2022/06/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にマレクさんが現れました。
マレク > 「……すると、貴方はこう仰るのですね」

 王都マグメールはうだるような暑さに苛まれているが、ここ富裕地区は例外だ。魔法の冷房を効かせた屋外のカフェでくつろぐ緑衣の青年が、グラスを片手に酔客へ笑いかける。

「我々は既に魔族の侵攻を受けている。この都にまで彼奴らの密偵が忍び込み、権力奪取の機会を抜け目なく窺っているのだ、と。恐ろしい話ですが、ここでは安全でしょうねえ?」

 笑みを保ったまま、青年はカフェの四隅に置かれた発光する柱を指さす。それは、囲まれた空間に入り込む魔族を看破する、という触れ込みで魔術師と魔工技師が大金をせしめて納品した、魔族よけの結界装置だった。改めてそれらを見やった後、笑みに皮肉を混ぜ、発泡するフルーツジュースの入ったグラスに口をつける。

マレク > 「しかし魔族の脅威も悪いことばかりではありませんよ。こんな噂をご存じですか?退魔を生業とする見目麗しき東洋人が、さる王族の方と懇意にしているとか……そう、女性の方なのですよ」

 ヘッドドレスとシースルーランジェリーを身につけたメイドの後ろ姿を一瞥した後、青年は言葉を続ける。

「しかも中々に身分重き方なのだとか。未亡人との話も聞きますね。いかがです。折を見て訪問し、退魔の技巧を披露して頂くというのは?……おや、それは残念」

 軽口をたたいたが、青年と相対する50越えの男は首を横に振った。20歳以上の女には性的魅力を感じない、というのが返事。

マレク >  その後、ささやかな夜会がメイド達も入り混じっての乱交会場と化す前に、緑衣の青年は手配した馬車へ乗り込んで帰路に着くのだった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からマレクさんが去りました。