2017/02/24 のログ
■アーヴァイン > 「…あぁ、そうさせてもらう」
彼の言葉と、感じる視線から何か意図があると感じ取れば、変わらぬ仏頂面のまま頷き、静かに室内へと入れば、適当な席に腰を下ろす。
見たところ、どこかの貴族の女とみえるが、その程度の存在に彼がまともに取り合うとは珍しいと思いつつも、あまりそちらを見ないようにしながら、聞き耳だけは立てていた。
(「総裁……あぁ、あの悪名高い…」)
変わらぬ顔立ちのまま、彼女の存在を彼の言葉で理解すれば、その対応に一人納得する。
同時に、面倒なところに引きずり込まれたやもしれないと、溜息を零したいところを我慢する。
■シャーロット >
「んふふ、真面目な話でもあるのだけどね?」
ソファの上で足を組み替え、じぃっと玉虫色の瞳がオーギュストを見据える
「今回のこの軍議、お金が出ないのは単なる私の我儘だけじゃないのよ?
『なぜ今』『どうして今』、下手を打てば魔族を刺激しかねない遠征を強行したいのか。
それが見えてこないからみぃんな訝しんでるのよね♪」
ふふ、と笑って、もうひとり増えたそちらにも視線を向ける
入室を許可したということはそれなりの人物なのだろう
「第七師団の有り様を示したいだけ?
師団への予算の記録を眺めると随分前から準備をしてるのよねぇ…
それに一度強行で踏み入ってる、その時は吸血鬼のお嬢さんを捕らえたんですって?
それ自体、王城管理下の地下牢に幽閉すべき案件だと思うけどぉ…しかも逃してる…ふふっ♡
……将軍ちゃん、もしかして私怨で師団を動かしてたりとか、しないわよねぇ…?」
つらつらと述べられる言葉
そのどれもが何かを引き出そうと絡みつく触手のような厭らしさを持つ言葉で構成される
■オーギュスト > なるほど、そういう事か。
たまに真面目な事を考えたと思えばこれだ。
まったく、本当にロクでもない女だ。
「その件ならば簡単だ。
捕えた事まで知ってるなら、何で捕える事になったかも知ってるだろ。
例の吸血姫はタナールを越えて街ひとつを壊滅させた。放っておくには危険すぎる。
ついでに第七師団をタナールで壊滅させてくれたのもあいつだ。
そして技術の進歩により、奴の居城を攻略する作戦を立案できた。
師団の仇と、戦略的目標と、技術革新が一致しただけの話だ」
ついでに吸血姫をもう一度捕えて散々嬲ってやろうとは思ったが、それは個人の目的である。
師団を巻き込むつもりはない。
「むしろお前がそんな事に首を突っ込む方が驚きだ。
今更師団やら軍団を将軍の私情で動かそうと、文句を言うタマじゃねぇだろ」
自分は銀行をモノのように扱っているクセに。
■アーヴァイン > (「吸血姫の居城……」)
その言葉に以前の出来事を思い出す。
彼らの言葉に耳を傾けつつも、状況はある程度見えてきた。
城に再度攻め入りたい将軍は、軍資金に困っている。
そこの総裁が鍵を握るが、何やら探ろうとしている。
探るというよりは、何か引っ掻き回したい程度かもしれないがと思いながらも、使役獣へ思念の言葉を飛ばす。
同じ契約を持つものに、此方の思念の言葉を書き留めるようにと。
なにか直接的な影響を及ぼす家は分からないが、知っておいて損はない。
ただ変わらず、気配に馴染むように静かに座って佇んでいる。
■シャーロット >
「やだー別に文句なんて言うつもりはないのよ~?
私が探ってたのは、付け入る隙♡」
悪びれもなく、笑顔のままそうのたまう
「町一つって確か辺境の町よねぇ?別に此処には危険は及ばないんじゃなぁい?
むしろぉ、そうやって魔族の国に踏み込んで連中を刺激したほうが、
よーっぽど王城を危険に晒すんじゃないかなーって、シャーロットは思うな~?
てゆーか、軍議に参加してる大体の貴族はそう思ってるんだけどね」
くすくす
このままじゃお金が足りなくて出れないわね、と零して
「軍資金の補助、少しだけなら個人的にしてあげてもいいわよぉ?
もちろん将軍ちゃんにちょっとやってもらいたいことがあったりするから、って条件つきなんだけど♡」
どう、聞く?と悪戯猫のような視線を送る
■オーギュスト > 「だと思ったよ」
付け入る隙を探っていた、との言葉にやれやれと息を吐く。
まぁ、こちらも暗殺する隙をうかがっているのでお互い様である。
「軍には体面ってもんがあるからな。
王都だけを守ってはい終わりでいいのは近衛師団だけだ。
クソ貴族連中は、まぁ王都だけ守れればいい連中に入るってのはその通り」
そして、一度姿勢を正す。
「聞く気が無いなら叩き出してる。
こちとら手段を選んでられる状況じゃない」
■アーヴァイン > 「……」
(「リトルバードを二羽、すぐ動けるようにしておいてくれ。移送用の籠もだ」)
部外者がいるにも関わらず、遠慮なく密約を切り出す女に嫌気が指すものの、変わらぬ表情で脳裏の言葉を音なく紡ぐ。
ここで少しだけ、流れを変えるきっかけを作れる道筋を浮かべれば、仲間に送った指示は、最優先すべき答えだった。
■シャーロット >
「そうこなくっちゃ♪」
ぽん、と手と手をあわせてソファの上で跳ねる
「実は私の私衛騎士がやんごとなき事情で減っちゃったのよね~。
遠征が終わったあとで構わないから適当なの見繕ってくれなぁい?
あ、できれば女の子がいいわねー、ほらー男ばっかりだとムサいし?」
うふふ、と愉しげに笑うシャーロット
しかし笑っていたかと思えば、見透かすような玉虫色の瞳は次にアーヴァインの方へと向く
「キミは今の話は聞かなかったか忘れたか、どっちにするか決めておくこと。
じゃないと明日からこの国のどこにいても敵扱いされるかもしれないわよ、こわいこわぁい♡」
■オーギュスト > そら来た。
まったく、面倒な事この上ない。
この女の私設騎士団の練度は異常な域まで高い。
あの化け物、マリアベルを筆頭に、各騎士団の団長レベルの使い手が集まっているのだ。
そんな連中へ派遣するなら、正直精鋭中の精鋭を派遣するしかない。
「――女だと第七師団でも数は少ない。
精鋭五人に、捕虜にした女魔族は一人を除いて全部くれてやるから、洗脳でもなんでもして使え」
それが限界だろう。
これでも破格の条件だ。
「――だ、そうだ。面倒な事になるから忘れてくれ」
もっとも、忘れないだろうし、オーギュストもそれを期待している。
ドラゴンフィートの連中にとってはこの女は打倒すべき敵だ。
それもあって、この部屋に招いたのだ。
この女の顔を覚え、敵対してもらう為に。、
■アーヴァイン > 彼女の視線を受けても、まるで動じない。
それこそ、そこらの女に冗談を掛けられた程度にしか受け取っていないかのように、つまらない仏頂面のままだ。
「別にその件に俺が触れるつもりはないが、どちらかといえば、将軍に文句がある」
そう告げると、すいっと彼へと視線を向け、手にしていた書類を突き出す。
中身は、第九師団への毎月の上納金と言うかたちで集められた金銀財宝類の詳細が記されている。
それこそ、そこらの小さな組織では捻出できない額だ。
「これと一緒に遠征費をこちらに申請していたが、それは不要なのか? それとも足りないか?」
そんな話など、有りもしない。
ただそれを、差もあったかのように当たり前に告げた。
借りを作るならどっちを選ぶか、それを試すように…淡々と変わらぬ表情で問いかける。
■シャーロット >
「ふふ、それじゃ商談成立───」
ふふっと可愛らしく笑って両手を打つ
将軍ちゃんも話がわかるようになった、と思った矢先
同室の男が動いていた
遠征費の申請?
そんな話は軍議で一度も出ていない
シャーロットの目つきが変わる
近くにいる従騎士の一人に耳打ちすると一礼し、その騎士は部屋を足早に出ていった
■オーギュスト > 「――あぁ、そっちに頼んでた融資の件か」
やれやれ、何を言い出すかと思えば。
一応、話を合わせておく。
とはいえ、その額では足りないのも確かだ。
「随分集めてくれたようだが、まだ足りんな。
そちらには遠征後に頼みたい事もある。
幸い、総裁閣下が資金供与を承諾してくれた、そっちに頼るのは今度にする」
どうやら対抗しているようだが、丁度いい。
彼らドラゴンフィートには、今後この女の敵として振舞ってもらった方が都合が良いのだ。
少なくとも、遠征終了まで、シャーロットの目をそちらに向けさせておきたい。
「紹介が遅れたな。
こっちの男はアーヴァイン。最近九頭竜山脈で組合をやってる。
アーヴァイン、こちらはかのフェルザ家当主、シャーロット令嬢だ」
■アーヴァイン > (「リトルバード、魔法銃士隊から二人つれて、全力で出発だ。10分で王都の外へ到達してくれ、気付かれないよう途中からは徒歩だ。カラーレスに到達後、娼婦をDFへ移送。それと…ついでだ、置き土産が出来ればしておいてくれ」)
将軍が話に食らいつき、女が此方を意識した視線を向ける。
最初に手がつきやすいのは自身が抱えている娼婦宿だ、足の早い隼の速度を利用して、まるで夜逃げのように撤収させるように、思念で仲間へ指示を送る。
「そうか、それは残念だが仕方ない。遠征後の事に期待させてもらおう」
素直に頷きつつ、頭の中には他の契約者である仲間の現状報告が飛び込み続ける。
彼に紹介されれば、彼女の方へと向き直り、先程までとは打って変わり、柔らかな笑みを浮かべてみせた。
「ご紹介に与ったアーヴァイン・ルグゼンブルグだ。以後お見知りおきを、シャーロット殿」
何時もよりは丁寧に気遣った言葉遣いをしたのは、相手に慄いたと思わせるフェイク。
まずは、彼女がどう出てくるかが、ここから肝心なところだろうと、内心は伏せながら様子をうかがう。
■シャーロット > 「九頭竜山脈の組合……ふぅん」
常々『邪魔』だと思ってきた、アレの
ソファから立ち上がり、ぱたぱたとドレスを払う
シャーロットの立場から見れば、差別のない自治区など許容できる筈もない
ちょうどよい足がかりを得ることができたようなものだった
「一応覚えておいてあげる♡
キミには私のことは金融機関総裁というよりも、
徴税監査官…として覚えておいてもらったほうがいいかもねぇ」
税の徴収に応じない者達には一切の温情をかけず、
居住区を破壊、焼却しその財産も家族すらも奪ってゆく
シャーロット、ひいてはフェルザ家のもう一つの顔である
■オーギュスト > 二人の間に漂う剣呑な雰囲気。
よしよし、策は成ったらしい。
せいぜいいがみ合い、潰しあってくれ。
ちなみにドラゴンフィートの方が勝ってくれると大変嬉しい。
「結構。一応、文面にするとまずい事だから口約束だ。
お前ならあの程度の額、特に問題ないだろう。
好意に甘えて後払いにさせてもらうぞ」
それだけ話せば、シャーロットとの話は終わりだ。
あとは二人の問題と、アーヴァインに話しておく事だが……
(……まぁ、それは後日でも構わんな)
■アーヴァイン > 「それはもう存じている、第九師団を通して必要な額は常に収めている」
勿論だとも静かに頷いた。
彼女にとって自分は潰したい存在だろう、しかし、潰そうと思うのがもう遅いのだ。
だからこそ、冷静でいられる。
2年前からの計画は、静かに、そして順調にこの血に根を張っていた。
だから変わらぬ爽やかな笑みで告げるのだ。
「我々が営業できなくなれば、王都の供給と交通が滞ってしまう。仕事をやめる訳にはいかない」
安全な航路は、人だけでなく物も運ぶ。
健全な商売は、そこに人を根付かせ、流通を作り出す。
更に、貴族たちが口にするだろう新鮮な食料は、奴隷と囲われたミレー族たちより、確かな価格で取引した一流品でもある。
清流の源泉たる集落を潰せば、巡りが滞り、塩一つがとんでもない値段に跳ね上がる。
それは既にルミナスの森で一時期起きかけた由々しき事態だ。
塩、香辛料、ティルヒア方面からの流通品。
兵站の資金は跳ね上がり、金は価値をどんどん失う。
此方が運行する場所もそうだ、王族や貴族を安全に旅をさせた装甲馬車も失われ、王都から出る時は、抱えるような金で人を雇うか、命懸けかの二択だろう。
『やるなら共倒れだ』
暗にその一言はそれを物語る。
■シャーロット >
「そうねぇ、額面上は問題ないのだけどぉ…」
んー、っと顎に指を当てて、考えるような仕草
そして再び向き直った時には、その玉虫色の瞳にはドス黒い悪意が宿る
「じゃあ中に立ち入って、ちゃあんと調査をさせてもらっても大丈夫ね?」
"コイツはどんな手段を使っても潰そうとする"
"絶対に侵入を許してはならない"
"かけた年月など関係なく、腐敗と憎悪を撒き散らす術を持っている"
そう認識させるに十分足る、悪意の塊を隠すことなく剥き出しにした、そんな眼をしていた
■オーギュスト > 「おいおい、税の話ならよそでやってくれ」
んな事をこの執務室でやられては構わない。
双方じっくりと準備して、是非血みどろの争いをしてくれ。
とは口に出さずに。
「さて、話はこれまでだな」
シャーロットに向かい言う。
おかげで資金面の都合もつきそうだ。
遠征計画をひとつ、進めなければいけない。
■シャーロット > 「ふふ、そうね♡」
過去、徴収された税の内容を改竄され家ごと叩き潰された貴族も存在する
正しいことをやっているだけでは逃れられない、王国の最も腐った部分に根ざした貴族
それがシャーロットの本質であり、粛清されるべき悪の根の一つだった
「それじゃあ私はこのへんで♪」
部屋の入口まで歩いて、くるりと踵を返してひらひらとその手を振る
従騎士の手でドアが開けられれば、そこでふと気づいたようにもう一度振り返る
「そうそう~」
これ言っておかなきゃ、と思いだしたような表情で
「こういう取引が成立するのはぁ、師団に価値がある間だけだから
覚えておいてね将軍ちゃん♡」
言いつつ、ぱちっとうぃんく
再び開かれた玉虫色の瞳は、その奥に深い闇を感じさせる淀んだもので
「いらなくなったらくしゃくしゃに丸めてぽいって捨てちゃうから。
そうならないように頑張って結果を残してね♡
過去の栄光だけじゃ、直近の不手際はなくならないから♪」
またね~、と嘲笑を残し、シャーロットは部屋を後にするのだった
ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」からシャーロットさんが去りました。
■アーヴァイン > なるほど、これは面倒な相手だと見た目とは裏腹に濁りきった視線に思いつつ、ちらりと将軍を見やる。
だが、彼女にとって、此方に踏み入るのは屈辱以外の何者でもないのを知っている。
「シャーロット殿は止められたほうがよいかと思う、副将軍以外の存在は全て平等な存在として扱われるのはご存知だろう? これについては、我々ではどうにもならない部分だ」
マグメール王国軍第9師団 副将軍の私有地であり、副将軍以外の存在は全て平等な存在として扱われる。
つまり、彼女もミレー族と同類にされてしまうという意味だ。
遠回しにそれを避けさせる問いかけをしつつ、互いの立ち位置を考えながら衝突を避けようとする。
公にはされていないが、逆らえば龍が暴れて面倒なことになる。
オマケに金づるを失うのだ、止めようがない。
その説明が届いたかどうか、彼女を見送ると、軽く肩をすくめた。
■アーヴァイン > あれからカネを受け取って大丈夫なのか? そう問いたげに彼を一瞥すると、こちらも今日は帰ろうとドアの方へと向かう。
「それと、先程の城の話だが、ロザリアの城の事なら……恐らく最深部まで到達できた」
と、呟けば、廊下へと抜けていく。
脳内に響く仲間の声は激しい、それでも撤収は速やかに行われていけば、口角も上がりつつ帰路へとつくのだった。
■オーギュスト > 「――ふん」
まぁ、用事はいつでも良い事だ。
二人の帰りを見送ると、こちらも遠征の準備をするため書類を引っ張り出す。
ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」からアーヴァインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」からオーギュストさんが去りました。