2017/02/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 地下」にシャーロットさんが現れました。
シャーロット >  
黄金の鉄鞭を手に地下を苛立たしげに歩くシャーロット

明らかに機嫌の悪いその様子に、お付きの者達も今一歩近づけず
ただただその様子を眺めている

──シャーロットの目の前には、ミレー族の少女
先日シドという男が間に入り助けた少女だ

振りかざした鉄鞭が石壁を打ち叩くと、
大きな音に少女は怯えた様子を見せる──

「この私相手によくも、無礼な──」

先日のことを思い出す、
ギリ…と歯ぎしりしながら、手元の鉄鞭を歪ませる

シャーロット >  
ふ、と表情が和らげ、屈み込む
怯えたミレーの少女の顎を鉄鞭で持ち上げ、顔を覗き込みながら

「……ねぇ~え?
 あの男に助けられて、幸せだった?
 ねえ?この世にも光があるんだって、十分に勘違いできたぁ?」

鉄鞭が少女の顔を這い回るように撫でてゆく
怯え、震える様子を目を細めて笑い、眺めて

「不幸で可哀想な奴隷の少女を助けた…良い貴族もいるんだ、って…?」

くすくす、くすくす
愉しげに、笑って……

ガツッッ

華奢な少女が横へと派手に飛ぶ
石壁に赤黒い液体がぱたぱたと跳ね散った

シャーロット >  
「いいのよ、どんどん勘違いして」

痙攣し、動けなくなった少女を鉄鞭が何度も何度も打ち据える

「利己愛やエゴでああいうことをすると、
 奴隷なんていうゴミクズは余計惨めなことになるんだって、あの男に教えてあげないと」

壁に散る血痕が夥しい量の染みに変わる頃
ようやくシャーロットは歪んだ鉄鞭を床へ放り捨てる

「──っー、こんなんじゃ気分も晴れないわね。
 もういいわ、これ。あの男の屋敷の前にでも捨てておいて」

小さく痙攣を繰り返していたミレーの少女がまったく動かず、悲鳴をあげなくなると興味を失ったように踵を返す

用意された厳かな椅子に座り、小さな欠伸
従者達が頭陀袋を持ち、少女の遺骸をもののように詰め込んで運び出す

ご案内:「王都マグメール 王城 地下」にマリアベルさんが現れました。
シャーロット >  
奴隷を痛めつけて殺すことなど日常茶飯事
シャーロットのお付きの人間達ももはやそれに慣れている

奴隷を一人叩き殺しておきながら、女は未だ冷めやらぬ怒りに視線を尖らせている

指で合図をすると、初老の執事らしき男性が前へと出る

「ゴミ屑をいくら叩き壊しても気分が晴れないわ。
 あの男の家を徹底的に調べなさい。
 それで、多方面に差し掛けて全部パイプをカットしなさい」

自分一人の出世や満足の為に後先考えず動けば、どうなるかを目に見せてやる
自分の全ての行いが、自分の周囲の全てを壊すことになってもあの男は平然としていられるだろうか

それを実行する力が、シャーロットには在る

「家を丸裸にしたら、次は一人ずつ王城に家の人間を出頭させなさい。
 本人は放っておけばいいわ、周りから、石垣から、
 あの男のしてきたこと全てを足元から粉々に崩してやるの。
 それで最後に全部あなたのせいだって笑ってあげればいいのよ」

うふっと可愛らしい笑みを浮かべる
従者達は、その様子に薄ら寒さを感じるように僅かに視線を外す

マリアベル > 「お嬢様」

初老の執事が下がると、入れ違いに現れる。
周りの者たちに比べ、この女執事は主であるシャーロットを熱っぽい視線で見つめている。
その忠誠は、不動のものであるようだ。
恭しく一礼し、お嬢様の前へと進み出ると、報告する。

「報告致します。例の、お屋敷から逃げ出したミレーの奴隷ですが――お嬢様のご命令通り、足を一本もいでまいりました。
明日にはもう片方の足を、それでも生きていたら次は腕を斬ってまいりますわ」

吐き気を催すような報告を、嬉しそうに述べる。
それが主の望む事ならば、この女は喜んでそのような事でもやる。
それがフェルザ家の女執事にしてシャーロットの道具である自分の役目だから。

シャーロット >  
「え?ああ…そんな話あったわね。もう殺しちゃえばいいわよ、
 どうせミレーは二束三文にしかならないし」

入れ違いに前に出た女執事
その執事の報告に淡々とした様子で、冷たい視線を向けながらそう答える

奴隷が逃げた、と聞いたので連れ戻し足を切れと命じた気がするが、
逃げ出したのはミレーだったか、と。
冷淡な対応は、シャーロットがミレーや魔族といった存在をただのモノとしか扱っていないことを如実に現している

「丁度良いわ、マリアベル。
 今しがた他のものにも命じたけれど、アルケイオス卿を処刑台に送って差し上げたいの。
 一族全員、放蕩しているシドニウスという男"以外"全員をね…。
 手が空いていたら、お手伝いしてあげなさい?」

目を細めて愉しげに口元を歪ませながら

マリアベル > 「はい、承知しました。それでは明日にも首を刎ねておきますわ」

再び恭しく一礼。
彼女にとって、お嬢様の言葉は全てに勝る。
お嬢様が飽きたとおっしゃるなら、それまでの事。とっとと首を刎ねて捨てておこう。

「アルケイオス卿、ですね。
承知致しました。それでは使用人などからはじめますわ。見つけ次第、暗殺を――」

そこでふと目を細める。
お嬢様の立っている場所の奥、壁の中から――

「お嬢様、少し失礼致します」

袖から小刀を取り出すと、壁の切れ目に差し込む。
続いて、鈍い悲鳴。
間諜かただの覗きか――いずれにしろ、容赦する必要も無い。
手ごたえはあったので、長くは生きていないだろう。

「王城も、あの第七師団とやらが帰ってきてから物騒になりました。
お嬢様、どうぞお気をつけくださいまし」

小刀の血をぬぐいながら言う。

シャーロット >  
あら、と
壁の奥から聞こえた悲鳴に肩を竦める

「所詮ただの騎士団でしょ?
 気にするほどのものではないわ。王国の平和の為だとか、自分達の信念だとか、
 果てにはただの戦場バカの集まりなんだから、
 適当に役目を与えて最低限の金を渡して置けば黙るでしょ」

ふぁ、と再び小さな欠伸
間者が近くにいた事実を知っても尚、揺るがない
少しばかりの自身の不利など、圧倒的な財力で塗りつぶせることを知っているのだ

「ん…でも第七師団…よく聞く名前ね。
 ……あぁ、近々魔族の国へ出兵する一団だったかしら。
 王国から資金に関する援助の話が来ていたわね。ふぅん……」

何やら興味深げに顎に手をあてて、しばしの沈黙…

「…獣くさいミレーばかりじゃ華がないと思っていたところ、
 どうせ魔族の国へ行くのなら何人か魔族を生け捕りにしてきてもらおうかしら。
 どんくさくてすぐに壊れちゃうミレーよりも面白い玩具になりそうじゃない?
 そうね、それがいいわ。それを条件づけて、軍資金を言い値の倍で支援しましょう」

そう言って屈託のない笑みを浮かべる
その笑顔には醜悪さも邪な影もない
自分がしていることが間違っているとは一切思っていない人間の顔だ

マリアベル > 女は魔族と人間のハーフだが、お嬢様の言葉を聞いても何も感じる事はない。
自分が特別な存在だからではない。
この世で特別なのはお嬢様だけであり、そのほかは等しく、己も含めてお嬢様の道具でしかないからだ。
それが役に立つならば価値があるし、邪魔になるのならば価値など無い。

そしてお嬢様には圧倒的な財力があり、
いざとなれば自分を含めた親衛隊がお嬢様の危機を救う。
お嬢様は泰然として、望むままに振舞えばいい。

「魔族を生け捕りに、ですね。
 高位魔族は、それこそ極上の味だと聞いています。
 ――なんでも将軍の一人が、かつて高位吸血姫を手篭めにしたとか?」

聞いた事はあるが、本当かどうかは分からない。
だが、お嬢様が喜ぶならば吸血鬼の一人や二人は捕まえてくる覚悟がある。

シャーロット >  
自分の言葉を一切合切受け入れるマリアベル
単純なものだと思う
処刑されそうになったところを気まぐれに買い取った、それだけの関係だというのに

絶対的な修正を誓うこの女を前にしてすらもこのシャーロットという女は、
『自分のまわりのモノの中では使いやすいく、使える玩具』以上の感情を向けない
根本的に人間としての何かが抜け落ちている、と影で評する者もいるが───

「んー?あぁ、そんな話を小耳に挟みましたわね。
 そうだ、今後捕らえた魔族は王城の地下牢獄に投獄しろと徹底させなければ、
 確か以前その吸血姫とやらを自身のお膝元に隔離しておいて、逃げられたわよね?
 それを理由に命じればイヤだとは言えないでしょ。
 ミレーと違って魔族の奴隷は高く売れるのよね、高位の魔族ならことさら。
 そういう意味ではその第七師団、懇意にしてあげてもよろしいわね?」

くす、くす
全てを金勘定で計算するだけ、そこには人の心すらも介入する余地がない
ある意味では純粋である

マリアベル > 女執事は主の言葉を嬉しそうに聞く。
その言葉を聞き、その意を汲み、その望みのままに動く時にこそ、彼女は満たされる。
それしか、生きる目的が無いのだから。
お嬢様に愛される事を望んでなどいない。
ただ、壊れるまで使ってもらうだけでいい。

「はい、それではそのように要望を出しておきます。
 理由に『昨今情勢不安定の為』とも付け加えておきますわ」

元は読み書きすら満足に出来なかったが、必死に勉強した。
それくらい出来なくては、彼女の役に立たないから。
魔族の血による戦闘能力と、人間の知恵による文官としての能力。
双方を駆使し、彼女はお嬢様の為に働く。

シャーロット >  
「ん、いいわねそれ。
 いかにも王国のことを考えて、みたいな謳い文句。私そういうの大好き♪」

随分と頭もまわるようになったものだ
元々そういった素質もあったのかもしれない
今後は王城での貴族議会なんかに同席させても良いかもしれない

毎度退屈で面倒な議会
王国を守護する騎士団の団長達が国の為だと言い放つ理想論など、
自身に火の粉が降りかからなければそれで良い身分の者にとっては退屈以外の何物でもない
欠伸を噛み殺す大変さを毎回味わうこちらの身にもなってほしいというものだ
が、的確に意見を差し込めそうなこれを連れていけば、少しは面白くなるかもしれない

「それと…先程の間者。
 何人か心当たる家の者がいるでしょ。
 少し洗ってさしあげて?疑わしきは殺しちゃえ、ってね♡」

マリアベル > 「お嬢様のお名前で提出しておきます。
 ――金を握らせた貴族たちにも、連名させましょう」

彼女だけならば不振を抱かれるかもしれないが、何人か高名な貴族を混ぜておけば問題ないだろう。
魔族に恐怖を持つ金持ちのワガママ、程度にしか思われない事だろう。

「はい、目星は幾つか――
 最近出来た新興の盗賊ギルドがあります。おそらくは、そこに金を積んで探らせているのでしょう。
 お許しがいただけるのならば、ギルドごと潰して参ります」

どんなに勉強をしても、地の部分の血なまぐささは変わらない。

シャーロット >  
「じゃあそれで♪」

細かいことはこの子にまかせておけば大体うまくやってくれる
我ながら良い拾いものをしたものだ

ゆっくりと椅子から立ち上がり、ドレスを翻して踵を返す

「盗賊ギルド?
 駄賃で命を捨てるような仕事しかないのは哀れね。
 証拠がなくても構わないから、見せしめがてら血祭りにあげちゃいなさい?
 どうせそんなギルド、存在してたって二束三文にもならないのだし」

ひらひらと手を振って、まるでゴミを捨てて来いと軽く命じるように言って

「それと、今日は誰かを虐げたい気分だから遊んであげる。
 仕事を終えたら屋敷の私の部屋においでなさい」

口元に歪の笑みを浮かべて言葉を投げかけ、優雅な足取りで地下室を後にした──

マリアベル > 「はい、お嬢様。
 どうかお任せを――」

みたび、恭しく一礼する。
新興の盗賊ギルドなら、親衛隊を使うまでもない。
夜明けを待って襲撃し、全て血祭りにあげてしまえばいい。
どうせお嬢様の役に立たないクズどもだ、遠慮する必要などない。

「――ありがとうございます、お嬢様」

身体の奥が熱い。
お嬢様の手ずから、鞭で打たれ、虐げられる悦び。
存外の褒美を与えられ、女はいきり立つ。

あぁ、仕事ははやく、効率的に終わらせよう。
その為にどれ程血が流れようとも、かまうものか――

主がいなくなった地下室を、女も後にする。

ご案内:「王都マグメール 王城 地下」からシャーロットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 地下」からマリアベルさんが去りました。