2016/10/08 のログ
■イニフィ > まあ、貴族の食事はどれも美味しい。
だがどうにもやはり同じ味ばかりだと、飽きてしまう。
好みの味はやはり、庶民が汗水たらして働き、そして提供してくれる作り立てが一番いい。
笑顔で、食事の感想等を言いつつ、人気のない場所へと移動していった。
「あー…数えるのもいやになっちゃうわ…。
大体、色目使ってよって来るやつにろくなのはいないわよ、顔で勝負できると思ってるのかしらね?」
貴族の間では、イニフィの評価は著しく低かった。
食事のマナーも作法も知らず、言葉遣いだってどこかフレンドリーなのが気に入らないのだろう。
しかし、その容姿とノエルの力が合わさると、やはり言い寄ってくるものは多い。
一度だけ、気まぐれで相手をしたけれども、そのせがれは翌日行方不明になっている。
「んふふ……、せっかく解体しようとしていってるのに、ごめんね?
でも、実は――――あー、先に言っちゃう?」
面白そうなのを見つけたのか、まったく持ってその通りだ。
随分と堅物そうなものだったけど、その心は闇に染まりきっている。
絶望を抱え、そしてその絶望を折れないように支えているのが、第七師団だったようだ。
「…その娘にね、目をつけてるの。
んふふ…なかなか面白そうだったし、可愛がってあげようって思ってねぇ?」
だから、ちょっとだけ協力してほしい。
ニンフェンブルグの力を少しだけ使って、第七師団を生かさず殺さずの状況にもって炒っておきたい。
「そのお礼に、…最強の第七師団を提供するって言ったら、どう?」
■ノエル > やはり姉は、冷えたものより温かみのあるものを好むようだ、
そろそろ肌寒い季節、出会ったばかりの頃にふるまったスープでももう一度作ろうか。
「まあ、家柄と財産はほぼ横並びの状態ですから、顔や身体能力で差を付けようと思っているのでしょう。
お姉さま、もみ消せる程度なら遊んでいただいて大丈夫ですからね」
姉の悪評はノエルの耳にも入っている、姉のことを悪く言われるのは正直腹が立つが
そのおかげか自分の評価が上がり、若輩者ながらひと目置かれるようにはなっている。
否定の言葉を飲み込み、心のなかで何度彼女に謝ったかは今更数えられない。
「だってお姉さまの事ですから……おきれいな方なんでしょうね」
そう言いながら、ぷくっと頬をふくらませる。
わかりやすいヤキモチだ、こういう時だけ年相応の子供っぽさがある。
「まあ、姉様の頼み事でしたら喜んで引き受け……第七師団を?」
ノエルは元々騎士の子である、人を捨て、魔を飲み込み魔人となっても
心の奥底にはまだ騎士に対するあこがれが残ってはいた。
騎士団を授かる……すなわちそれは騎士団長の座という事ではと、
ノエルの瞳は、人の子であった時のような輝きを見せた。
■イニフィ > 「まあ、一番解りやすく評価できる場所だからね、仕方がないといえば仕方がないか。
あ、そういうのはするつもりは無いの。私は確かにそういうの好きだけど、遊び人って訳じゃないのよ。」
評判が悪いのはいまさら慣れっこ、気にするようなものでもない。
そのたびに、遠巻きにノエルがいやな顔をしながら、自分に手を合わせているのも知っている。
だからこそ、気にするようなことでもなかったし、何より魔族が人間の評判を気にして如何するのか。
「あら、やきもち?…んふふ、そういうところは変わらないのね?
安心して、綺麗な人だけど…わかってるでしょ?」
頬を膨らませる、ノエルにそっと指で頬に触れた。
可愛い妹にやきもちを妬いてもらえるのは、姉としてはちょっと嬉しい。
第七師団のもので、あれほどの闇を抱えているとは思わなかった。
だからこそ気に入った、というのが正しい。
「まあ、師団長が見つからなかったら…の、話だけどね?」
イニフィは思う、おそらくその男は死んでいないだろうと。
だが、見つかるまでの間は絶対的に、管理するものが必要になってくる。
粗暴があまりよろしくない第七師団、それを纏め上げることが出来るなら、ノエルの評価は更に上がるはず。
「まあ、ニンフェンブルグの株価上昇のため、ってヤツよ。」
■ノエル > 「でもまあ、可愛い女の子は色々いますからね」
頬をつつかれると、ぷしゅっと音をたてしぼむ
人気のない所という事もあり、そのままきゅっとノエルはイニフィに抱きついた
「だって、姉様ぁ最近そういうこともご無沙汰ですし」
きゅっと彼女のドレスを掴み、少し潤んだ瞳で上目遣いでみあげる
「……そっか、そういう手段もあるか」
魔族の敵である第七師団、それを敵に回すのではなく味方にするという発送はノエルの中から抜けていた。
戦いにおいて斎場の手段は、戦わずに利益を上げること
シェンヤンの古い軍師の書いた兵法書に書かれてある戦術をノエルは思い出していた。
「なら第七師団はサポートする方向で根回ししていきますね、一応これでも人であった時は騎士の子です
それに父さん達も手伝ってくれますよ」
宿敵であるタユナとの戦いの後、ノエルは父やその仲間たちの魂をも取り戻した、そして彼らはノエルの呼びかけがあれば答えるであろう
召喚獣として。
■イニフィ > 可愛い女の子は大好きだからこそ、イニフィもこうして、時々社交場に顔を出していた。
勿論大半の貴族は男、だがその妹がいるなどという事があれば、少しくらいは手を出していた。
揉み消しが出来る範囲、といっていたが――さて。
「んふふ…最近なかなか時間が会わなかったものね?
いいわ、家に帰ったらたっぷり遊んであげる。」
上目遣いは一番最初に教え込んだ、ノエルの基本業。
まあ、大体の貴族は此れで落ちるのだが――イニフィは、その眼に軽くキスを落とした。
まるで、家に帰ってからのお楽しみを彷彿とさせるかのように。
「後はノエルしだいよ、解体するも言いし、ニンフェンブルグ子飼いの騎士を、何人か引き抜いてもいいんじゃない?」
イニフィは、あくまで人間界での地位などさして興味はない。
ただ、ノエルが貴族として力を付ければ、おのずと近寄ってくる貴族は多くなる。
その貴族の精力を集めるには、まず魅力的な貴族というものを作らなければならないのだ。
「ええ、お願いね。私も、もう少しだけいろいろしてみるわ。
んふふ、うまく行けば鹵獲できそうなのよね、あの女騎士さん」
可愛い、というよりもとても忠義に熱い人のようだった。
あの手にしていた武器は厄介そうだったけど、振るわれることさえなければ。
■ノエル > かくいうノエルも、姉の遊んだ後のその妹さんに、姉と一緒に玩具にした事もあるので強く言えない。
まあ、自分も楽しみたいという欲求は淫魔の性なのである。
「はい、今日はいっぱいかわいがってください」
今夜遊ぶの宣言とキスでノエルはすっかり上機嫌になり、
ちゃんと女の子の表情で喜んでいた。
「まあどうするかはゆっくり考えますよ、あの男が帰ってきた時の事も考えないといけませんし」
そう言いながら、時々難しい表情をしながらイニフィとともに城門の方角へと脚を向ける。
途中で小姓に馬車の用意を頼むのも忘れない。
「第七師団の者ですからくれぐれも気をつけてくださいね……」
そう言いながら二人帰路へとつく、そのときのお話はまた別の機会に
ご案内:「王都マグメール 王城 談話室」からノエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 談話室」からイニフィさんが去りました。