2016/05/22 のログ
■テイア > シャンデリアの灯りが煌々と照らし、深い緋色の絨毯の敷かれた広間。
テーブルには料理と酒が並び、立食形式のパーティーが開かれている。
先日行われたシェンヤン国境付近の砦跡の奪還作戦は、大成功という成果をもたらした。
捕虜として囚われ砦内に入り込んだ者達が、転送魔法の魔法陣を持ち込み内部に第七師団をはじめとする様々な王国軍や、私設軍が参加した兵を招き入れる事でシェンヤンの軍隊を一網打尽にした、というのが概要。
「………。」
今回の作戦の指揮官として参加したテイアも、祝賀会に呼ばれこうして参加はしている。
軍服のような格好は変わらないが、襟や裾には細やかな刺繍が施された正装姿。
壁に持たれて、フルートグラスを揺らしながら眉間に皺が刻まれる。
ご案内:「王都マグメール 王城」にイーヴィアさんが現れました。
■テイア > 以前、この作戦への協力を依頼したときに第七師団副官のサロメが言っていた通り、功績は作戦に参加した騎士団や軍ではなく、作戦を立てた貴族が攫う格好。
実際には、お粗末な作戦の所為で多くの命が失われた。
その作戦も、正しき道を貫こうと、悪政を正そうと動くものたちを葬ろうという意図のもとに立てられたものだったから、大成功という結果はある意味目論見から外れ、ある意味目論見通りともいえる。
「…バカバカしい…」
功績を褒め讃えられた男は自慢げに笑っている。
けれど、そのまま思うようにさせる気はない。
シェンヤンへの情報の漏洩、辰金、朱金の密輸をしようとした証拠などは既に掴んでいた。
せいぜい今だけは良い思いをすればいい、と冷めた二色の瞳は男と、その周りの人間を見やる。
■イーヴィア > (――参ったな、と、言葉には出さなかったが内心で呟き、小さく溜息を零した
周囲を少し見回しただけでも、騎士や王族が闊歩する空間
普段より身分差など気に留めない性質では在るけれど
現状、明らかに自分が場違いである自覚は在り
控えめに宴を眺めながら、のんびり酒を煽っていた。)
――――……成る程ねぇ。
(――元々、変だとは思っていた。
職業柄戦力と見なされる事は在れど、あくまで平民階級である自分が
態々こんな場所に招かれるなんて普通じゃない
漸う周囲の会話に耳を傾けていれば、成る程
この戦で栄誉を受けた貴族の功績を、自分たち平民にまで伝えたいと
つまるところ、自慢の為に招かれた様な物だ
完全に貧乏くじを引かされたなと、今更ながらにそう考えながら
ふと、視線を何気なく逸らせば――其の方向に、一人の女が映った
貴族ではない自分でも其の名位は知っている、戦乙女と謡われる一人
そう言えば、今回の戦は彼女が主導だったかと、ぼうと眺めていれば
若しかしたら相手の視界にも、明らかに一人、場から浮いた男の姿が、映るかも知れない)
■テイア > 辰金、朱金が実際に発掘されたかどうかは不明ではあるものの、それをシェンヤンに流すとなれば貴族でもただではすまないだろう。
始皇に直接文を出すのは不可能だろうから、おそらくは高位の官か何かに対して出したのだろう。
その場合、匿名ではまずかろうと封蝋にシグネットリングを使ったのが、この男の甘いところだ。
ああ、顔を見ているだけで吐き気がしてくる。
失われた命のことなど何も考えずに、得意げに語る男にいらつきを覚えて無表情のまま、視線を他所へと移す。
視界にいれているだけで不快だ。
「……?」
と、視線を動かした瞳にひとりの男が入る。視線があうかもしれない。
礼服を着てはいるが、足元はやや薄汚れた革のブーツ。
貴族などの中で浮いて見えるのは気のせいではないだろう。
すい、と背を壁から離すとそちらへと歩み寄り。
「つまらない宴だろう?」
と、男に向かって話しかけていく。
■イーヴィア > (普段、こんな上流階級の宴に参加する事は皆無だ
街の酒場で仕事終わりに、さんざ騒ぎながら酒を飲んでいる類の人種にとって
こう言った場は慣れぬ、其れ以上に何より、居心地が宜しくない
何度途中退席してやろうかと考えて、其の度思い止まったか判らないが
ともあれ、此の儘平穏に終わるならば、自分はひっそりとして居ればいい――と、思っていたのだが)
―――うげ…。
(視線の先、此方に気付いたらしき相手と、目が合う
この宴に参加するに当たって、何とか礼服上下だけは用意した物の
革靴だけは準備が間に合わず、普段の履物と言う有様
だから隅でひっそりしていた、と言う事情も在るのだけれど――兎も角
本来この宴にて、主役級として扱われても良い筈の彼女が此方へと近付いてくるなら
思わず気まずげな顔を浮かべて。)
―――――……畏まった空気が、どうも苦手でね。
まぁ、こんな不味い酒の飲み方は久し振りかもなァ…。
(――掛けられた言葉は、少々意外だった
微苦笑浮かべながら肩を竦めては、一寸逡巡した後に――割と、正直過ぎる返答を)
■テイア > 歩み寄っていくと、気まずそうな顔をされてしまった。
知り合い…ではないはず。顔に見覚えはない。
「気にしなくてもいい。どうせ皆自分たちと同じ人種にしか興味はないのだから。
酒の飲み方に関しては同感だが、金はかかっているからな。
周りは気にせずに上等の酒を味わうといい。」
同じ人種、というのは階級の事ではなかった。
私利私欲に塗れ、自分より下の者を虫のように見る人々を蔑むようにみての言葉。
どうやら気まずげな様子は、この宴の雰囲気に対してだったか。
正直すぎる感想に、同感だ、と少し笑い。
■イーヴィア > (一寸微妙な顔をしたのは…恐らく、気付かれた気がする
相手に覚えは無いだろうが、此方は其の武勇伝やら戦歴やらを割りと聞く身
はて、どんな堅物なのやらと思って身構えて仕舞ったのが原因で
決して悪気が在った訳ではなく)
――気にしないでアンマリ羽目外すと、流石に仕事に影響がなァ?
アイツは誰だ、街の鍛冶屋だ、なんて上の連中に陰口されんのは面倒だからな
ま、控えめに精々愉しむさ、普段聞かない連中の話をタネにね。
(――多分、取り繕う必要が無いタイプの相手なのだろうと判断しては
普段通りのオブラートになんて包みやしない物言いを返す、か
同調して此方も小さく笑い返せば、手元の酒を、くい、と煽る
――嗚呼、先刻よりも大分美味い。)
―――……アンタ…アレだろう? 誉れ高き「ヴァルキュリア」
今回の宴は、てっきりアンタの為に催されたと思ってたんだが…
(そうして、この際だからと、宴の途中から沸いていた疑念を
当人へと直接投げ掛けてみよう、か
少なくともこの宴の中、彼女の名が称えられた事は無い…聞き逃していなければ、だが
別に上流階級の連中のごたごたに口を出す心算は無いが
果たして、実際の所は何が在ったのか、と)
■テイア > 「なるほど、鍛冶屋か。その口ぶりだと、上の方にも商品を収めているんだな。
陰口、噂話は貴族たちの十八番だからな。変に目をつけられても面倒か。
美味しく酒を飲むなら、耳に蓋をしておくことを私は進めるがね。聞いていても不快になるだけだ。」
相手に悪意があれば、女も感じ取っただろうが彼に気まずそうな顔にはそういうものもなく、言い草にまた小さく笑い。
酒の肴にするには不快すぎると、言う傍から聴こえてくるのは人の陰口、貶める噂話の数々。
彼の装いに対しても、ヒソヒソと眉を潜めながら話す者もおり、そちらをちらりと鋭く見やれば、その者たちはそそくさと離れていく。
「『ヴァルキュリア』ね…。そのとおりに死者を導くことができればよかったんだがな。
私のための宴であれば、辞退もできるんだがな。」
いつの頃からか呼ばれる二つ名に視線を少し逸らして。
戦での死者の魂を選び、天井の館へと導く戦乙女。
けれど、自分は戦には駆り立てるが、その死者に何もすることは出来ないとつぶやき。
確かにシェンヤンから砦跡を奪還できたのは喜ばしいことではあるが、それよりも先に失われた命への追悼が必要だと。
「まあ、今回の戦は貴族の、パフォーマンスとともに、自分たちにとって都合の悪いものたちを排除しようといったものでね。」
この男に話しても、女が困ることはない。
グラスをくるくると回しながら今回の作戦のいきさつを説明する。
砦跡のシェンヤンの軍勢に対して、その半数で攻め込む作戦を今祝われている貴族が中心となって立てたこと。
それに対して、捕虜を囮として砦内部に兵力を転送する作戦を自らが立てたことなど。
そして、それにより多くの命が失われたことを。
■イーヴィア > 客は選ばないのが主義でね、お偉方相手でも、騎士相手でも、さ
別に俺個人は気にしやしないんだが、店の売り上げに影響が出ると
うちの従業員が食いっぱぐれちまうからなァ…其れは避けてやらないと、てトコさ。
ま、確かに耳の痛い話ばかりだが…偶には悪くないさ、上に居るのがどんな連中か判るからな。
(――とは言え、此処まででもう大方どんな連中が此処に集まっているのかは理解出来た。
女の忠告は在り難く受け取って置くと、素直に頷いてから再び酒を煽り
其れから、会場を練り歩いている召使の持つトレイから、洋酒の瓶を一本丸ごと拝借しては
己がグラスに自前で注ぎ)
――…俺は前線にゃ行かなかったが…成る程、そんな事に為ってた訳か。
要するに、アンタの部隊は貴族たちの吊るし上げに遭った、と。
……そう聞くと、やっぱり愉しい酒にゃあ程遠く為っちまうなァ…。
(暫し、耳を傾けて聞き入る、此度の事情と、顛末と。
どうにも違和感ばかりの催しだとは思ったが、成る程、漸く納得したと双眸細めては
視線の先に、女の示す、彼の貴族の姿を映して、じっと見据え――
ふっ、と、小さく口端を吊り上げては、最早宴の会場になぞ興味は失せたと言わんばかり
隣の女へと身体ごと向き直り)
―――……死者を導かなくても、少なくとも名誉は与えられた、だろう?
其の死に、意味を齎す事が出来たんなら…少なくとも、アンタが率いた意味は在ったさ
其れでも、悔やむって言うんなら…、……弔いの酒には、付き合ってやるぜ。
(――俺で良ければなァ、と、笑い掛けたなら。
酒を並々と注いだグラスを、女へと掲げて見せようか
鳴らしはしない、死者を、勇士を弔う為の献杯
もし女が同調しなくても、きっと、一人勝手に弔う事か
勇敢に散った戦士へと、己なりに、敬意を表する為に)
■テイア > 「では、今度私の短刀を頼もうか。愛用していたものが刃こぼれしてしまってね。
ああいう連中は、一度目をつけると他に暇を潰せるものが見つかるまではしつこいからな。懸命だ。」
しばらくは、貴族の捕縛などの関係で王都に滞在することになっている。
普段は森のドワーフに頼んでいるが、たまには違う鍛冶屋というのもいいだろう。
その出来と相性は、短刀を頼んでから見てみようと持ちかけて。
瓶をまるごと一本とるのをみては、可笑しそうに笑い。
「私が指揮官に選ばれたのは、偶然なのかそれとも意図されたものかは知らないがな。
部隊編成で入れられた者の多くは、腐敗した貴族にとっては目障りだったんだろう。」
先王に意見した時の自分ならまだしも、今は大人しくしていた女。
配属が辺境守護部隊であるから指揮官に選ばれたのか、それとも悪意のもとに選ばれたのかは分からないと肩を竦め。
「…そうだな、与えられた砦の奪還という任務はやりとげた。
その他にも、彼らの死のおかげで得られたものも多い。犬死ではなかった…。
…ありがとう。死者の魂に安らぎを。」
体ごとこちらに向き直った男が紡ぐ言葉に、一度瞳を閉じて。後悔はない。彼らも望んだことだから。
意味はあったと、その言葉を噛み締める。
グラスを掲げられるのに、微笑みを浮かべて己もグラスを掲げ、静かに言の葉を紡ぐ。
ただ愚かに、人の命を浪費する貴族達の宴の中で行われる追悼。
■イーヴィア > おっと、そいつは嬉しいね。剣の振り方も判らん様な連中の為よりか、よっぽど気分良く仕事が出来そうだ。
――俺は、ヴァルケス武具店の店主、イーヴィアだ。
(以後お見知り置きを、なんて、業とらしく堅苦しい物言いで名を告げては
くつくつと笑って、掲げた杯を一息に飲み乾してしまおうか
普段は口にしない上等な酒の味も、この場では少々褪せてしまうが
何処ぞの腹黒い貴族を祝う為に掲げるよりは、遥かに意味が在る
静かに――暫し、黙祷を捧げながら。 再び己が杯に酒を注げば。)
――…裏でどんな思惑が在ろうが、アンタと部下は、やり遂げた…其れは事実さ。
もし敗走して、其れこそ全滅、なんて事に為っちまってたら…仕返しも出来ない、だろ?
(ふと、最後に声を潜めては、女の耳元で戯言の様に問い掛けて見る
自分が罠に掛けられたと知り、その為に部下を失ったと知り
其の儘黙っている様な女ではないのだろう、と。
ちらり、横目に伺い見るのは、先刻の貴族の姿だ
この度の首謀者、と言う其の姿を今一度覚えて置いては)
……必要ないかも知れないが、な。
もし、何か仕掛けるんなら…一枚噛んでも良いぜ。
(これも何かの縁だろう、と。
何か必要の際には、或いは物入りの際には、協力すると申し出よう)
■テイア > 「では今度、店の方に寄らせてもらう。いい仕事を期待しているよ。
テイアだ、よろしくイーヴィア。」
『ヴァルキュリア』の二つ名を知っていたからおそらくは、女の名前も知っているだろうとは思ったが、名乗られたのに対して名乗り返して。
掲げたグラスから酒を飲み干して死者を想う。
「そうだな。彼らの意志は、生きているものが受け取り、引き継いでいく。」
作戦に参加した彼らも、思惑に気づいて覚悟して望んだ。
ならば、後始末をつけるのが自分の仕事だとおもう。
今は高笑いをして讃えられる悦に酔う貴族達。
正しきものたちを葬ろうとした代償は、高くつくことになるだろう。
「既に色々と仕掛け済みだ…。けれど、何かあったときは頼る事もあるかもしれない。その時はよろしく頼む。」
なにか仕掛けるなら、と言われる言葉にふっと笑みを浮かべる。
嬉しい申し出をしてくれる相手に向けるそれは、どこか悪戯っぽさの混じるものだったか。
十全に準備は進めているが、思い通りにいくとは限らない。
保険は多いほうがいいし、後始末もある。
だから、男の申し出は喜んで受け入れる。
■イーヴィア > 嗚呼、宜しく頼むぜ、テイア。 事前に連絡くれるんなら、俺が出迎えるよ。
任せときな、王都の鍛冶屋も中々やるんだぜ?
(相手程の名の知れた者なら、部下にお抱えの鍛冶師が居てもおかしくは無いだろうに
其れでも己に仕事を回してくれると言うのなら、其れは鍛冶師にとって光栄な事だ
期待を裏切らない様に、良い仕事をさせて貰うと約束しては
女が飲み乾したグラスへと、酒を注ぐかと瓶を掲げて伺い)
……こちとら、家柄も地位も縁のない、一介の鍛冶屋だからなァ
貴族の一人居なく為ろうが困りはしないさ、ましてや其れが悪徳に塗れた奴ならな。
何も無いのが一番っちゃ一番だが…其の時は、気軽に声掛けてくれりゃ良い
(別に正義感に溢れている訳じゃない、ただ、戦場で命を掛ける兵への敬意を忘れた輩が、気に入らないのだ。
加えて、この目の前の情に篤い部下思いの戦乙女が、単純に気に入ったと言うのも在る
別段保険扱いでも構わない、覚えて置いてくれれば良いと頷いて)
■テイア > 「ん、では連絡をさせてもらうことにする。普段は森のドワーフに頼んでいるので、目は肥えていると思うぞ?期待しているよ。」
彼が自ら出迎えてくれるというなら、連絡をいれると約束して。
普段会うドワーフのようにずんぐりむっくりな体型ではない彼。人間だと思って、評価は厳しいぞと笑いながら言う。
瓶を掲げられるのには、頷いてグラスを差し出していく。
注がれた酒を、口に運びまた飲み干す。
「確かにな。ああいう手合いは総じて義務も果たさないような者達だから尚更に。
ああ、ありがとう。けれど、自分と自分の周りの者の安全と生活だけは大事にしてくれ。」
何かあれば頼ることもあるだろう。けれど、それによって男に不都合が生じるようであれば断ってくれといいおいて。
気持ちのいい男の態度に、壁に無表情で凭れていた時よりも表情は柔らかく。
■イーヴィア > ――嗚呼、やっぱりか。 其れなら余計負けられないなァ、仲間に笑われちまう。
(矢張り鍛冶師は抱えていたかと納得するも、それが同族だと言うのは予想外
己の場合、正当なドワーフとは少々系統が違うけれど、同族には違いない
相手としては上等だと、若干の対抗心を見せながら、相手のグラスへと酒を注いでは
再び、女へと杯を掲げて見せようか。 ――今度は追悼の為じゃない
本来賞賛されるべき目の前の戦乙女に、敬意を表して)
判ってる、其の辺りは俺が何とかするさ。 ただ、うちの輩も其れなりに事情持ちが多いからナァ
アンタみたいなのが困ってりゃ、喜んで力を貸すだろうさ。
(美人だしなァ、と、付け足した戯言は、決してお世辞ではない本心
鍛冶屋と言う職業柄、当然男ばかりな従業員は、総じて美人に弱い…様な気がすると
小さく笑いながら軽い調子で伝えて)
■テイア > 「彼らは頑固だが、その分腕は確かだからな。…仲間、というと?」
男は見た限りでは、かなり鍛えられているが人間のように見える。仲間というのは職場の鍛冶仲間だろうかと少し首を傾げ。
再び掲げられるグラス。
少しだけ目を丸くしたが、紫の瞳からその意図を察して小さく笑みを浮かべ。
「ふふ、そう言ってもらえると心強い。」
軽い調子で言われるのに、頷いて。
きっと、その場の状況を読んで、払いきれないほどの火の粉が降りかかるようであれば女は男を巻き込もうとはしないだろう。
払いきれる火の粉であれば、素直に助けを乞うだろうが。
■イーヴィア > ……ん? 嗚呼、俺もドワーフの括りだって事さ…見えないかも知れないがなァ?
(――そう言えば、告げてなかったなと改めて。 体型こそ人間と変わらない
もっと言えば「ドワーフらしくない」見目では在るけれど
ちゃんと系統としては同じ種族なのだと説明しよう、だから、同族なのだと。
掲げたグラスの中身を、再び一気に飲み干しては、抱えていた酒瓶を、再び近くを通りかかった召使へと押し付けて。)
―――さて…思ったより実入りの在る祝賀会になったなァ?
っても、後どの位続くのか判らないんだがね。
アンタは…この後、終わったら職務にでも戻るのかい?
(恐ろしく居心地の悪い宴から、目の前の女のおかげで随分と有意義な時間に代わったと実感する
突然招かれた己は、この催しがどんなスケジュールで続くのか全く把握していないのだが
既に宴自体には完全に興味が失せている為、考えるはこの後の事
其の肩書きを考えれば、宴が終わったとて早々解放される事は無いのかも知れないが。)
もしこの後が空いてるなら…飲み直しに行くかい?
ま、戦乙女が酒場に降臨、なんて事になったら騒ぎに為るから
俺の店まで、案内も兼ねて連れてってやるとか、な。
■テイア > 「ほう?ドワーフなのか、人間かと思っていた。まらば余計に期待が高まるな。」
普段付き合っているような。ドワーフの代表的な体型をしていない相手が、その系統の種族であると告げられるとやや目を丸くして。
彼らの種族にも様々な種類の者がいるのは知っていたが、見るのは初めてだった。
もしかしたら、会った事のある者にいたかもしれないがドワーフだと名乗られた事はない。
ならば、腕の方も確かだろう、と依頼が楽しみになる。
「そうだな、いけ好かない貴族の相手よりもよほど楽しいものになった。礼を言う。
この様子だとまだまだ続きそうだな。
しかし、もう退席しても非礼には当たらないだろう。
職務がないわけでもないが、その申し出は魅力的だ。」
女としても、見たくもない顔を見て聞きたくもない話を聞くよりも随分と楽しい時間になった。
宴の内容が内容なだけに、長居をする気がなかった女も男に続いて退席すると告げる。
貴族の彼らにとっては、これが最後の宴になるかもしれない。せいぜい楽しめばいいと内心思いつつ。
「私とて、酒場にいくこともあるぞ?そなたの店でも構わんが。短刀の依頼に世話になることになるからな。」
飲み直しを、と誘われるのには快諾して男とともに、広間を去っていこうか。
■イーヴィア > 期待のハードルが上がったかい? なら、余計落胆させない様に頑張るとするか。
(ドワーフ、と言うだけで此れほどまでに期待される程、己が種族の鍛冶錬鉄における知名度は高い
逆に言えば、己が失敗一つでドワーフ全体の評判に関わる事も在るのだ
だから、例えどんな仕事と言えど気は抜けないし、抜く心算も無い
己が仕事を持って帰った暁には、相手の所の鍛冶師に思い切り仕事ぶりを見極められるだろうと推測しつつ
軽く己が腕を叩いて、改めて、任せてくれと笑い。)
ハハッ、正直過ぎて気持ちが良い位だなァ?
ま、元々何時までの予定なのかは知らんが、この調子だとずるずる延びてくだろうさ。
正直俺も礼儀は果たしたし、此れ以上は居ても窮屈なだけだからな
(互いに過剰な賞賛を繰り返し、愉悦に浸る貴族達の宴ほど、つまらない物は無い
正直な所、もう流石に飽きたぞと、こっそり女の耳元で告げては
器の酒を再度飲み干して、テーブルへと置こう。
女が共に退席すると言うのなら、連れ立って扉へと向かい)
――……マジか? 今度から良く見る事にするわ、見逃してたとしたら勿体無い。
ま、騒がしいのも良いが、静かに飲むのも悪くは無いだろうよ
其の辺りは、歩きながら決めても良いさ。
(出入り口にて、宴の退席を伝えてから、進む廊下
其の合間に、女へと声を掛けながら、ともあれ、王城からは去って行き――)。
■テイア > 「ドワーフの仕事ぶりはよく知っているからな。」
知名度もそうだが、普段から森のドワーフに鍛冶を任せている女は、噂以上にその種族の情熱と腕前を知っている。
だからこそ、同じ種族の男にも期待を寄せていく。
腕を叩く様に笑みを浮かべ、楽しみだと伝え。
「おっと、思わず本音が漏れていたか。
十中八九そうなるだろうな。では行こうか。」
ひと欠片もそうは思っていない様子で、いけないな、などと戯言をのたまいつつ、会場を後にする。
「普段はヤルダバオート周辺にいることが多いがな。
また見かけたら声でもかけてくれ。
そうだな、ゆっくり落ち着きたいという気持ちもある。」
驚くさまに、自分の配属部隊を教えて、王都で見かけることは少ないかも知れないと。
そんな軽口をかわしつつ、王城をあとにして。
ご案内:「王都マグメール 王城」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からテイアさんが去りました。