2016/05/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/研究施設」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 王城内、その端の方に存在する研究施設。
広々としたその施設内は、今日も研究者が様々な研究や実験を行っている。
その施設内にある室長室と書かれたプレートの付いた部屋の中、大きなデスクを前にした椅子に、身の丈の合ってなさそうな小さな少女が凭れ掛っている。
デスクの上には散らばった様々な資料や報告書、それに目を通している訳でもなく、静かな寝息を立てて眠っていた。

疲れて眠っている、という訳ではない。
単に眠たいから眠っているのだが、それを咎める相手はこの室内には居なかった。

ご案内:「王都マグメール 王城/研究施設」にナルラさんが現れました。
ナルラ > 王城にある研究施設にやって来たのは王族の一人
室長室と書かれていた部屋の扉をノックすると、一度声をかける。

「先生、ミリー先生入るぞ」

そう部屋の主に一応声をかけ、扉を解析する
安眠妨害をする者に対するトラップ魔術、魔法鍵、様々な魔術が付与されている可能性があるからだ
それらを丁寧に無効化すれば、静かに扉を開け中の様子を伺う。

「寝ているか」

そう言って、適当に座れる場所を確保すれば、そのまま起きるまでまとうかと座らせてもらう。

ミリーディア > 扉にはこれといった特別な魔法は掛かっていない。
ただ一つ掛かっているとすれば、扉が開いた事によって魔力が消失する細工だ。
それが消えたにせよ、消されたにせよ、消失した事でぴくりと瞼が揺れた。
ふぁ…大きな欠伸を漏らし、ぐっと体を伸ばす。
眠そうに目を擦りながら、そこでやっと入って来ただろう男性へと眠たそうなままの眼を向ける。

「…なんだ、ナルラ君か。何か約束でもしてたっけか?」

首を傾げて考えるような仕草。
見知った相手だが、特にどうといった訳でもない。
少女にとって、誰であろうと扱いが変わるといった事はないのだ。

ナルラ > 待とうとした矢先、目が冷め先生から声が掛かる
声を聞けば振り返り、目を細め先生に近づく。
カルネテル王家の王族である彼ではあるが、魔術の師匠
付与魔術の先生である彼女の前では、弟子入りしたばかりの時のような表情を浮かべる

「いえ、ミリー先生に会いに来ただけです。
 先日私が作った毒味食器が、なかなかの評判で良く売れましたので
 是非先生にも見てもらいたいと思い持参しました」

彼は彼女から学んだ魔術を様々な分野で活用している、いわゆる実践を繰り返すも者だ。
そう言って持参したナイフやフォーク、スプーンなどを並べて見せる。

「持ったものの体調や体質を読み取り、毒性の強いものが触れれば警告の光を放つ仕組みです。
 先日は、果物を食べると体調を崩す伯爵の体質を見抜き、多くの者を驚かせることができました」

この男が少年の時からの癖である、出来のいいものができれば彼女に見てもらって褒めて欲しがる。
また欠点を指摘されればすぐに修正する。
ナルラにとってミリーディアはそれほど信頼している師匠なのである。

ミリーディア > 少女は一度見た相手をそう忘れる事はない。
もちろん、数多く存在する弟子の1人である彼とてちゃんと覚えている。
弟子とはいっても、基本的に弟子として元へ置いたりする訳でもない。
彼等、彼女等は勝手に集まってきて、色々と指導を仰いでくるのだ。
指導をする事はある種、自分にとっても身の為となる事もあるのだから、行いはする。
その辺り、やるのかやらないのかは結構気分に左右されたりしているが。

椅子に腰掛けたまま、背凭れから身を乗り出す。
彼の言葉に、どれどれ?といった感じに並べられた食器へと目を向ける。

「なるほど、面白いじゃないか。ちょっと見させて貰う」

食器に手を翳し、一つ一つを確認していく。
感知と共に分析、術式の組み方を読み取っている。
この世には色んな魔法というものが存在する。
知らぬものは無いといえる少女だが、組み合わせも含めると可能性は無限と言える。
その可能性をこうして目にする事も、なかなかに良いもので。

「これはこれで悪くはない。確かに便利であるのは確かだ。
そうだね、一つ二つ付け足すならば…」

より完璧なものを目指す。それは少女とて同じ。
欠点を見付けたならば当然の事だが、気付いた点も彼に伝えておく。
もっとも、彼はそう欠点を持つものは持ってこないのだが。

ナルラ > 実際に食器を手にとってもらい見てもらう、弟子として緊張する一瞬ではある。
彼女から様々な手ほどきを受け、そこから更に独学で様々な魔術を会得したが、彼女はいつまでたってもナルラの師である。
彼女の発明品が、多くの命を救い、生活を豊かにしているのを知っている。
だからこそ、彼女への敬意は冷めることはない。

「ええ、お願いします……結構自信作なのですが」

彼女の感知や分析する仕草、その評定を見れば緊張する。
それでいて可愛らしい少女が真剣に見る表情に、どこか憧憬の念を持ってしまう。

「ありがとうございます。 えっと修正点ですか……」

そう言って指に明かりが灯り、宙に文字を書きメモをしていく。
そのメモを取り終えると、手に持っていた錬磨水晶に文字が吸い込まれていく。
これもまた最近売りだした、空中に描くメモであるのだが、これえもまた以前に彼女から評価をもらっていた。

「貴重な睡眠時間を割いて頂きありがとうございます、次は何か手土産でも持ってきますが何かリクエストありますか?」

そういえば、いつもは菓子の一つでも持ってくるのだが、今日は忘れた。
その事も詫びながら、彼女からリクエストを聞こうとする。

ミリーディア > 魔力を使い作り上げる物の利便さの向上に、終わりはない。
長く…永く、生きている自分でさえ、その終わりへの到達の見通しは無い。
新しい物を生み出せば、それはまた、更なる新しい物を生み出す一歩となる。
こうして、また新たな一歩を作り出されたものを見るのは、悪くない。
彼もそれをよく作り出す者の一人だから、こうしてよく持ち込んだ自作の品を見ていくのだ。

「こんなものか、出来たらまた見せにくると良いだろう」

メモを取り終えるのを確認し、食器から手を離す。
指を絡めるようにして組み、見上げる。

「構わないさ、生み出された新しい物を見るのは面白い。
手土産か、そうだな…」

それをいつも期待している訳でもないが、無いとやはり少し寂しいものである。
ふと見てみれば、確かに手土産がないのに気付き肩を竦める。
そして、手土産のリクエストを聞かれれば…

「甘いお菓子とお茶が良い。出来れば、真新しい物だな」

と、答える。
頭を使う仕事には、甘い物が一番なのだ。
今は寝ていただけだと言われてしまうと、少し辛いところなのだが。

ナルラ >  
やはり師の意見は勉強になり、また自分の気付かなかった点を見つけてくれる。
そして、それを自分の物へと昇華していく、その工程が幼少期より快感となっている。
彼女は初恋でこそ無いが、今でも憧れ続ける人物なのである。

「ええ、こちらからお願いしたいくらいです、また見てください」

そう言って嬉しそうに師匠を見つめる、その瞳を真剣に見つめて

「お茶と菓子ですか……ああ、クッキーで良ければ最高の物をお持ちします、あとお茶も良い香りのものが入手できると思いますので」

ふと頭のなかに、菓子作りの上手な大切な少女の顔が浮かぶ。
その時、彼の表情がとてもうれしそうで楽しそうに見えたかもしれない。

「今日はありがとうございました、これで失礼しますね。
 あとミリー先生、部屋に閉じこもってばっかりいないで今度デートでもしましょう」

そう言って、頭を下げ会釈をすれば、室長室を出て行く。

部屋から出てくれば、よしとガッツポーズを取る。
やはり師匠に褒められたのは嬉しかったのであろう
軽い足取りで彼は、彼のラボへと向かっていく、早速聞いたアドバイスを実践に移すために。

ミリーディア > 目覚めたばかりだが、やはりまだ眠い。
それでも良い物を見れたのは収穫、こうして起こされるのも悪くはない。
彼の言葉には、また次があれば見せて貰う、と短く返す。
より完璧に近付いた作品を期待して。

「最近は王城内も物騒らしい、気を付けてな。
外を出歩くのは…考えておこう」

手土産にも期待しつつ、会釈をする彼に手を振って返す。
ちなみに、彼の想像通りに少女はお菓子作りをしない事もない。
完璧を求める故に、その味もかなりのものだったりする。
ただ、性格が災いしてなかなか作らないが…

再び一人となって静まり返る室長室、椅子にまた背を預ければ、瞼を閉じるのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城/研究施設」からミリーディアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/研究施設」からナルラさんが去りました。