2015/11/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」にオーギュストさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」にサロメさんが現れました。
オーギュスト > 最早定番となった連絡将校の慌しい動き。
オーギュストも急報を受け、急遽王城に参内した。
もちろん、貴族や大臣への挨拶などという面倒な手順をすっ飛ばし、軍議用にそこら中に地図を貼り付けた己の執務室へと入る。

「報告しろ、手短にだ!」

参謀の一人が震える声で報告する。
曰く、神竜と思わしき巨大な竜種がオアリーブ海に出現、王国軍・ティルヒア軍双方に甚大な被害を与えた。

「――よりにもよって神竜か」

真竜種をさらに超えると言われる神竜。
オーギュストですら、実物を見た事はほとんど無い。

サロメ > 「そうと決まったわけでもありませんよ将軍。
 伝説上の存在などそうそう現れるもののはずがありません」

慌ただしい中でよく通る冷静な声
現場を目撃したものとおもわれる手記に目を通している

「偶然そんなものがティルヒアの王位継承宣言に併せて現れるとは思えませんし。
 おそらくは連中の手によるものでしょう、本物の神竜であればそう簡単に御せるものでもないと思いますよ」

飛竜を手懐けるだけでも苦労するんですから、と肩を竦めて見せる

オーギュスト > 「――だろうな」

副官の言葉に頷く。
おそらくはティルヒアが戦況をひっくり返す為に召喚したものだろう。
だが、コントロールできずに自軍の一部も巻き込んだ、という所か。

「――ったく、出撃しなくて正解だったな」

状況が動くまで展開を見極めようと師団を温存したのが功を奏し、第七師団に被害は無い。
戦況が動いた今、すぐにでも戦線に投入したい所だ。
問題はどこに投入するかだが。

サロメ > 「召喚に成功して制御不可能、ということならば他で被害や目撃の報告が上がっていてもいいはずなのですが。
 現在報告はオリアーブのみに留まっています、ただそれだけだということではなさそうですね」

今後報告が上がらなければ推察はいくつか立てられるだろうが、今はまだ情報自体が不足している

「私も主戦場へ向かうところで蜻蛉帰りですよ。
 港で連絡を受けた時は正直耳を疑いましたね」

やれやれ、と小さく息をついて

「情報が錯綜しているうちは海路は避けねばならないでしょうけれど、
 陸路で戦場へ向かわせるとなると行軍に数日かかります。
 また近衛騎士団から拝借して騎馬を編成しますか?さすがに渋られると思いますけど」

きっとどこに部隊を差し向けるかで悩んでいるのだろうな、とその表情を伺って推察する

オーギュスト > 「さてな、流石に神竜の召喚なんていう大魔法は分からん。
王府の学者殿が何か適当な解釈をしてくれるだろうよ」

そしてやはり足りないのは情報だ。
ティルヒアの戦略目標は持久戦だったはず。なのに、この神竜の召喚。
ティルヒアの仕業ではない? いや、目撃情報では神竜を見た途端、ティルヒア艦隊が後退したと書いてある。
少なくともティルヒアの中には、あの竜に関する情報を持つ者が居る。

が、今は考えてしょうがないだろう。
オーギュストは思考を戦場の選定に集中させる。

報告では、神竜の出現で敵艦隊にも損害が出たという。
ここが勝負所か。

「――修理の終わったダイラス艦隊を出す。
竜騎士団の準備をさせろ」

サロメ > 「……正気ですか?
 海路でその神竜とやらに遭遇したら海の藻屑ですよ?
 ワイバーンを慣らした竜騎士程度ではいくらなんでも荷が勝ちすぎるというものです」

さすがに即肯定の返事、というわけにはいかない
今しがた多くの艦隊が犠牲になったばかりだというのに

オーギュスト > 「んなにポンポン使えるならナール大橋の時に使ってるに決まってるだろ。
あれが大橋を焼き払ったらそれで俺らは詰みだ」

少なくともあの神竜を呼び出すのには何か条件がある。
オーギュストはそうあたりをつけた。
大体、神竜クラスの魔物を手懐け軍事行動に利用した例など聞いた事が無い。
ティルヒアがそれを可能にしたとしても、あんな場所で使うなど無駄遣いも良い所だ。

「他の部隊じゃお前と同じように考える、もしくはビビって出ない。
だが、もし神竜が出ないんなら、今こそ好機だ。この機会を逃したら、早期終結なんざできねぇよ」

サロメ > 「……第七師団らしいといえばそれまでですか。
 命を惜しんで勝利を逃すなどは将軍の名に泥を塗る考えでしたね」

諦めたように視線を外してやれやれと首を左右に振る

「艦に乗れれば乗れるだけ、竜騎士達に通達を出しておきます。
 あの規模の艦隊ならば多少乗せすぎても問題はないでしょう」

なんとも大雑把な返答である
周りで聞いていた師団の団員達は内心伝染ってきたな、などと思ったとか思わなかったとか

オーギュスト > 「命は惜しめ、勝利は逃すな。
――海戦は無理にしなくてもいい、目標はオアリーブ島側に橋頭堡を築き、敵の制海権を遮断する事だ」

オアリーブ島側と大陸側の連絡が取れ、輸送船が無事に通行できるようになれば、この動乱の終結が見えてくる。

オーギュストはダイラス艦隊借用の書類を書く。
海軍側や交易に権益を持つ貴族にまた恨まれるだろうが、知った事か。

「敵の補給を一時的に遮断したら、アフリークの主要拠点を制圧するように各師団に伝えろ。
俺らが神竜は簡単に出てこないと証明すりゃ、味方も動くだろうよ」

サロメ > 「神竜はまず出てこない、と践んでいるのですね?」

命は惜しめ、というならばそう考えているのだろう
ここは、オーギュストの戦場勘を信用するのも良いだろう
でなければ身動きがとれなくなる可能性もありそうだ

「了解いたしました。
 万が一遭遇した場合には…当然逃げますよね、将軍?」

オーギュスト > 「あたりめぇだ、んなもん相手にしてられるか」

逃げる、という反応が出てくるあたり、サロメもこの師団に感化されてきたのだろう。
来たばかりの頃は『騎士たる者が安易に逃げるなどと口にしないで下さい、士気に関わります』などと言ったものだ。

そしてオーギュストは神竜は出ない、と踏んでいる。
正直、出ても出なくてもおかしくはない。理由などいくらでも説明できる。
だが、オーギュストは神竜が制御できていない可能性を高く見ていた。
制御できるなら、まず王都を直接襲う方が手っ取り早い。
神竜の動きに、戦略的合理性が無いのだ。

「準備を整えろ。兵の装備は軽装にして、泳ぎの上手い奴を選べよ」

サロメ > 「艦隊で向かうとなると大人数になりますので、そうですね…。
 半日いただければなんとかなるかと。
 将軍はそれまで体のほうを休めておいてください」

手元の手記をトントン、とまとめて、部下に手渡す
半日後には報告書がもっと増えているのだろうが…

「どのみち艦隊を出すのであれば、アフリークには予定通り私も向かいます」

将軍とその副官であるサロメは役割を分担しているため、最近ではあまり同時に動くということがない
周囲の兵士達がオオッという声をあげる

オーギュスト > 「頼んだぞ」

これでもこの男なりの、最大限の褒め言葉である。

戦況は動いた。あとは、どこまで戦果を拡大できるか、だ。
もしあの竜が市街や王都に来れば、尋常ではない被害が出る。
そうなれば、隣国や魔族の国に対し、計り知れない影響を齎すだろう。
事は急がなければならない。

「艦隊へ乗り込む者は竜騎士団とともに港湾へ、それ以外はサロメの指示に従え!」

簡潔に号令すると、出撃の準備を整えにオーギュストは師団兵舎へ向かった。

サロメ > 「王都守衛の再確認と、神竜の話を王城内で悪戯に広げないように。
 遅かれ早かれではありますが、上役の不安を煽っても良いことはありません」

とりあえずこの場にいる者達に最低限の指示を飛ばし、
あとは信頼の置ける部下に任せて、竜騎士達の編成通達に向かう

数はそう多くはない
件の理由で予算を潰されたのもあるし、何より飛竜が足りず訓練が満足にできていないのも現状だ

どんなにかき集めても艦隊から溢れるほどはいないだろう

「さて…引き締めなければ」

目を瞑り、自分のやることを高速で整理・最適化を一瞬で終わらせる

再びその眼を開くと、早足で執務室を後にした

ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」からオーギュストさんが去りました。