2017/05/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にルークさんが現れました。
■ルーク > 主よりも一足先に、主の私室へと王城の廊下を歩みその重厚な扉をルークは開いた。
落ち着いた調度品で整えられた室内は、既に明かりが灯され明るい。
静かに扉を閉めると、広い室内へと足を踏み入れ探索魔術を発動して魔力を部屋の隅々まで走らせる。
主よりも先に部屋に戻ってくる理由の1つ。
部屋に不在の間に、暗殺者や不審人物、不審物の侵入の有無や痕跡を確認して安全を確保する事。
王城の王族の私室で警備も万全の中、滅多なことはないだろうが絶対はない。
安全を確認した上で、主が戻ってくるまでに主にとって心地よい空間となるように部屋を整えるのがもう1つの理由。
メイドによって、清掃やベッドメイキングがなされた部屋の中を丁寧に確認していく。
シーツに皺がよってはいないか、小さなゴミが落ちてはいないか。
「………。」
私室の中で区切られたリビングや寝室、書斎など一つ一つの部屋を見て回り終え、問題がないことを確認すると浴室へと入り浴槽に湯を入れる。
棚から香油の入った瓶をいくつか取り出すと、キャリアオイルの中に少量ずつ垂らして香りを調整してマッサージ用のオイルを作る。
ふわりと湯気の中に、ラベンダーを主とした香りが漂い。
■ルーク > 調整の終えたオイルの小瓶に蓋をすると棚の中に取り出した香油を戻し、小瓶はすぐ手に取れる場所に置いておく。
浴槽の湯の溜まり具合を一瞥すると、湯の勢いを弱めてルークは浴室を後にした。
書斎へと向かうと、不在の間に届けられた書簡の整理へと取り掛かろうとしたが封筒や羊皮紙の巻かれたもの以外に圧倒的に存在感を主張する積み上げられた薄い冊子の山に、一瞬動きが止まる。
「………。」
瞬乾よりも少しの間だけ長く目を閉じると、感情の映らない琥珀の瞳を再び開いてまずは通常の書簡の整理に取り掛かる。
部屋に入ったときと同じように、探索魔術を一つ一つに走らせると毒針や刃物などが仕込まれていないことを確認し差出人別に文箱へと収めていく。
基本的にはドラゴンフィートや主個人に送られた書簡が主となる。
第零師団関係などのものはそちらの執務室に送られるはずで。
山のように綺麗に箔押しされた表紙に飾られた、薄い冊子も主個人に向けられたもので此処に届けられている。
通常の書簡の整理を手早く終えると、紙とペンを手にして積み上げられたそれへと向き合う。
一冊一冊箔押しされた表紙を広げては、そこに書かれた名前を紙に書き記していく。
静かな書斎に、カリカリと紙の上をペンが走る音だけが響く。
ご案内:「王都マグメール 王城」にカルニーツォさんが現れました。
■カルニーツォ > 人気のない王城の通路を足音も立てずに進む黒ずくめの男。手にした鎖のついた香炉をゆっくりと振り回しながら進んでいけば、周囲には薄紫の煙が甘い匂いとともにうっすらと漂っていく。
見るからに怪しげな風体にもかかわらず、時折すれ違う衛兵はまるで男がそこにいることが見えないかのようにそのまま通り過ぎいていく。
香炉から漂う煙は魔力を帯び、少しでもすった者に対して強い幻覚を起こす。その効力は強く並の人間であれば、自らが幻覚に陥ったことも気づくことがない。
やがてとある部屋の前に立つとそっと耳をそばだてる
『明かり...誰かいますか...』
暗殺を請け負った対象は普段であればまだ部屋に戻っていないという情報を得ていたが、すでにすでに室内には人の気配が。
『まぁ、予定通りに行かないのが当たり前ですからね...』
心うちでそう呟くと、香炉を振り回すのを止め、床に置く。そこへ腰のポーチから取り出した紙包みの中の粉を振り入れる。煙の色が濃くなり、香りもさらに甘い物となる。
さらに扇を取り出すとゆっくりと扇ぎ、扉の隙間から煙を室内へと送り込んでいく