2017/05/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」にステファンさんが現れました。
ステファン > 執務室を訪ねてきてくれた父の古い友人に別れの挨拶をする
背は自分よりも低いのだが、筋骨逞しく、長い髭を生やした見るからに戦士といった風体であった
北方に小さな領地を持っていて父と兄の葬儀に出席できなかった事を気にしてわざわざ訪ねてきてくれたのだった
去っていく背中は如何にも、戦場で生きてきた、という風で小さな熊か何かのような印象でもあった

「父の知人は武張った方ばかりだから疲れるな…」

ガハハと笑い、頻りに背中や肩を叩かれる
なんというか如何にも、なコミュニケーションをとられる方であった
武門の一族にあって、それらの素質を一切持たずに産まれ、仕事も文官よりの身の上の自分としては、
ごっそり体力を持っていかれた気分であった…もちろん、遠方より用事のついでとはいえ、
わざわざ訪ねてきてくれた客人に文句など無いのだけれど

執務室の扉を閉めて、椅子に腰を下ろせば、なんとなく息を零し、上がってきた食料生産に関する資料に目を通す
未だ戦争は続き、兵士たちも飲まず食わずで戦うという訳にはいかず、さらに市民も兵として招集されるから、
生産力は下がり、食料品の値段は今年も例年より高い水準になりそうな気配である

「…先んじて買い占めでもするかな…結構、懐が暖かくなりそうだ…」

誰も居ないのを良いことにそんな冗談を口にする
実際、自分が考えたような方法で懐を温めている貴族もいると思うとやるせない気分になったりする
商売人の家にでも産まれてくればよかったか、或いは生まれる時代を間違えたか、そんな事を思ったりするが、
考えてもどうしよもう無いことであるから、手にした資料をそっと手放し、ぐっ、と深く背もたれに身体を沈めた

ステファン > そのまま軽く眼を閉じて頭や身体を休めていれば、執務室の扉をノックする音
どうぞ、と声を掛けてから姿勢を正せば、ドアの向こうから現れたのは書類仕事を運んできた騎士見習いであった

―――お客様が、帰られたようなのでお願いできますか?

と彼が机の上に資料や書類をどん、と置けばどれ、と一番上の書類を手にして
なるほど、と書類に目を通せば腕まくりをし、先に終わった書類の束を騎士見習いに各所へ届けてもらうよう手渡す
すまないけれど、と彼にお願いして彼が部屋から出ていくのを見送れば粛々と仕事を熟していくのであった

ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」からステファンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にアーヴァインさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からアーヴァインさんが去りました。