2017/01/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 練兵小隊執務室」にクラーラさんが現れました。
■クラーラ > 自分なりの方法を求めて歩き回っていたが、副官の回復の知らせに胸を撫で下ろし、変わらぬ日常へと戻っていた。
どう治ったかの詳細は知らないものの、強い人だと思いながら書類の束を机の片隅へと置くと、ぎぃっと音を響かせながら椅子の背もたれに寄りかかる。
「……」
彼女を追いやった正体は何だったのだろうか。
また、彼女やその回りに良からぬ事を齎さないだろうか。
彼女を苦しめた背景が見えないところが、妙に心に小波を広げる。
そんなことを考えていると、カツリと立てかけた剣が少しだけ揺れ、小さな金属音を立てた。
「……強い人だったね?」
ゼルキエスとの邂逅以降、なんとなく剣を見ると喋り口調になる。
今まで剣の言葉など聞いたことはないが、同じ魔剣を持つ男が言うには自身との記憶を収めていたという。
そんなこともあり、もしかしたら出さないだけで石があるのかもしれないと思うと、つい語りかける。
返事はなく、苦笑いを薄っすらと浮かべながら、傍らにあった本へと手を延ばす。
ご案内:「王都マグメール 王城 練兵小隊執務室」からクラーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にクラーラさんが現れました。
■クラーラ > 練兵小隊の執務室、その机の上に置かれていた本は最近王都で起きた犯罪などについて纏められた調書のようなものだ。
管轄などが違うので、そんなに詳しい情報はいらないが、大まかに何があったかぐらいは書かれてある。
そんなものに目を通すのは、心の中に引っかかる謎を探るためだ。
何か手掛かりがあれば、見えない存在に近づけるかもしれないと思いつつ、ページを捲っていく。
「……」
ひとつ、ふたつとページを捲るほどに目に飛び込むのは性犯罪。
しかし、腐った世界故に加害者になる貴族やら王族は、冤罪や証拠不十分でお咎めはない。
犯された側は泣き寝入るしかない、既に知りきった答えばかりが並ぶと、流石に顔をしかめる。
「どうみても、証拠十分なのに…ね」
小さくため息を零しながらページをめくり続ける。
殺人、強盗、誘拐等など、広い王都ではあるにしても、嫌なことは結構起きていた。
その中にある奇妙なモノ、そんなものがあれば……と思いつつ、振り子時計の奏でる規則正しい音と紙が反り返る音の二つが部屋の中に響いた。