2022/05/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 レストラン」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 外では雨の様子は気まぐれに続いている。
濃くもなれば薄くもなる。
そんな天候だと、客の出入りは激しくはない。
むしろ、足が鈍り其処で留まる者が増えるだろうか。

店内の一角では、既に腰を下ろしていたメイラが相も変わらずの黒い姿。
長いウルトラロングヘアはそのままに、白いネクタイだけが胸元で色違い。
手元では普段嵌め込まれている黒鉄のガントレットをグローブを外している。

これはこの場所では特に荒事を行うつもりはないという 店内のルールを信頼し 把握しているということ。



「(あぐっ)」

小さく切り分け、ルージュが汚れないようになどという食べ方はしない。
カチリと切り分けたナイフとフォーク。
皿の上には余計な添え物を一切省いた肉の塊に赤茶色のソースがかかったものがどっしりと鎮座しているだけ。

肉が冷めきって拙くなることもないように そのサイズは平凡。
楕円にトリミングされた肉の塊の内側は桃色 外側だけがカリッと焼けた茶褐色。
切り分けたそれを、メイクも施す必要もない 魔が混じった面貌では切り分けたそれを
ギザ歯を開けた赤い舌の向こう側へと運ぶことに躊躇なんてない。

戦場での勤めを終え、王都に戻ったメイラは自身の邸でも、店でも
こうして肉の塊ばかりを 食べれなかった分体に吸わせるように食していった。
傍の白桃ワインは、余計な脂身の無い 赤身肉の塊を食べる口の中を時折洗う為に呑むだけのように
そのグラスの中の減り具合は遅いほう。

しかし、カタリと 白く薄い皿が一枚 また一枚と重ねておかれていくメイラのテーブル。
消えるころを見計らって、焼き終えた楕円型のステーキ肉が運ばれていく形だった。

「(がもっ)……(ごくんっ) 雨は、相変わらずですわねぇ。」

外の雨音が時折強く成れば その降る音も聞こえるというもの。
メイラも せっかく肉を味わっているというのに この雨の中で帰る気分でもない。