2016/12/12 のログ
■ジャーク > 紫を基調とした、やけに豪華な服装や、腕に付いた煌めくアクセサリーとか、その辺りが特徴的に見えよう。
所謂、マグメールの富裕街の暗部へ行けば、どこにだっていそうな、悪趣味で悪辣な貴族を体現したかの様な、
権力に集り強気に媚びて弱気を嘲る、人間の屑。それがかの優雅なる貴族を自称する男である。
対して、縛り付けられた少女は、さて冒険者と言っていたか、成程随分小さいくせして、
その意思や実力と言う物は、それなりにあるのだろう。
「うむうむ、呑み込みが良い娘だ。だがあまり達観したように見せても、怖がっては居る様だが?」
なぁ、と方々の衛兵に耳を傾けて、彼女へと視線を戻せば、からかいながらわははと掌で緩く宙を仰いで。
「そう言う事だ。拷問のショーが見たいと言うのが主体であるのだが…。
まぁ…キミの秘密を暴くのも、それはそれで楽しそうだな。いずれにしても、折角ここまで連れてきたのだ、
私を楽しませてくれたまえ。」
口元に皺を寄せながら大笑い。察しの通り、捕まえれば、飽きるか死ぬか、それくらいまでじっくりと甚振り尽くしてやる心づもりである。
着丈に振る舞われれば、振る舞われるほど、痛めつけ甲斐が増して…、
今はこうであれ、いずれ折れてしまえば、ペットにでも何にでも、なし崩しに出来ようか。
何処かで逃げられる可能性はあるにしろ、依然彼等はその可能性に気付いておらず、暫くは続く物だとばかり考えている。
「その通りだ。小娘のクセにやはり中々利口だな。なれば、この先どれだけどのような目に遭わされるか分かった上で、やっているのだろう?……立派だと褒め返してやるかね。
はっはっは、大丈夫だ、この通りちゃんと話が出来ているから、最低限機能はしている。それで充分だ。」
言葉にしたらつまらなくなるかもしれないから、言葉にはしなかったが、
状況を分かった上でも更に強い姿勢に出てくる事は、楽しませるだけで、あまり賢いことではない。
僅かに凶器に怯える様を知りつつも、良いぞ良いぞと頷いて。
ひゅおん、ぴしゃり。
撓る鞭が少女の華奢な身体へと叩き付けられて、身体のみならず全身を揺らして響いた。
ただの布を引き破りながら、大きく彼女を甚振って。
「うーむ、良いぞいいぞ…!
今の感想と、それからついでに気が変わったか聞かせて貰えるかね?」
そんな、引き裂く様な金切り声らしい悲鳴に少々興奮気味に、豪華な椅子から立ち上がれば、傷付いた彼女へ立ち上がって歩み寄る。
「くくく、相手はこんな小娘だぞ、もう少し手加減してやっても良かったと思うが…これはこれで構わんか。」
破けた衣装から覗いた裂傷を眺めながら、絶え絶えの呼吸をしているその様を、またじっとりと見つめる。
それからどれ、と布の破れ目に手をやりかけた。
■クリスティア > 「達観も何も、そう足掻いたって変わらないならそうするしかないじゃない。
私が足掻いたらこの拘束具を外してくれる――なんてありえないわけだし。
いくら私でも、無駄なことはしないよ。馬鹿じゃないから」
減らず口は、相手の気を散らすための一手。
少しでも恐怖を先延ばしにしようという無意識の防衛手段だった。
しかし、そのような小細工を薄紙のように引き裂いて、無慈悲な一閃が肌を打つ。
鋭い一撃だった。魔物の尾撃でもこれだけのものはそう食らったりしない。
身動きの取れない状況で、衝撃を逃がす事すら出来ずに受ける一撃。
痛みは全身を駆け抜けて、口を塞ごうとしても言うことを聞かず、悲鳴が代わりに澱のような空気を切り裂く。
滲んだ血は、真っ白な肌に一筋の赤を作り出し、揺らめく照明に映えさせた。
「く、ぁっ――ぐぅっ……だ、れが……あんた、なんか、に……!
そうやって、今までも……私じゃない誰かを、痛みと恐怖で、支配してきたんでしょう……?
その手には、絶対に乗らないん、だからっ……!」
感想を求められた少女は、唾棄するように告げる。
その声は僅かに震えていて、呼吸などは乱れきっている。
恐怖はある、しかしそれを認めない。意志力の強さが伺い知れた。
こんな所で死ぬ気はないが、殺されてしまったらどうしよう。
――それすらも真なる少女には一つの夢に過ぎないのだが、悪夢は悪夢で辛いのだ。
肌に刻まれる赤も、一瞬で飽和する痛みも、眠りの中、本体も確かに感覚だけは共有している。
歯がカチカチと鳴ってしまうのを懸命に隠そうとしながら、幾度かの深呼吸で気を静める。
服に手をかけられて、脱がされても何も言わない。
羞恥で頬を赤に染めて、慎ましやかな胸元とすらりとした無駄肉のない腹部を露わにしながら、懸命に無言を貫く。
直接的な痛みにも、この程度の辱めにも耐えられると示すかのように。
ただ、少女の心臓だけが、早鐘のように鳴っていた。
ご案内:「王都マグメール 王城 地下」からジャークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 地下」からクリスティアさんが去りました。