2023/01/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にヴィルアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にシンディ・オーネさんが現れました。
ヴィルア > 本日も仕事の終わり際
大体の商談行脚も終わり、屋敷に帰ってきたところだ
護衛の依頼に当たらせている冒険者も大まかな仕事も終わりである

「さて…ああ、彼女を呼んできてくれるか。それと、寝室に香を焚いておいてくれ
そう。シェンヤンから買い付けたものだ」

メイドに指示をすれば、恭しく礼をした二人のメイドはそれぞれ仕事を始める
彼女らは忠実に仕事をして…終業まで好きなことをしているであろうシンディを探しに行くだろう

「…ふむ。やはり私が付けても特に何もない、か」

その間、2階にある執務室で男はとある腕輪を身に着けて唸る
以前にとあるパーティで手に入れた魔道具ではあるが…最近心揺り動かされた出来事を腕輪表面の宝石に映すもの、らしいのだが
朧げに頭に浮かぶのはパーティで出会った令嬢くらいのものだ

更には、商人が勿体付けて言っていた『特別な機能』というのも気にかかる
商人が言うには、様々なことを経験している冒険者や女性の方が現出しやすい機能らしい
となると、男としてもその機能が気になる

丁度、これは宝石に映像を映し出すため…今呼んでいるシンディにとっても良い話となるかもしれない
ベッドにお気に入りの香を焚いて出てきたメイドにお茶を用意させつつ、到着を待とう

シンディ・オーネ > 勤務中の自由時間、というのは難しい。
雇い主が良いと言っているのだから良いのだと思う反面、
お賃金を頂いている以上何かしら雇用主の足しになる事をしないといけないような義務感がある。

せめて他に誰の目も無ければ、これまた許可を頂いている本でも借りて過ごすのだけど。
忙しくしているかもしれない使用人達が行き交う傍らでとなると、堂々としていられる自覚やメンタルは育まれておらず。

帰って来たばかりの今は荷物の運搬などあれば手伝って、さてどうしようかと守衛のように外を眺めていたところ。
メイドに呼ばれると、すぐに執務室のドアを叩いた。

「失礼します。シンディです。」

仕事中のしゃちほこばった雰囲気は、ずいぶん馴染んだものに変わっただろう。
呼ばれたのが寝室でもなければ特に構える事も無い平常運転で「お呼びですか」と入り口に立つ。
仕事着のパンツスーツで、仕事中はいつものポニーテールで。

ヴィルア > 特に誰かが何かを言うこともない
馴染みの同僚が肩を竦めて同じく暇そうにするぐらいだ
メイドが執務室に通せば、ソファに座った男が気軽に挨拶を返す

「やあシンディ。今日もお疲れ様」

とりあえず座って、と促す男
部屋の内装は変わらず、対面になった柔らかなソファとそれに挟まれた低いテーブル
テーブルの上にはメイドが淹れたらしい紅茶が2つ
しばらくすれば終業だが、これもまた勤務の内だろう

「急に呼びつけてすまないね。その後、変わりは無いかい?」

ここの仕事の日程は、シンディ…彼女にある程度任せてある
もちろん最低限は出てもらう契約だが、あまり縛り付けないようにという配慮である
ただ、何かとトラブルに巻き込まれがちな彼女だから少し気遣いを見せつつ紅茶を薦め

「今日呼んだのは…残業ではないが、少し試してほしい道具があってね
爆発したりだとか危険なものではないんだが…受けてくれるかい?
もちろん追加で給金も出すよ」

男も紅茶を飲みつつ…にっこり笑いって対面に座ったであろう相手に仕事の提案をしてみる

シンディ・オーネ > あんな事があった当初は雇い主の前に立つのが非常に気まずく緊張するものになってしまったが、喉元過ぎれば熱さを忘れる。
その後特におかしな事が無ければ、次第に一夜の過ちとして無かった事にするみたいに構えられるようになった。
――今更手ほどきの続きもあるまいと、何のお話だろうと思っても挙動がぎこちなくなったりはせず。

「――いいえそんな。 …はい、ご心配を―― お気遣い、ありがとうございます。」

声の届くところに居てね、と要求されても護衛ならそんなものだろうと納得する。急なんて事はないですよと首を振り。
変わりないかと問われると、それが体調みたいな日常の挨拶でなく、
彼が家紋の指輪を預けてくれた理由になるようなトラブルを指すものと察して、それも大丈夫と礼をする。
…あまり、だいじょばないのだが。 少なくともリルアール家を巻き込むほどのものではないと、自分の中にも線引きが出来た。

紅茶をいただきますと口をつけ。
試して欲しい道具と聞くと、先日隊商護衛のお仕事で 色々と 試す事になったのを思い出し訝るような顔になってしまうが。
それとこれとは別。 ヴィルア様はそんな変なモノ持って来ないだろうと、引き受ける。

「ええ、私が出来る事であれば… どういった物ですか?」

護衛としての残業ではないけれど、特にアニーと約束があるわけでもなければ、お手当美味しいです。

ヴィルア > 男の側は、過ちとすら思っていない…というのは慣れの差か
裏では悪徳な貴族として奴隷を育てたりしている…となればあれくらいで男の側から気まずくなったりはしない
もちろん、彼女は気にするだろうからそういった話題はしばらく振らないようにしてはいた。

「それならよかった。ただ、前も言ったがいつでも助けになるよ
君は合間を縫ってよく働いてくれているし、内側を乱すようなこともしない。信用しているからこそ、心配なのはわかってほしいね」

何かの理由で関係を断ってしまうのは惜しい…というのは前々から伝えていたことだが、改めて伝えつつ
紅茶は甘さ控えめで、疲れた喉にもす、と通っていくことだろう
道具、と聞いていぶかしげな顔になっているのを見ればふむ、と腕組みして

「まあ、受けてくれるならありがたいが
何、給金以外にもシンディにとってはいい話になるだろう」

と言ってから、メイドに執務机の上の箱を持ってきてもらい
テーブルの上で開ければ、そこには金を基調として…付けると丁度手首側に白色の宝石がくるようになったブレスレットが入っている

「とあるパーティ…まあ商談のようなもので手に入れた品でね
なんでも、付けた人物の、最近で最も記憶に残った映像を宝石に映し出す品らしい
ああ、もちろん私は見ないから安心してくれ

で。…例えばこれだけでも…もし、『彼』に男性関係を疑われた時に潔癖の証明としてシンディの役立つんじゃないかと思っている

ただ、それ以外にも機能があるとのことで…その機能を当てられたら、販路を開いてやる、という話になった。
しかし直接危険は無いと言っていたんだが…私が付けてもよくわからなかったんだ」

何度か試したんだけどね、と合間を置いて

「その商人がヒントとして言うには…男性よりも女性、そして色々な経験をしている人物が良い…らしい。例えば冒険者とか。
だからかはわからないが…メイドたちでも試したもののあまり効果を得られなくてね。
もしよければ私の好奇心と利益のためにこれを付けてくれないかな。

ああ、もちろん、シンディがつけても何も変わらなくてもそれはあげるよ
彼と気まずくなったときに使うと良い」

ゆったりと話しながら箱を相手の方に寄せる
サイズは魔道具らしく付けようとした時点である程度調節される仕組みだ
引き受けてくれたのは嬉しいが、まだ質問は受け付けており、無理強いするつもりもない雰囲気

販路が開けばいくつも手にはいるもののため、特に腕輪を相手に贈ることにも損は感じていない
解明できなくてもどうせ試供品として貰ったものであるし惜しくは無い。

…ただし、腕輪の隠された効果は彼女が思考から外した…変なモノ、である
もし思い出した光景が強い刺激と共に与えられた記憶なら、その感覚もリフレインしてしまうという代物


本来なら、心から嬉しかった出来事…例えば恋人との初性交などをその時の感覚と共に思い出せたりするものなのだが
果たして彼女はどういった反応を見せるか

シンディ・オーネ > 「いえ、こちらこそ、何から何まで…」

合間を縫って、という言葉に小さくなってしまう。
こうして向けられる気遣いはもちろん、この護衛の仕事自体が破格の条件だ。
労働条件だけを見ればこの仕事一本に絞らないのがどうかしているというくらい、他の仕事とは時給も労力も違う。
しかし魔術師として経験を積むのだと、そしていつかは勇者を夢見る恋人とひとかどの冒険者になるのだと言って…
不安定なシフトで雇ってもらえている事を、感謝しなければならないのはこちらの方なのに。

「……。」

怪しげなモノでも出て来るのではないかと思ったが、見た目にはあらキレイと少し身を乗り出す宝飾品。
…よく見ると、せっかくの宝石が付いている向きが逆な気がしたが、見えにくいところのお洒落という事だろうか。

「――は? …え。 ……ええいえいえ、そんな、疑われるなんて…
 第一、一番記憶に残っているもの以外、では他の所で何してるか分かったものじゃないんだから…」

身の潔白と言われれば確かにその必要がある身の上ではあるが。
アニーは疑うなんて失礼な事なかろうし、一番の記憶があなたとのものだと強調できたとしても、意味が無いと私は知っている。
…それはどうですかね、と微妙な表情になってしまうけど―― 一番の問題は。
ちゃんとアニーとの思い出が出て来るだろうかと、危惧してしまった。

それに加えて、販路を開く条件という隠し機能。

「…その、この腕輪の商人は、信頼できる方ですか?
 例えばで冒険者が出て来る、一般の人との違いって、荒事に馴染みがあるかとかそういう話に思えてしまって…
 戦いの記憶とか、命の危機に瀕した時の思い出を映し出すついでに、フラッシュバックさせて目の前の人を襲うなんて事は…?」

…暗殺されそうになっていませんかって。
女性指定は男性より弱く危険な目に遭う率が高いからとか、テストを回避したい思い半分、不安半分。
着けても良いんですか? と確認しながら、魔術師一流の精神力で回想「したい」記憶を準備しておこう。

ヴィルア > 実際、それだけの価値があると踏んでいるからこその条件
そして、彼女が不安定ながらもシフトに入ってくれているのなら特に言うことは無い
しかもさぼっているなら別だが彼女は勤労であるからこれくらいは賞与として与えてもバチは当たらないだろう

「ああ、ただそれだけに使えというわけでもない。宝石自体にもそれなりに価値はある
使わないというなら売ってくれても構わないよ」

嵌っている宝石は…彼女と恋人の食事を一食二食豪華にする程度の金額で売れる宝石だ
逆に言えばその程度は痛手でもなんでもない

「そうだね。もう何年も商売をしている…まあ、敵でもあり味方でもある、といったところか
ただ、商売相手としては…完全に味方ですよ、なんていう顔をしている者よりは信用できる。このあたりは私の感覚だけれどね」

油断できない相手だからこそ、信用できる…と感覚を告げる
言ってしまえばカンなのだが…付き合いがあるからこその信用でもある

「はは、まあ万が一君が襲ってきたらその時はその時だ。それなりの報復を相手にするさ
もちろん、シンディに罪は無いとここに誓おう。何なら、血判付きで一筆書こう」

と、気楽な調子で腕輪を付けるのを見守っている
彼女が不安なら、それこそ本当に書類すら書いて…状況を見守っている