2015/10/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にエーヴさんが現れました。
エーヴ > (曰く 王城の地下には隠された財産があるとか)
エーヴ > (守衛の男に背後から覆いかぶさるや、口元に布を宛がい動きを制する。
 男の瞳がとろんと閉ざされる。どさりと倒れこむ体躯を抱きしめると、ウィンクを飛ばして見せた。)

「ごめんね。僕だってこんなことしたくなかった……
 なーんて。起きる頃には済ますよ兄弟」

(か弱きものに祝福あれと頬をなでてやる。
 懐を探ると鍵を取り出して、ずるずると体を引き摺っていく。向かう先は木箱だった。中にぎゅっぎゅと押し込んでおく。ひとまずは安心だろう。
 人物は錠前を鍵で突破すると内部へと滑り込んだ。
 湿った空気が滞留することさえなくひたすらたまり続けているようであった。
 王城の地下への入り口の一つである。
 目深に被ったフードの奥でにやりと笑う。)

「どきどきするね。拷問部屋でもあるのかな」

(くつくつと喉を鳴らす。
 財宝があればよし。無くても妙なものが見れたらそれでよし。
 適当に盗んで適当にふける。単純明快。
 華麗な盗みではないかもしれないが、まずは足がかりとしてである。)

エーヴ > (地下回廊を進む。
 等間隔に設置された松明を尻目に、足音を一切立てずに歩いていく。)

「……!」

(咄嗟に柱の陰に滑り込んで身を隠す。すぐ前を守衛の男が鼻歌を紡ぎつつ歩いていく。
 人間に限らず動物というものは見ているようで見ていない。
 そこに居るはずの無い人間を視界に見出すことはできないようになっているのだ。
 故にフードを被った赤毛が柱の陰に身を潜めているなど想像することさえしない。
 兵士が振り返る前に身を低くして進んでいく。
 開きっ放しになっていた扉を潜る。壁には磔にする為の器具があった。床には革張りのマット。やれ鞭やらやれノコギリやらも転がっている。いずれも血液が付着しており、哀れな犠牲者の悲鳴さえ聞こえてきそうだった。
 小さく音の出ない口笛を鳴らすと、部屋中を歩き回る)

「貴族の紳士淑女の皆様方も随分と高等な趣味をお持ちで? ははん?」

(誰に言うでもなく呟く。盗むべきものはない。
 部屋の入り口で通路の様子を伺うべく壁に張り付き屈む)

エーヴ > (守衛の男がやってきた方角とは別の方角からやってくる。
 何を考えているのか、部屋の前で鼻歌を歌いつつ壁に寄りかかってくつろぎ始めたではないか。
 これでは出ることが出来ない。
 苛立ちを隠せずに人物は壁一枚挟んだ向こう側で深く目を閉じた。)

「………」

(打って出るか。待つか。人物は待つことに決めたらしい。
 仮に相手がこちらに気がついたとしてもその時既にこちらの射程距離に入っている。
 昏睡させることはできるだろうと踏んでいた。
 仮に失敗すると武装した守衛と戦うハメになる。勝率は五割を切るだろう。)

エーヴ > (守衛が背中を向けて歩き始めた。
 人物はするりと音も無く背後に忍び寄ると、手を素早く動かした。
 鍵を掠め取る。まったく男は気がつかない間に失態を犯していた。
 盗んだ鍵を片手にフードの奥で微笑んでみせる)

「失敬。後で返すよ」

(そんなつもりはまるでないが。
 盗んだ鍵を指の隙間に挟んで弄びつつ歩いていく。
 拷問部屋。その他、恐ろしい部屋が無数にあるであろう回廊の奥へ。)

ご案内:「王都マグメール 王城」からエーヴさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 厩舎前」にナルラさんが現れました。
ナルラ > 王城には厩舎がある、各騎士団のや王家の者達の愛馬を預かる大切な施設だ。
今日は騎士や王族の面々が何人か厩舎前に集まっている、
『狂王子』や『うつけ』と名高いナルラ王子に呼び出されたためだ。

~是非お目にかけたい名馬がある~

だが問題の王子はまだ一向に姿を表さない、厩舎前にいるというのに外からその名馬とやらの蹄の音も聞こえてこない。

あのうつけに担がれたかという声も上がった頃、蹄の音ではなく大きな羽音が聞こえてきた。

ナルラ > 誰かが気づき空を見上げた、そこには30ばかりの影が見えた。

『ペガサスよ!』

誰かが、女性らしき声が聞こえた。
その次の瞬間、影はゆっくりと地上に降りてきた。

黒いペガサスが3頭、白いペガサスが30頭ほど、神話や伝承に聞くような姿のソレが姿を表したのだ、
ただ伝承と違うのは、それらのペガサスに全てに鞍とランスホルダー、そして馬用の鎧が装備されていた。

「おまたせしました皆さん」

そのペガサスの一番先頭の黒馬に跨る男が兜を脱いだ、
王家の面々を呼び出した張本人だ。

「カルネテル王家ナルラ、皆様の新たなる足として天馬を持参いたしました、どうぞお使いください」

その姿に歓声があがり、何人か実際に天馬に近づこうとするものもいる

「ご注意ください、彼らは美しい天馬ですが、軍馬として調教されております、気性は荒いのでご注意を」

そして、残る2頭の黒馬から『カオナシ』が馬を降りる。

「黒馬は残念ですが、我等顔のない騎士団のものです、ですが白馬はご自由にお使いください、乗りたい方がいらっしゃいましたら『カオナシ』がレクチャーいたします、ただし乗馬経験のある方に限ります、落馬のリスクは通常の馬の比ではありません」

ナルラ > 「ただ伝承に出てくるような希少なものです、高い精神を持ち、背を預けるものを選びます。 そうですね、可憐な乙女の方はどうでしょうか?」

何分そのように調整してある合成獣だ、粗暴な男連中にのせるつもりはない。

しばらくすれば、一人の王家の姫が、目を輝かせながら手を挙げる。

『ぜひ、のせてくださいまし』

その声色から先ほどの声の女性だろう。

ナルラはカオナシに命じ、姫君を白馬に乗せ、乗り方、飛ばせ方をレクチャーし、またそのカオナシも黒馬に跨がり、共に空をかけあがった

『すごい、空を、空をかけているわ』

姫は目を輝かせ興奮した口調で空の上から大きな声ではしゃいでいる。

3分ほど空の体験を終えれば、地上に降り、興奮気味に他の見物客に空の体験を語っている。

「では、ご興味のある方はカオナシへ、白馬をどのように運用されるかはまたご相談ください」

ナルラ > 「では、私はコレにて、所要の為失礼致します」

そう言ってナルラはまたがった黒馬の腹を少し蹴れば、それに応じて翼を羽ばたかせ、空へと翔け上がる。

ナルラの去った後は、王族や騎士団の面々が乗馬体験を行っていく。

だがまともに乗りこなせたのは王女や姫騎士等、見目麗しき乙女ばかりであった。

落馬の事故はカオナシが未然に防ぎ、天馬のお披露目はとりあえずの成功を収めただろうか。

ご案内:「王都マグメール 王城 厩舎前」からナルラさんが去りました。