2021/09/12 のログ
■シンディ・オーネ > 「ああ、なるほど。」
なんとなく漠然と理解はしていた。
それは当然の事なのだが、改めて先輩の護衛達はプロなのだと聞くと、
私のように適当に雇われた傭兵崩れか何かなのかもしれないという認識を新たにする。
というか、傭兵崩れだって職業戦士なら私より上なのであって。
…恨まれる事はしている、とすんなり言うヴィルアは自然体に見え、
商売だって勝負の世界で、それで負かされて損した方がその性格によっては恨んだりもしてしまう、みたいな当たり前の話として受け止められる。
具体的な話など聞いても難しくて分からないかもしれないし、その内教えると言ってくれるならもう満足で追及もしなかった。
…その中年男が「よくも娘を」というトーンだったのがいつまでも気掛かりではあるのだが。
ヴィルアの評価が高い今、襲撃に踏み切ってしまった反社会的な男の言葉などただの妄言である。
「…でも貞操観念みたいなものは。私が言うのもなんですが…」
セックスの練習、ってやっぱりとんでもない気がするのだが。
首を傾げてみても、爛れた男女の生活を目の当たりにしていると、
自分のそういった感覚が子供じみているだけのような気がしてくる不思議。
何よりそういった見方は今の自分の救いになるもので、そんなものなのかなあと受け入れようとする姿勢でもじもじ。
「……。」
しかし浮気の話には、私はアニーが他の女にうつつをぬかしたりしたら許さないだろうと、眉根が寄った。
未婚で浮気も何も無いのかもしれないが、それならアニーはその女とよろしくやれば良いのであって、
私は誰かのついでで良いとは思えないし、そんな行動を起こされた時点でそもそも自分は不要になったのだろうという評価。
…自分の立場では救いとなるが、置き換えて考えてしまうと許せないのは私が狭量だからか。
「…わ、私はそもそも、浮気ではないので。
別に好き好んでそういう事をしてしまったわけではないから、帰るのが当たり前というか…」
酔った頭ではあるが、これはその場での判断力ではなく価値観の問題だ。
私はアニーが他の女とお勉強する事を歓迎しない。
自分のために、と感心する前にそんなものは方便だろうと思わずにはいられない。
「――そ、そう、アレはそう、その、子作りなので… 夫婦のものだから…!」
ダメでしょう、おかしいでしょうと首を振る。
セックスが必ずしもそれを目的としない事は嫌というほど分かってしまっているが。
だとしてももたらされる結果がそれであるのなら、それこそ間違えて孕んでしまったらどうすると。
――拭ってくれた手をヴィルアが口元に運ぶと、思わずどぎまぎしてしまう。
学んでみないかと触れて来る手を、咄嗟には避けられなくて軽く触れるのは許してしまった。
しかしそこまでで、すっと体が引く。
「――ご、ごめんなさい。お気持ちありがたいですが、私はアニーがこれをしていたらと思うと凄く嫌。
子供じみているのかもしれませんが… こういう事に練習は…」
――無い、と言うがそれは恋人との関係においての話。
しかし事はそう悠長ではなく、問題はそれが本当に自衛手段となりかねない状況がすぐそこに転がっている事。
…そこに経験が必要なのは納得できる話で、しかし恋人との立場交換を意識すると倫理観の上で無理な話で、
しかし自衛できなければもっとずっと無理な話になってしまうわけで、ぐぬぬと唸るがとにかく即答できるのはNOである。
ただ、拒否はしても嫌悪感は無い。
ヴィルアが経験あるオトナとして、親切で言ってくれるのだという認識もまた揺るがなかった。
■ヴィルア > 納得してくれたようだ、と思い
次なる誘いをかければ…
次には、男が首をかしげることになる
どうにも、何かが食い違っているように感じるのだ
大元は間違っていないはずなのだが…と思うと、ああ、と納得がいく答えが出た
「そうだね。例えが悪かった。確かに君たちは………。
……?、……ああ、なるほど。そうか。
これは私が悪い。君にとって、奉仕といえばセックスとなってしまうのか」
身体は離れ、またワインを一口
狼狽する様子も、残念な様子…言ってしまえば、『欲望』を満たそうとする表情ではなく
自分の立場と境遇のみで考えすぎたと、思案する表情だった
そして、落ち着いてから言葉を発する
「まず、引き留めるための言葉ではないことをわかってくれ。
その上で。私が言う奉仕、とは…セックスではなく。
例えば、手や胸を使ったもののことだ
娼婦ともなると、手で膣のように感じさせたり胸で搾り取る技術もあるのだよ
何度か体験したこともあるし、仲良くなった者に教えてもらったこともある
先程の話で言うなら…セックスをしていると思いこませ、躱すこともできるという話。
だが…これは、私がその方面に慣れすぎているから生まれた齟齬だね」
済まなかった、と軽く言って向き直る
彼にとって奉仕、とはそういった意味を持つことであり
決して、交わる事のみを目標としているのではないのだと
「君の気持ち、貞操に対する心情は理解しているつもりだ。
だからこそ、練習をするとしても、君が思うようなことはしない
犯されないように先に相手を搾り取ってしまう方法…そういう技のことさ
これが成功すれば、例え襲われたとしても…キミの、アーネストに対する負い目も少ないのでは、とね」
言葉足らずであった部分を補足し、伝えていこう
声音はやはり穏やかで、怒っている風にも見えず、事実怒ってはいない
「まあ、つまりはそういうことだ。
無理に考え直せ、とは言わないが…安全で、かつキミの力になることは保障しよう
私にも、君という護衛が危険に晒される確率を下げれるというメリットもあるからね」
そもそも手を出すつもりなら無理にでも、今までできたしね、などと付け加えてから
ナッツを一口、のんきに口にしよう
もちろん、メリットは他にもあるのだが、それは口にせず
■シンディ・オーネ > 「――?
…え? あ、いえこちらこそ… そのう、たぶん、私は今酔っているような気がしていて。
頭、あまり回っていないかもしれませんので、もしかしたらそれで…」
何か勘違いしてました?
また恥ずかしい早とちりだったりしませんよねと、まず共通認識から確認に入るような言葉には、頭をぶんぶん振って傾聴。
「い、いえいえ私も、何かヘンだなとは思いました、
ヴィルア様だってそこまでしたくないでしょうし、ええ。」
体よく迫られたみたいな自意識過剰は無いですよと言いたいが、本当に無いとも言い切れない。
が、ヴィルアが自分を求めるかと言うと、それこそ相応しい女性は他にいるのだろうし、
魅力的などと褒めてくれるとはいえ、そういった流れにはならないのだろうと思うのは難しくなかった。
気まずさに小さくなりつつ、そうです齟齬ですとコクコクコク。
「え―― ええと… そうすると、その…
…どんな事を、考えていましたか?」
…手で? 胸で? 聞くだけ聞いてみようかなと、お酒だけでなく赤くなりながらお伺いの姿勢でちょっと身を乗り出す。
■ヴィルア > 「いいや、酔ってもいいと私は思っていたから、そこは構わないさ
悪かったのは私だ。気にしないでくれ」
ひらひらと手を振る
主人として、更に思考を巡らせるべきだった、と。
ただ、また彼女が自虐をすればふ、と笑い
「まあ、したいかしたくないか、という二択しかないのなら、前者だがね
ただ、それにはリスクが大きいし、シンディの心情を踏みにじることになるだろう
それでは、件の凌辱者と同じだ。そんな相手を信用はできないだろう?」
ふふ、と笑い。
興味があるのか、あるいは罪悪感、居心地の悪さからか
先を促されれば教えよう
「そうだな。まずは手…指先だけでも、触って慣れるところから
そこから、大抵の男の弱いところ、言葉での煽り方…そして、手を膣に見立てる方法…となるか。
胸のほうは挟んだり、先端で刺激したり、だ。効果的に使えばシンディのサイズなら問題ないだろう」
練習にも段階があることを示しつつ
性交を迫られた際に、なんとか躱せる可能性のある方法を示していく
「先程も言ったが、慣れれば恋人以外の男の視線など、きっと気にならなくなるさ
『襲われてもなんとかなるかもしれない』手段が生まれるのだからね」
確実とは言わないが、0よりはマシだろうと考え、提案を続けていく
■シンディ・オーネ > そもそもセンシティブな話を平然としてくれる。
基本的に誰かに相談できるような性質のものではないから、居心地の悪さはさておきこの関係は救いになるものだった。
聞いてもらえて、オトナな見方を聞くと楽になる。
納得できる部分は多いし、いざとなるとブレーキがかかってしまうが、
本番でないとなれば、やはり技術として必要なのではと思えてきてしまう。
浮気の話をされると敏感に、頑なになってしまうが、
自衛手段としての話にはむしろ必要性に迫られ乗り気ですらある。
身を守るための努力だし、自分としては疑問符だが、男性のヴィルア曰く女性のスキル向上が喜ばしい事ならば――
「…き、聞いた事がありました。
男性を、女装で何十年も、肉体関係まで結んでなお気付かれずに騙し通した男性の話…」
まさか冗談だろうと思うのだが、騙されたらしい。
そんな事が本当にあるのなら、手を膣と錯覚させる事も… どうだろう。
かなり半信半疑ではあるが、ヴィルアが言うのだし、そんなおとぎ話も聞いていたし…
手淫なら問題無いよねみたいなハードルが下がるところもあって。
「…て、手で満足させられれば、それに越したことはないですね?」
教えてくださいとは言い難くて、それイイですねって言葉で、もじもじ。
■ヴィルア > 彼にとっては、幼少から携わってきた当然の事
流石に公共の場では大っぴらにはしないが、こうして二人きりなら隠すことでもなく
「ああ。有名な話だね
スカートは脱がず、その内に入っていると想像させて…というのが主な手段らしいが
そこまでできるかはともかくとして、覚えておくことは悪いことではないさ
彼には、一言『貴方のために覚えた』と言えば問題ないだろうしね」
嘘は言っていない
数が少ないとはいえ、そういった書籍も出回ってはいるし
下世話な冒険者から聞いてしまうこともあるだろう
「…そうだね。前も言ったが、シンディはどちらかと言えば気の強い方だ
そういった相手が甲斐甲斐しく、あるいは嘲るように奉仕するというのは需要があるものだよ」
と、また男視点からのアドバイスを言ってから
「気になるかな?…もし、君が頷くなら、私が体験した…熟練の娼婦の手管を全て教えよう
時間はかかるだろうが、恋人のためと思えば覚えるのは簡単さ」
最後に、聞いてみよう。
軽く小首を傾げ、どちらでもいい、といった余裕を見せ
頷いても、何ら馬鹿にしたり不利益になることはないと態度で示しつつ、答えを待つ
■シンディ・オーネ > 「あ――… ま、まあ、別に、彼に対して手で誤魔化す必要は無いので…」
貴方のために覚えたとか、そんな際どい言葉はなかなか言えたものじゃないと首を振ってしまう。
アニーがそう言って来たらどちらかと言うと喧嘩なので、ヴィルアがそう言ってくれても勇気は出ない。
ただそこで活用しなくても、これだけ受難に見舞われた後ではその有用性が魅力的に思え…
「あざける…? 奉仕、なのに…? ああ、でも…」
なぶられてゾクゾクしてしまうのは生憎と知っている話。
嘲るなんてナシでしょうとカマトトぶりたいが、思い当たる節があって視線は宙をさ迷った。
「…は、い。気には、なります… あの… なります、ので、教えてもらえれば何かの役に立ちますよね。
何かのというかいざという時の… ええと…」
教えてもらえれば、ではなく教えてくださいと言うべきところなのだが、内容が内容なためにごにょごにょ。
…そしてすっかり実演してしまうつもりでいるわけだが、もしかしてこれも早とちりかなとふと思う。
ヴィルアはもちろん口頭の説明のみで実際にしてしまうなんてとんでもないのに、
私が先走ってまたぞろ恥ずかしい勘違いをしているだけかなと。
何でもない様子のヴィルアに背中を押され、コクリと頷いてしまった。
■ヴィルア > 「ああ、まあそこは君に任せるよ
…思い当たる節があるのか…中々、妙な経験の仕方だね」
相手の反応からそれだけ言って
彼女が頷いたのを見れば、にこりと笑う
「わかった。
では…今日はもう酒が入って覚えられないだろうから
後日、私の寝室まで来るように」
優しく手を伸ばし
まるで兄か親のように、優しい手つきでその頭を撫でようとし
寝室まで、という言葉から誰が相手かは伝わるだろう
「…さて、深い話をしてしまった。後は適当に楽しもうか」
などと言って、他愛もない雑談を振り始める
仕事終わりの時間まで、それは続いたはずで――
■シンディ・オーネ > 「……。」
果たして酒の抜けた頭で改めて受け入れられるのか。
後日寝室と言われると固まってしまって、もはや拒否は無いのだが極度の緊張が葛藤を伝える。
頭を撫でられると、そう、これは授業でわいせつは一切ないはずだと、
自分とは済む世界の違い過ぎるオトナを見上げ、この人に他意はあるまいと頷いた。
これは親切心のお手伝い。
そう言い聞かせて、眠気は覚めたが続く雑談はぎこちなかったとか。
ご案内:「王都マグメール リルアール家邸宅」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール リルアール家邸宅」からヴィルアさんが去りました。