2015/11/02 のログ
■『触手ちゃん』 > 「ふぅん…そう。知ってる事には知ってるんだ。…うん、ありがと。」
(流石に調べておいて、なんて言えないだろうしなぁ。手練れなのはボクも知ってる。)
これ以上深追いすることも出来なさそうだ。また気の良い人間を捕まえて情報を聞くくらいしかあるまい。
「悪魔の生き物、だとかなんだとか。ボクは好きだけどね…あんまり可愛くはないよね。」
(ボクだもん。)
「…ご、ごちそうさまー!」
誤魔化すように、照れくさそうに頬を膨らませて言った。尚ハリボテ以下略
「…じゃあ、持ってくるね。ちょっと待ってて。」
すたすたと人間らしく窓際から走って去って行く。人間のスピードを真似して、人間の走り方を真似して。
魔物である要素など全くない。『触手ちゃん』の中で幾多の異形が原動力となってその身を動かしているのに。
軈てグラスが二つ乗った御盆を持って窓際に立つ。
彼女が注文したオレンジジュースと、もう一つは所謂サイダーなる炭酸飲料。
こちらオレンジジュースには、触手ちゃんエキスなるふんだんに栄養と媚薬成分を含んだ液体が入っている。
本来は精子のような味わいと粘度だが、本日はオレンジジュースの様にサラサラで甘酸っぱい味わいだ。
それでもちゃんと、その辺のお薬以上に効能は期待できよう。
「どうぞ、ボクはこっちのむから…ふふ。」
一切の悪意なく無邪気に笑う。自然な子供の笑顔。ハリボテだから。どんな風にだって繕えるから。
「危なっかしい?…そう、かな。カレンは良い人だね。」
ついに口に出した。
ご案内:「王都マグメール 王城 裏門」からカレンさんが去りました。
■『触手ちゃん』 > (続く?)
ご案内:「王都マグメール 王城 裏門」から『触手ちゃん』さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/牢屋」にエーヴさんが現れました。
■エーヴ > 「……でこの様か。悲しいねぇ」
(牢屋の中に転がされた人物は一人呟くと天井を仰いだ。
王城の宝物がしまいこんであると思しき建屋に侵入しようとしたところあえなく御用になってしまったのだ。
誰にも気がつかれることもなく侵入し、
華麗に奪い取るという最高の盗みとは相反することである。
手足には紐が巻かれていて、首輪まで嵌められている。
身動き一つ取れない状態であった。
おまけに妙な薬を飲まされたせいか酔っ払ったような状態にあり、十二分な能力を発揮できそうに無い。)
「助けはこないだろうねぇ。
あーもうフード無いと落ち着かないよ」
(素顔はそばかすだらけの若き少女であり。
飄々とした男口調の盗賊の影は微塵も無い。
体に巻きつけていた布も没収されてしまっていて襤褸布の服一枚のみを纏っていた。ズボンさえなく裸足である。
体を丸めた姿勢で芋虫のように蠢いて)
■エーヴ > 「よいしょ! よぅし……」
(足を動かして立ち上がる。足首がくくられているので両足でジャンプして鉄格子のすぐ前まで来て寄りかかる。
看守がじろりと見てきたので、あごでしゃくって呼び寄せてみようとする)
「逃がしてくれない? 僕を逃がせば後でいい思いできるからさ」
(看守は首を振るととすんと肩を押して中に追いやってしまった。
バランスを崩し見事にすっ転ぶ。
ごろんごろんと転がっていくと壁際で止まり、)
「えへへ」
(いつの間にかスリとっていた鍵の束を服の胸元にねじ込んで浅く笑った。
正座する。ゴキリ。手首の関節を緩めると、ねじるようにして拘束を緩め始める。
外から見えないように背中を向けたままで)
■エーヴ > 「……? チッ」
(飲まされた薬品に思い当たる節があった。
舌打ちをすると、作業は続行する。解毒剤の類どころか装備一式を没収されているのだ。
薬の効力が完全になってしまう前に離脱しなくてはならない。
手の関節を緩め、拘束を掻い潜る。腹の中に抱え込むようにして関節を嵌めなおすと、歯にロープを銜えた。
軽く引くとロープがするりと抜ける。
次に足を緩め始める。ゴキリ。足首を曲げる。腱を強引に捻り、地面の上で転がった。
程なくして拘束を解除。健康そうな白い歯を見せて声も無く笑った。)
■エーヴ > (鉄格子の錠前へと近づいていく。
格子の反対側に手を出し、胸元から取り出した鍵を差し込んで回す。
カチリ。音が鳴るや否や看守に気づかれた。
ばっと顔を向けるや、手に持った棍棒を振り回してくる。)
「っとと」
(慌てて後退すると格子にぶつかって弾き返される。
看守が牢屋の中に入ってきた。かなりの大柄であり、体の面積だけで少女の数倍はあろうかというもの。棍棒はあちこちささくれていた。)
「僕みたいな子に乱暴しちゃダメだよ?
乱暴なのが好きなのなら別に―――」
(振るわれる棍棒を掻い潜る。炸裂する蹴りをバックステップでかわすと、
一気に飛びかかる――相手の頭に跨るようにして。)
「サービスってやつだよ」
(股の間に顔を挟み込むというある意味とんでもない姿勢はしかし、
大柄な看守を後ろに倒すには十分な重量があった。
転倒。目を回している看守の頭部に拳がたたきつけられた。
するりと足を抜くと、格子を出て後ろ手で閉める。)
■エーヴ > 「これで装備がどこにあるかが一番の問題」
(うーんと唸る。装備一式どころかまともな服さえ脱がされてしまっていて、
シャツ一枚に等しい状況である。
外に逃げ出そうにも厳しい格好となれば装備を取り戻すか、
調達するかの二択しかない。
ちらりとつい今しがた倒した男の格好を検分する。どうあがいても丈が長すぎて引き摺るだろう。
足元がふらついた。眉間を押さえて壁に寄りかかった。)
「まったく妙なもん飲ませてくれちゃって……
解毒剤、ないもんなぁ」
(胸元を押さえ目元を擦る。
酒によったような体調。体中が熱く燃えるように敏感になっていく。
大まか媚薬の類だろうと結論付けて。
そばかすだらけの頬を叩いて気合を入れると、格子外に備え付けられている木箱の中身を探らんと中を覗き込む。)
■エーヴ > 「最高。これで帰れる」
(装備があった。てきぱきと装着していく。
最後にフードを下ろそうとしたところで看守の男が目を覚ました。
にやりと笑いつつフードを下ろし手を振った)
「じゃあね」
(追いかけようと立ち上がった時には既に少女の姿は無く)
ご案内:「王都マグメール 王城/牢屋」からエーヴさんが去りました。