2022/10/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 会員制レストラン」にエファさんが現れました。
■エファ > 富裕地区の、繁華街からは少し離れた場所にあるレストラン。
入り口だけは通りに面しているが、店舗は背面の川側にひらけていて、客はいつも川を隔てて街の景色を楽しめるようになっている。
昼は陽光が差して明るい店内は、外から店内を伺えないよう、夜になっても照明を点けづ、客はテーブルに置かれたランプの明かりを頼りに食事をする。
手元が不自由だというものも勿論いるが、秘密めいた雰囲気を好む者たちも相当数いて、その客でこのレストランは成り立っていた。
そんなレストランの、川面に面した席から遠く、店の奥のほうのテーブルにぽつねんと女が一人。
灰色のローブという、このレストランの中ではと言わずどこへ行っても地味だと思える服装で、黙々と料理を食べている。
「―――…」
(たまに、ちゃんとした料理たべると
やっぱり美味しい…)
一口を飲み込んで、ふうーっと吐息を漏らしながらそんな感想を心の中でつぶやく。
いつも研究で食事は「腹がふさげばいい」程度にしか考えてない。
だものだから一度具合を悪くしたことがあって、それ以来、適当なタイミングでちゃんとしたレストランで食事をするようにしていた。
知り合いに会うことがなくて
身分をあまり詮索されることもなくて
声を発せない事が他の客に奇妙に思われない場所
それでもって、自分にも美味しいと思える
ここはそんな、女の要望をかなえる場所だ。
そしてひとり、皿の上の魚をまた一口分切り分けて、口元に運んで
含んではまた満足の吐息を漏らしている。
■エファ > 一口食べてはそんな感じなので、料理をすべて食べ終わるまでに時間がかかる。
目立ったり、店員に迷惑をかけたくもない。食べるのが遅いせいか一品でおなか一杯にもなる。
だものでコース料理など頼んだことがない。
いつも食べながら、次はどの料理にしよう、とメニューに目を走らせているうちに食事が終わる。
「―――…」
暗がりでも、手招きをすると誰か店員がちゃんと来てくれる。
『おいしかったです』
と石板を見せると店員と笑顔を交し合って
会計を済ませると、地味な女はそのまま夜に溶け込むように外へと出て行った。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 会員制レストラン」からエファさんが去りました。