2023/01/21 のログ
■シンディ・オーネ > 「――? 売る… んああくださるつもりで!? ああ、そういえばでないと身の潔白は… ですが、それは。」
売っても良いよと言われてきょとんとする。
何となく腕輪をそのまま頂けるとは思っていなくて、こんな高そうなモノはマズイでしょうとうろたえた。
「…そういう機能付きの道具に、こんな装飾性は持たせなくても…」
ぶつぶつ言ってしまうけど、世の後ろ暗いところが無い女性達にとっては、
これで着飾るとともに楽しい思い出と一緒にいられる一石二鳥のアイテムなのかとしみじみ思う。
ヴィルア様が相手の商人をある程度信頼していると言うなら、命令書までは求めまいと首を振った。
少なくともこの件で危険が無さそうなら十分。
一抹の不安はあるけれど、良くしてくれる雇い主の手前、面倒くさい被雇用者にはなりたくなくて。
「……。」
腕輪を嵌めようという姿勢で一度止まり、すぅ と意識を研ぎ澄ます。
一番の思い出何ですか?と聞かれて、良かれ悪しかれ即答するのは本当に難しい。
実際どれが採用されるのかは自覚できず、しかし不安は大いにあるので、一番想起したい事を今強く思い描いておく。
――色んな記念日や、季節の節目もあった。
あまり祭事には興味が無いけれど、それにかこつけて恋人とちょっとしたイベントをするには良い機会。
話題のお店でテイクアウトしたらイマイチだったけど、実は家での最終工程を間違えて食べていたとか―― これはパスだが。
少し背伸びした良いお店での食事やら、歌劇を見に行ったり景色が評判のデートスポットに出かけたりは人並みにしている。
書店に長居して二人で一冊ずつ買って帰るなんてのはそれこそ日常だけど、後で交換しようねみたいな空気は好きなものだ。
――どれにしようかなあと思い描いていると、頬が緩むし胸が暖かくなる。
ほら、イロイロあるけど私は大丈夫だと、ほっこりしながら腕輪をはめた。
≪――イグイグイグイグイグイグイグゥウウウウウウアアアアアアー―――≫
「―――ッッッ!?!?!?」
音声は再生されてしまうものだろうか。
宝石に映し出される、あるいはそこから投影されてしまうのは、
着衣でベッドの上、電気でも流されたように激しく全身を痙攣させて、もはや悲鳴を上げる女の姿。
そこだけ切り抜かれて再生されたのでは、それこそ絶頂の嬌声と言うより拷問でも受けたのかという叫びっぷりだけど、
経験豊富なヴィルアならば、微妙な声の甘さなどからキメセクとかそういうのでエライ事になっているのだと分かってしまうだろうか。
――いずれにせよ、そんな姿は即座に叩きつけられた掌に目隠しされる。しかし問題は隠し機能の方で――
「――ッぶぅ゛ッッぐッぃぎッっひぃい゛ッッッ―――!!!」
処女の初体験を楽にするという触れ込みの軟膏だった。
その検品として、穏やかな効果なのだろうと安易に考え全身に塗りたくってしまった。
万一を考え局部への塗布は最低限に留めたのだが、結果は全身性感帯。
――未知の、強大な感覚入力という意味ではここ最近で一番の思い出というか一番強烈な体験には違いない。
それが脈絡なくフィードバックされ、ガチチと歯を食いしばりソファーの背に倒れ込み、
ひいひい喘いで身悶えしながらズルりとお尻がソファーから滑り落ちた。
■ヴィルア > 「ん?頑張ってくれている君への正当な報酬だよ
ほら、君と同期の護衛。彼には別の褒美も与えたし、君もこれくらいは受け取ってくれ」
実際、彼女らが居るお陰で何度か襲われはしたが損失無く商談を終えられている部分はある
それによる損失の回避、得られた利益は腕輪を渡しても痛くはない
ちなみに同じ時期に雇われた男の護衛には、系列の娼館を一度無料で遊べる権利を与えておいた
というのは、おいておいて。
「まあ、何も機能が出なければそれはそれで構わない
からかわれただけだと忘れるが――――」
長年の付き合いの商売相手にお題を出され…やれるだけのことはやっておこう、という程度だから失敗しても構わない
言った通り目を軽く背けて腕輪の装着を待つ
思い出の音声はごく小さく再生されるが、その嬌声絶叫に流石の男でも視線を向け、一瞬呆気にとられた後に
崩れ落ちた相手を見て、珍しく慌てた声をあげる
「シンディ?、今のは…、ああ、全く…!
君、手伝ってくれ。これを外した後、暴れてもいいように運ぶ。
…後は水を用意して…人を近寄らせないように。特にこの家と直接関係のないものは近寄らせるな」
ただし、男も頭の回転は速い
嬌声と、その音声の後崩れ落ちた彼女
何かしらの激しい淫らな体験を直接想起させられた、と思い至る
しかも…後遺症は無いようだが、明らかに魔術か薬か、それらが使われた性交だ
自分は好まないが、昔の父がそういった調教をしていたことを覚えている
指示を受けたメイドはすぐに箝口令を敷き、男は腕輪を取り外しにかかる
宝石の近くにある留め具を外して適当に放り投げるが…その数秒、数十秒の間、思い出は想起されることだろう
「大丈夫かい、シンディ。シンディ」
味わうことなどないが、女性の快感というのは男性よりも全身に響くものであるという
そんな快感を唐突に…しかも尋常の性交ではないそれを味合わされた体はどうなっているか
とにもかくにも、暴れてガラスのテーブルを割ったりでもしたらケガは免れない
声をかけつつ、執務室に併設された彼の寝室
例の、手ほどきを行ったベッドにメイドと協力して彼女を寝かせていこう
ここならば腕輪が外れても、思い起こすかもしれない快感で体が暴れても貴族御用達の柔らかなベッドが受け止めてくれる
襲うことも可能ではあるだろうが、まずは下衣…パンツの留め具を外し、少しでも体を楽にする
もちろん、この前の手ほどきのように、ある種のお手付きを狙うことはあるが
あくまで彼女は護衛志願。奴隷志望ではない
今すぐ手を出しても、関係を更に悪化させるだろうと
「下がりなさい。私は彼女を見ておく」
できるだけ、正気に戻った時に気まずくならないようにとメイドを下がらせ
共にベッドに上がり…強制的に最大限の高ぶりを思い出させられた体を気遣う様子を見せる
■シンディ・オーネ > ――通常業務なんだけどな、という感覚で戸惑うが、お飾りと言うにはそこそこ出番のある感じ。
護衛のモチベーション維持しないと命に関わる、という判断なのかなと思うと、ヴィルア様の気苦労とはいかほどのものか。
そんな事に思いを馳せもしたが、それどころではなくなった。
気でも失えれば手間をかけなかったのかもしれないが、現場で意識を保てたのだからここでも保ってしまう。
何かの病気で発作でも起こしたかのような有様は、それと判断できる目が無ければガチイキ中とは知れないか。
しかし股間には失禁したかのようなシミを作って実際にしているかもしれない。
「――ざわ゛っ っふぃイッ っっさ、わらっァッ アッ イ゛ッッッ――」
触れられると痙攣が激しくなり、振り払うように動きかけるがそんな自分の動作にすら苛まれるようでビクンビクン。
積極的な危険こそ無いが取り押さえようとすると不随意に跳ね上がる手足がそこそこ危ない。
そんな数十秒の格闘を経て腕輪が毟り取られれば異常感覚は止まるが、アヘアヘと虫の息で足腰立たず。
深過ぎる連続絶頂の長い長い余韻に浸る忘我の表情で、
糸の切れた人形のように、時折ヒクンヒクンと痙攣しながら運ばれ、介抱されてしばし。
「――っあ… ベッド… ベッド、は…!」
汚れているのでベッドはマズイですと、我に返ってカクカク笑うカラダを起こそうとする。
ズボンを緩めてくれても気にしないが、ここってヴィルア様が普段使いのベッドなはずで。
「…すみっ―― すみません…! あんなっ… あれは、違います、検品で、ああいう軟膏の… 敏感に…
無様を、さらしました、けど… 別に、そういうコトは… 違うの… 凄く、ヘン… 異常な、感じだったので、記憶に…」
別に一番の記憶というわけではなくて、セックスもしていなくて、とそれは嘘なのだけど取り繕い。
「…例えば大怪我していたら、その記憶、だったのだと…
――隠し機能は、その時の感覚を… これ、隠しちゃ、ダメでしょう…」
■ヴィルア > 取り押さえようとする時には力の強い足側をヴィルアが担当する
そうなれば当然、何回かその足が顔や肩に当たるが、ひとまず無視して運び込もう
いくらか痕は残るが、それは仕方ない
「どちらにしても汚すならソファでもベッドでも変わらない。むしろ取り換えやすい分ベッドの方が幾分かマシだ」
反論にはそう答える。シーツ毎替えて洗えば、匂いが残ることも無いだろう
腕輪については…どうやら、積極的にではないが被害をもたらそうとした…いたずらの類だったらしい
自分が触れても何もなかったのは、護衛たちが優秀なおかげだと感謝はしつつ、相手の状態を確かめる
「なるほど、事故でそういったことがあったのか。…まだ感じるかい?
ああ…どうやら、質の悪い悪戯を仕込まれていたようだ。何かしら、相手にはお返しはしておこう」
と言いつつ、状態を確かめるために、という名目で腕を一撫で
部屋にはシェンヤンから仕入れた香が焚かれており、その効果は…甘い香りと共にわざと思考を緩めさせ眠りやすくするというもの
本来は激務である男の頭を休ませるものである
ただ、慣れていなければ思考力を奪いかねないそれを焚かせていたのを男は常用しているが故に忘れている
「大丈夫だ。落ち着きなさい。これは私の過失だ。
何か異常があれば遠慮なく言ってくれ…すまなかったね…」
拒否されれば、はっ、と気づき腕に触れる手は離すが
男にも香の効果は出ており、無意識にそのまま撫で続けてしまう程度には男の理性も少し緩み始めていて
■シンディ・オーネ > 「――ぁあ… はぁ… はは… 申し訳… ありません…」
ソファー、と言われるとなるほど確かに、あのソファー大丈夫だっただろうか。
お股に水気を感じているとマットレスも気掛かりなのだけど、漏らし続けているわけでもなし大丈夫か。
懸命に身を起こそうとしていた震える腕を緩めて、ドサッと改めてベッドに沈み。
笑い事では全く無いのだが、気も回らなくなっている自分をもう笑うしかない感じで、ずぅんと沈む。
「処女の、苦痛緩和という触れ込みで… いえ、そもそも、変な仕事を請けたわけでも、ありませんが…
物資輸送のお仕事で、検品が、必要だったので… 試しには必要と思って、香油みたいに、してしまったら…」
決していかがわしいお仕事だったり、故意にそんな事態を招いたわけではないんですよと念を押して。
「――っぅいッ! …ん、いえ、こっ怖いだけで… 平気なのだと、思います。」
腕を撫でられるとビクン!跳ねるが、実際の鋭敏化に悩まされているわけではなく、
先ほどの感覚を想起して恐れてしまうだけだと、首を振る。 撫で続けられても、落ち着かせようとしてくれるのだと受け止めておこう。
狂おしいほど焦らされている最中の記憶だったりしたら分からないが、何にせよ盛大に達した後ではひとまず深呼吸。
香りを気にかけるほどの余裕は無く、情交の後みたいになっているであろう顔は背けたまま。
「…こ、こんな、面倒事になる方が、稀だと思いますので―― 別に… お返し、までは?
ヴィルア様に、害意があったというような事は―― どうかな…」
商品とそれでクイズを出した商人に思うところが無いではないが。
自分の反応のためにひと悶着起きるかもしれないとなると、まさか話題にしたりはしないと思うが、つい穏便にと言ってしまう。
過失でもないでしょうと、気恥ずかしさに横向きで寝た顔を腕に埋めて。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からヴィルアさんが去りました。