアーヴァインさんが現れました。
■アーヴァイン > 集落の方へ仕事に向かい、それから城下の街を暫し歩いてから戻ってくると、城は相変わらず騒がしいところもあれば、静かなところもある。
そして静かな場所の一角が、今向かう二人で過ごす私室の一つだ。
コントロールを得てからは精神を病まなくなり、今までと変わらない。
今日も普段と変わらぬ帰宅だが、手には大きめの箱を一つ抱えている。
「戻ったぞ」
体に荷物を預けるように仰け反りながらドアを開くと、つんとつま先でドアを押し開く。
そのまま中へと入れば、Ghost Gear のロゴが書かれた箱を適当なところにおろし、彼女へと振り返る。
溜息を零す、普段と違う気落ちしたようにも見える姿に、少々心配そうに眉をひそめれば、傍に寄っていく。
「……その格好、苦手か?」
普段よりも愛らしい格好をと自身の力で書き換えた格好だが、どうにもお気に召していない様子と見える。
細い体付きに整った顔立ちと合わされば、なかなかに似合っていると感じていた。
とはいえ、困惑したまま過ごすとなれば別で、苦笑いのままその髪を撫でようと手を伸ばした。
■ルーク > もう一つの魔石のはめこまれたアイスペールに水を適量いれ、魔力を通すと急速冷却されて、氷ができあがっていく。
茶葉をいれたティーポットへと、沸いた湯を注ぎ入れて濃い目に抽出する。
その間に出来た氷をグラスへと多めに入れて、
別のポットへと砂糖を入れ、茶こしで茶葉をこしながら抽出した茶を注いで少し甘めの紅茶を作る。
氷をいれたグラスへと注ぎ入れて、一気に冷やすとアイスティーが出来上がる。
それとほぼ同時に、扉が開き部屋の主が帰室する。
「おかえりなさいませ。丁度お茶が入りました。それともご入浴になさいますか?軽食をとられますか?」
ソファの前のテーブルへと、淹れたアイスティーを置くと何やら大荷物を抱えた主の姿が目に入る。
箱を下ろし振り返った彼が、心配そうに眉をひそめて傍へと歩み寄り掛けられる言葉に、数回瞬きを繰り返して彼の顔をじっと見つめ、その視線が少しだけ逸らされる。
「いえ、苦手というか以前の服装よりも頼りなく感じるといいますか…。したことのない格好ですので、まだ少し慣れません。…それに、部屋の外でも魔法具を外しているという状況も…。」
嫌というのとは少し違う。と髪を撫でられながら答える。
そして、部屋の中、彼とだけいる時以外でも魔法具を外しているという状況は、女の姿を他の貴族などの目に晒される事になり向けられる視線もまた戸惑いの理由の一つだった。
■アーヴァイン > 「いい香りだ、じゃあそれを先にいただくとしよう。軽食か、なにかあるか?」
箱をおろして彼女の顔を見やれば、少しだけ逸らす仕草に訝しむように眉をひそめるものの、なれないという言葉にうっすらと笑う。
嫌だと言わない辺り、可愛らしい格好も、女らしい格好も嫌いではないのだろうと思いつつ、愛らしさも覚えればそのまま背中へと手を滑らせて、抱きしめようとしていく。
「慣れてくれると嬉しいところだが……嫌だと言わない分、まんざらでもないのかもな? 女の姿を見られるのは苦手なのか?」
抱き寄せたままソファーの方へと抱き寄せるようにしつつ座れば、彼女を膝の上へと座らせていく。
強くも美しく、格好も相成って可愛らしさもある彼女なら、誰が見ても惹かれるところがあるだろうと思う。
それほどに彼女へ強い自信を感じながら、後ろから抱きすくめた格好のまま、首筋に顔を埋め、じゃれるように淡くキスをする。
■ルーク > 「サンドイッチをご用意しております。では、そちらもテーブルにご用意しますので…っ?!」
少しだけ逸らされた視線の意味は、服装に困惑している姿を見られた後ろめたさからくるもので、気分を害してしまわなかっただろうかと、
慣れないと告げた言葉にうっすらと浮かぶ笑みを、琥珀の視線が再び見つめる。
すると、髪を撫でていた手が、背中へと滑り抱き寄せられるのに瞳が微かに丸くなり、少し遅れて頬が熱くなる。
「…嫌、ではないと思います。こういう格好をすることで、アーヴァイン様に喜んでいただけるのは嬉しいと思います。…今まで、人前に出るのに魔法具を外したことはありませんので、ジロジロと見られるのはあまり慣れていません。あの、軽食の準備が…んっ…」
嫌かどうか、ルーアッハに仕えていた時は駒の意思など尊重される事もなくあまり考えたことのない事柄故に曖昧な返答になりつつ答える。
ただ、女性らしい衣服を身にまとい、それを彼に褒められると胸が擽ったくて温かくなる。
他の貴族からの視線、特に男の貴族からの視線は少年のように見せていた時と女性らしい格好をした今では向けられる頻度も色合いも異なる。
そうやって見られることも、今までにあまりない経験で。
抱き寄せられたまま、ソファに彼が座るとその膝の上に座る姿勢になる。
後ろから抱きしめられるのに、頬を染めながら軽食の準備ができないと訴えるが、淡く首筋にキスをされるのにピクっとくすぐったそうに首をすくめ。
■アーヴァイン > 笑みを浮かべれば、それに釣られるように重なる視線。
髪を撫でれば僅かに驚き、恥じらいに頬を染める仕草に、先程の視線をそらした理由が分かっていくと、納得した様子で微笑む。
「そう言ってもらえて何よりだ、こうして帰ってきて愛らしいルークが居てくれると、俺も心が安らぐ」
思っていたよりは気に入ってくれていると見える、とはいえそれは自分にだけ向けた気持ちというのもあり、嬉しくもあるが困るところでもあった。
それが正に、貴族達の視線というところにかかり、困ったように笑いつつも、首筋に顔を埋めていく。
「それはルークが綺麗で可愛らしいと目を惹かれている証拠だ。軽食もいいが、こうしてくっついている方が今はいい」
曖昧でも嫌ではないと言ってくれた事に喜びつつも、視線の理由を添えていく。
中性的な男性のように見えていただろうルークが、実際は女であり、飾れば女性らしさも顔を見せる逸材だと目に訴えるからだ。
視線の理由を代弁すれば、首をすくめる彼女の鎖骨の周りや項にも唇を押し当て、じゃれつくようにかわいがっていく。
多少腹は減っていたが、それよりもこうして温もりと癒やしに対してのほうがもっと飢えているからだ。
何度かキスしながら可愛がると、こっちだと言うように視野で指を泳がせてから、傍らの箱を指差した。
「その箱はルークへのお土産だ、もう少し希望に沿った服をと思ってな」
武器が隠せないのと、結構可愛らしさを強調したデザインというのもあり、不慣れな感じは多少は感じていたようだ。
戦うこともあってこそか、装備品を作っている兵廠に発注したらしく、彼らの組織のブランド名が入った箱を持ってきたのだろう。