2023/03/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/墓地」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 富裕地区のはずれにある広大な霊園。
貴族や王族が眠っている土地。夕方、といって差し支えない頃合い。

銀髪をオールバックにし、スーツを着込んだ男は花束を手に霊園の一角にいた。
目の前には高価そうな墓石が5つ並んでいる。花束から一本づつ花を抜くと、それぞれに供えた。

「……昔のことを思い出してしまったな」

苦虫を嚙み潰したような顔。目の下には隈が浮かんでいる。相変わらず調子はよろしくないようだ。
隣には、平民用かと疑いそうな墓石が2つ。
花束から一本抜いて片方に供えた後、花束そのものをもう片方に供えた。
泣きそうな、笑いそうな、形容しがたい表情。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/墓地」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 男は右膝をついて、墓石へと語りかける。

「長かったが……そろそろ終わる。あと5人だ。
……終わったら、すぐにでもそっちに行こうと思っていたが。色々としがらみができた。もう少し待ってくれ」

ふ、と淡く笑う。しばらく目を閉じて、ゆっくりと開ける。
故人との出来事を思い出していたのか――穏やかだが、寂しげな顔。
ゆるく頭を振ると、霊園の入口へと視線をやった。

「確か、来園者用の休憩所があったな。そこで一休みしてから帰るか」

顔をあげ、空模様を確認する。陽が落ちきるまではまだ時間がある。
小休止してから家に戻ろうと、建物へと歩き出した。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/墓地」からヴァンさんが去りました。