2015/12/03 のログ
■ヴァイル > 「これは……未だ存命中。違う。
これは……女か。違うな。
これは……歳が違いすぎる。
これは……」
――数十分後。
「……あった」
冊子の頁に、探し求めていたものが見つかる。
やはりカルネテル王家だった。
十四年前、詳細のぼやかされた故にて死亡したカルネテル王族の夫妻。
そして共々に死んだことになっている当時まだ産まれたばかりの男児。
「――間違いない」
我知らず口の端に笑みが浮かんだ。尖りすぎた犬歯が覗く。
ヴァイルという魔族が密かに抱いていた野望、
それを実現させるための取っ掛かりを見つけることができたのだ。
■ヴァイル > ……とはいえど、スタート地点のスタート地点に立ったにすぎない。
“彼”をその気にさせる必要がある。
力づくや脅しで言うことを聞かせることは可能かもしれないが、それでは意味が無い。
あくまで彼自身の意思で協力して貰う必要がある。
「希薄な不死者の生、ね。
冗談きついな」
ひとりごちて、苦笑を浮かべてみせる。
書類を元あったように戻す。
そうして《夜歩く者》は、痕跡を残さずその場を去るだろう。
ご案内:「王都マグメール 王城/史料室」からヴァイルさんが去りました。