2022/01/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 革線弾きの店」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 北や戦場に砦
自分を見た顔見知りは、何故ここにいる とよく言われがちだと メイラ自身思っている。
一区切りがついているのか はたまた任期を終えて戻ってきたのか
鎧姿ではなく黒基調の全身と、街中や狭い箇所で愛用している大小の刃が二つ
メイラはいつもと同じように変わらないままの、黒い姿で街中を出歩く。

歩くのを億劫にする者や箱入りなど、馬車で通り過ぎる乗り物ではなく外套を肩に羽織っただけの姿
刀の柄に左手首を置くように預けて、ブーツの踵の音色が外で鳴り続けるだろう
寒気が満ちている外で白い吐息ももう当たり前だというのに、肩一つ 歯一つ 震え鳴らすこともないまま
メイラは気まぐれか、はたまた何かの伝手か、その店にいた。

大きな肉の塊を焼いた料理や、薄切りを腹が満ちるまで焼き続けるなど
凡そ肉料理ばかり口にするメイラが、違った趣の店にいるのは愛用している腰の物と、何かしらの所縁があるからかもしれない
富裕地区に構えた、楽を奏でる者で招きをさせている店は 普段の旅団やジプシーとは違う音と身なり
着ている衣ですら東の国を取り入れているらしい。

適当な席で適当な甘い澄まし酒 質のいい 筋や脂身を徹底的に除いた肉の塊を外だけ炙ってから切り分けたもの

「あぐっ。」

がもっ と貴族マナーやルールなんて関係ないように
切り分けられた外側だけ炙っている肉の塊の一部 ホイップ状にする下ろされた清流根の緑色を乗せて
口の中でギザ歯が咀嚼しながら、割と肉に満足したように、辛さを酒で洗い流す。
グビリと傾けるのは、猪口でも平たい杯でもない

錦百合の紋が入っているぐい飲みと呼ばれる 酒を注ぐ茶碗か何かのような大きさのそれ。
量が多く、傾けると ぐいっ と呷るようなそれからだろうか。

いろいろと金をかけて趣味に走っている店のようだと、しかし中身が満足できているならどうでもいいように
メイラは穀物の澄まし酒と肉の味を見ながら、時折聞こえる革張の音弾きを聞き。