2023/03/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 桜花通り」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >
 昼間ではなく夜
 タナールやアスピダから戻ってきていた体は未だ血の香がしてきそう
 躰の中に満ちている力は、ミシリと両腕や腹筋を無意識に硬くしている。
 横合いから飛び込んでくる、寝起きの獣の空腹を知らせる唾液塗れの口元が
 今からでもそこから飛び出てきそう と、獣と盗賊に塗れた山間を感じさせる。

 きっと今夜は、そんな余り眠れない夜なのだ。
 女を抱くのも、酒を飲むのも、寝床で微睡にするのもよかった
 けれど体は、珍しく街中では身に着けることが少ないものを携えている。
 真夜中の桜花通りを歩きながら、周囲はきれいな物
 ゴミも無ければ酔っ払いの平民が寝転がっているわけでもない。
 見回る兵も、念のために時折ここの通りを歩いていそうなほど。


        「去年見て以来、ですわね。」


 桃色の花が左右に満ちた通りを歩きながら、鼻腔に優しい花の香
 革ブーツの踵の音 シャンシャンと小さく擦れる剣やブーツに纏うスケイルメイル
 両腕は腕を組みながら赤い瞳は、夜色が解けた桃色花を見ては満足げ
 暗い中でもくっきり見えるそれは月明り交じりのこの空間、充分見える視界。
 一人真夜中に出歩く花見は、思いのほか楽しめる。