2016/10/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 談話室」にノエルさんが現れました。
ノエル >  
「はい、ではそのように」

貴族院の会議が終わり、そして談話室には様々な王侯貴族が集まっていた
一部の権力者はグループを作り、今後の政策や貴族院の運営に関しての密談を行っている。

ニンフェンブルク家の当主代行であるノエルもまた、まだ13歳という若さでありながら、
その会議に参加し、今も様々な貴族たちと密談や密約を交わしている。

「ええ、第七師団は強すぎる力を持っています、それを各師団に分散するのも手かもしれません、
師団長様は行方が知れない今、あの騎士と呼ぶには粗暴なものたちをそのままにして置くこともできません」

現在貴族院の会議で議題に上がっているのは、第七師団の今後に関してである
元々目の上のたんこぶのように感じていた騎士もいる、また逆恨みではあるのだが、制裁を受け家族や知人を失った者もいた
ここぞとばかりに解散案も出ているのだが、また逆に第七師団に肩入れをする王侯貴族も何人かいるのだ。

ノエルとしてはこの城で自由気ままに過ごすには魔物狩りに特化した部隊は消えてもらったほうがありがたい。

様々な貴族たちの意見を聞きつつ、叩き潰すのではなく、ゆっくりと溶かすように消滅させていく方向で舵を取ろうとしていたのだ。

ノエル >  
「いえいえ、私はまだ未熟、姉に助けられてばかりで」
 
心の力の弱いものは、ノエルの魔性の力に知らず知らずに飲み込まれていく。

「ええ、今度遊びに行かせていただきますね、うわー楽しみです」

一人ずつゆっくりと談話を行い、そしてその心の己の存在を蝕ませていく

「ええ、それは知りませんでした、とても見聞が広いのですね」

淫魔の力は性行為の場面のみで発揮するものではない、些細な会話から、ほんの少しの接触から

「あ、すいません、慌てていたものですから」

その場に存在することからでも発揮していく。

「ええ、今日は有意義なお話し合いが出来たと思います」

ゆっくりとゆっくりと、まるで鉛の盃の持つ毒素のように蝕んでいく。

ご案内:「王都マグメール 王城 談話室」にイニフィさんが現れました。
イニフィ > ニンフェンブルグ頭首代理、ノエル。
その人物を、イニフィは遠巻きにずっと笑顔で見守っていた。

じわじわと、まるで気づかないうちに水銀中毒に陥っていくかのように、周りのものを毒していく。
その様子を、赤い瞳でじっと見つめながら、彼――いや、『彼女』の謁見が済むのを待っていた。
傍らにある飲み物ももうほとんど飲んでしまっている。
あいにく、アルコールの類は拒否していたのでシャンパンは無い。
会合、と言う名前の社交場で、イニフィは久しぶりに愉しい縁談を垣間見ていた。

(すっかりやり手になったわね、ノエル…。
んふふ、人間界をどうこうしようってつもりは無いんだけど…。)

妹を泳がせておくと、もっと面白いことになりそうだ。
彼の欲望は深い、下手をすると自分よりも。

ノエル > 一通りの挨拶を済ませ、そのままあゆっくりと会話の輪から離れていく。

ノエルの発した言葉、それが種火となり一部貴族たちの議論は白熱している。
強硬派の人間が出来上がり、穏健派が押さえ、そこに折衷案として第七師団融解案を介入させていく。

その頃には誰の言葉が口火を切ったのかは覚えているものはいないだろう。

「お姉さまお待たせいたしました、退屈でしたでしょう?」

自分の『姉』に近づいていけば、今日一番の笑みを浮かべる。

「今日はコレで終わりです、帰ってお風呂にでもしましょう」

イニフィ > 狙いは、第七師団の解体。
師団長がいなくなり、まとまりが無くなった部隊をどうするかという、貴族同士の密会。
一応、イニフィもニンフェンブルグ家の一人として参加はしたが――――まあ、退屈なのは間違いなかった。

元々、人間界の貴族社会など興味なんかあるはずも無かった。
たまたま、ノエルと仲良くなり、そして貴族の仲間入りをした、いわば鳴り物入りのイニフィ。
そんな自分が、貴族の難しい話などについていけるはずも無かった。

とはいえ、此処に来て損をしたかと言えば、完全にそうとも言い切れない。
何しろ貴族たちはいい物を食べている、どこ其処の厳選した食材がどうとか。
食通であったイニフィにしてみたら、この食事だけでも此処にきた意味があった。
後は、言い寄ってくる貴族のせがれがいなければよかったのだが。

「うん、すっごく退屈だったわ。何しろ、皆同じ事しか言わないもの…。」

旗から聞いていても、建設的な議論があった、とは言い難い。
第七師団を残して自分たちに取り込みたい貴族、即刻で排除したい貴族。
そのどちらかが真っ向からぶつかり合っているだけで、何の議論にもなっていないのだ。
本当に、ここの貴族というのは腐りきっていると思う。

「ん~…お風呂もいいんだけど、ノエル。
私ね、第七師団に協力をしてあげてもいい、って思うの。」

んふ、と笑みを浮かべているその顔は、何かを企んでいる証。
赤い瞳が光、人目のつかない場所へと誘導しようと、ノエルに指を指した。

ノエル > 姉と一緒に歩き、そのまま今日の感想などを聞いている、

どこどこのハムは美味しかった、どこかのチーズは香りが良いなど
乗るもまたイニフィの舌で厳選された食材を耳にし、記憶していった。

姉に喜んでもらうのは、ノエルにとっては喜ばしいことだ
だから彼女の食の好みはノエルにとって大事な情報であった。

「お姉さまはお美しいからですね、今日は何人に声をかけられましたか?」

たぶん十中八九、姉を口説いてくる貴族がほとんどだろう。
正妻ではなく一夜の相手としてかもしれないが、姉は目を離すといつも何人かの男たちに囲まれている状況が何度もあった。

「……え? 第七師団に協力? なんでまた?」

第七師団は魔物狩りの専門部隊であり、自分たちの害になる部隊である。
それに協力するとは少々驚きではある。

今日の会議も、自然と解体されていくように会議を誘導した
とは言ってもあくまでもその布石を敷いただけなのだが。

「何か面白そうな者でもいました?」

姉がこう言うときは、その第七師団に誰か気に入った女性でもいたのだろうか
そう感づいたノエルはそう質問し、誘われるまま人目の付かない場所へと向かう。