2016/12/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にクラーラさんが現れました。
クラーラ > 特に神に祈るわけでもなければ、この世の始まりに感謝するわけでもない。
ただ、その記念日に託つけて開かれたパーティーは、王族や貴族たちが行う宴会と何ら変わりなかった。
軍と繋がりがある貴族に誘われ、渋々ここへとやってきたものの、騒がしい世界に小さくため息をこぼすと、挨拶もそこそこに、バルコニーへと避難する。

「……」

度の弱いアルコールを口にしつつ、酒に火照った身体を寒空が出迎えた。
心地よく感じる冬の冷たさに目を細めつつ、眼下に広がる庭園を見下ろす。
城から溢れる明かりが自然とそこを照らし、今は枯れた蔓と枝ばかりのそこは淋しげな世界。

「あと数ヶ月したら…ここも綺麗になる」

金と権力ばかりの世界だが、庭園の花々はそんな事とは切り離されたように見えた。
今年の庭園も色とりどりの花で綺麗だったと思い出しながら、目を細め、手すりに肘をかけて寄りかかる。