2017/03/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にアーヴァインさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にルークさんが現れました。
■ルーク > 王城の広間の一つ、いくつものロウソクが灯され明るい室内は大気が揺れるたびにゆらりとその光源も揺れる。
揺れる光は、傷だらけの手の中に収まるグラスの琥珀色の液体の中にも移りゆらゆらと揺れる。
椅子に腰掛ける傷だらけの男、ルーアッハ・グラウ・カルネテルは肘置きに肘をつきながらゆったりとグラスを揺らしながら養子が訪れるのを待っていた。
要件は告げずに、すぐに来いとだけ伝えてある。
広間には、傷だらけの男の気配の他に人の気配は感じられずけれど揺れる光の闇に溶け込むように男のすぐ傍に控える存在があった。
グラスに揺れるのよりも、少しだけ明るめの琥珀色の瞳はガラスのように無感情な光を灯て、ただ黙して佇む。
■アーヴァイン > 改めて義父に呼び出されたのは、王城の一部屋だった。
ドアを開ければ、ろうそくの明かりだけが踊る室内。
まるで密談でもするかのような絞られた明かりは、何か意味深なものを感じるが、今は変わらぬ冷たい瞳を見せるだろう義父の元へと歩いて行く。
「今日は何用で? それと、そこの者は…?」
彼の隣に立つ、琥珀色の瞳を持つ存在。
女性…なのか、少年なのか、どちらとも言える風貌よりも、その瞳の暗さが気になった、まるで義父の冷たさの様に感じる。
元々、義父の目に畏怖など覚えはしなかったが、この人の瞳から感じるのは、壊れたような灰色の感情。
一体何をしたいのやらと思いつつも、常人が見せる瞳とはことなる存在に何度か視線を向けつつ、義父へと視線を戻す。
■ルーク > 『遅い、呼ばれたらすぐに来い』
ドアを開けて現れたアーヴァインへと向けられた言葉は、まずそれだった。
肘かけに肘をついたまま、冷たい瞳は入ってきたアーヴァインへと向けられ、それだけで威圧感を齎す。
シャンデリアの明かりは入れられず、ロウソクの明かりのみの部屋はどこか闇を孕む。
黒い上着に、黒いブーツとそのまま闇の中に溶けてしまいそうなほどに希薄な気配のそれは、
黒い色の中で、琥珀色の瞳だけがロウソクの光にゆれるが、その声にも瞳にも感情は感じられずどこか人形めいて見えることだろう。
『これをお前につける。好きに使え。』
端的に告げられ、傍らにあった盤上ゲームの駒をアーヴァインへと放られる。
受け止めれば、それは黒いガラスでできた城の形をした駒だっただろう。
「…では、先代様の従者の任を解かれるということですね。」
『不満か?』
「いいえ…。…お初にお目にかかります。本日より、アーヴァイン様の陰に仕えますルークと申します。」
男の言葉に、その人物が変声期の少年のような高くも低くもない声を奏で質問を投げかける。
視線も向けずに返された男の言葉に、否定の言葉を紡ぐ。
不満など感じるはずもない。あるのは、ただどんな理不尽な命令にも従う忠誠だけ。
不満を感じる感情などは持ち合わせていなかった。
改めて感情の篭らない琥珀色の瞳はアーヴァインを見据える。
そして、臣下の礼をとると名を告げて。
■アーヴァイン > 「それは失礼した」
何か急ぎの用事だったのだろうか、普段よりも気が立っているように感じる。
まだ親子の関係となって浅いが、悪態を付かれる時はだいたいそんなところである。
付かず離れずの在り来りな返答も、それが一番無難と学んでの言葉だった。
それよりも隣に立つ従者の方が気になる。
暗殺部隊にあたるバンシーの隊員達も、似たような気配を感じさせることはあるが…ここまで人形のようなのは初めてだ。
そちらに気を取られていると、淡々と用事を告げる義父の言葉、そして投げつけられたのは黒い城の様な駒。
何故それを放ったのか、飲み込めない状態で気の抜けた生返事をするわけにも行かず、ぐっと堪えながら小さく頷く。
「それは構わないが…そちらは俺の事をどれだけ知っているんだ?」
二人の言葉から察するに、所謂護衛などと言った扱いなのだろうと察していく。
しかし、貴族も居ないところで従者のためだけに祟り神をしていては、精魂尽き果てそうだ。
念の為と、こちらについての情報の度合いを問う。
「…ルークか、アーヴァインだ。詳しいことは…義父から聞いていると思う」
まだ自分の情報がどれだけ伝わっているか分からぬ中、当たり障りのない返事で答えれば、淡々と名乗る従者に内心は戸惑っている。
どう接したものか、普段なら握手なり何なりして、適当に雑談でもしながら、互いを知り合うところだが…。
今はちらりと見やった義父の答え次第というところだろう。