2021/09/11 のログ
ご案内:「王都マグメール リルアール家邸宅」にヴィルアさんが現れました。
■ヴィルア > お約束待ち
ご案内:「王都マグメール リルアール家邸宅」にシンディ・オーネさんが現れました。
■ヴィルア > 完全に酔い潰すのが目的ではない
ワインに含まれる酒精は強くはあるが、それはあくまで口を、心を軽くするためのもの
むしろ、酒に弱かったのなら押しとどめようとしているくらいだ
酔い潰れたとしても、記憶が残っていれば…もし無理矢理に迫ろうものなら彼女は仕事から離れていくだろう
その肉体も勿論惜しいが、男からしてみれば、惜しいのはその技能も含む
女が心配しているような、魔術に関する偏見など彼には無い
そもそも素養が無く、戦う気が無い彼としては…魔法、魔術は自分にとって役立てばいい、という程度の認識である
「はは、気にするな。
…自信が無いのは、その魔術も原因か。なるほど」
少し体を離し、瞑目する
彼女はよくやってくれている。
赤の他人である自分に対してさえ全力で仕事を全うしようとするのだ
言葉の端々から見えるその恋人に対しての想いは測ろうとするだけ無駄なほど大きいだろう
それでも、驕ることなどせず…まだ足りないと、更には今後ためになることは多分ない、と卑下するのは
その生い立ちや、この街であったことが原因なのだろうと察しは付く
「ああ。少しだけ聞いた覚えがある
…ふむ。女性関係の話の前に…、しっかりシンディの言葉を理解した上で言おう。
『それがどうした』、と。
まあそもそも、私には魔術の細やかな違いなど判らないが…
それでも、その魔術を忌避する機関とやらは愚昧だと言わざるを得ない」
強く断言してから、続けて口を開く
「…。一つの手段に固執すると必ず失敗するのは商売も同じだ
例えばだが…シンディの話を基にするなら、精霊やカミサマの力を遮断するような遺跡や魔法があったらどうする?
その機構を魔族にでも使われれば、奮戦している砦は崩壊し、この街は魔族のモノととなるだろうね。しかし、だ。
そこに、精霊やカミサマの力を借りない、君という存在が居ればどうなるか。
しかるべき時に君の魔術を広めれば、そういった状況にも対応できる。
そうなれば、愚昧な輩は君に平伏して教えを乞う事になる。
それもまた、恒常性を歪める、などという予測と同じく、あり得る未来だろう」
間髪入れずに、また話を続ける
ただ口調は穏やかで、子供に絵本を読み聞かせるようなゆっくりとした、優しい声で。
「…、更に言えばその時に君と私の仲が良ければ。
可能であるなら…君からその魔術の訓練法などを買い取り、求める者に法外な値段で売りつけ、護衛料以上の利益を得ながら君に還元することもできる
言うなれば、そういった…起こるかもしれない未来への投資だよ。気にすることはない
シンディの言葉を借りるなら、特殊な商品だからこそ私にとっては価値がある
まあ、平時でも、私はシンディの護衛の腕は信用しているからね。凡百の魔術師を雇うよりはメリットがあると私は考えているよ
それにしても、ふふ。私の事も心配してくれたようだね、ありがとう。
ああ、そうだね。……もしその魔術が何かの邪魔になりそうな時はこう言うと良い。
『リルアールの家でも、認められている魔術だ』とね」
顔色から察してだが、心配はいらないよ、と笑う
護衛の使う技術が多少怪しい程度の躓きでこの家が傾くなら、とうの昔に傾いている
むしろ、自分の珍しいもの好きは広まっているから
身を守る武器にもなりにくいが、品評も貶められにくいと考えている
ただ、貴族家というだけで怯えるような相手には、有効な手札として働くだろう
「さて、ぺらぺらと喋ってしまったが、どうかな。
魔術に対しての私の考えと…私が君をどれだけ貴重な存在だと考えているか、わかってもらえたかな?」
一先ず女性関係の話は横に置き、反応を伺ってみよう
■シンディ・オーネ > 「――いえ、魔術は私の自信でしょう、他に何も無いし。」
特技だ。特に学校教育や徒弟経験のようなものが無い自分にとって、これは唯一のアイデンティティだろうと首を振り。
…しかし社会的に認められにくい背景がある事を理解しての今の発言。
どこかに後ろめたさのようなものがあるのは、もしかしたら自身の無さと言えるのかもしれないと、ぼんやりしてしまう。
「……。」
それがどうした、と言ってもらえると、そう言って欲しくて愚痴ったのかなあとはにかんだ笑みが浮かんだ。
…忌避する人達が正解かもしれませんよ? 私は知りません。
そう口にしそうになるのを呑み込んで、擁護してくれる言葉に頷いた。
「…知ることが、把握することが、必要なのでしょうね。
今このように在る世界に、半ば勝手に手を加える事が何をもたらすのか。
改変の乱用が何かよからぬ事態を生むとしても、
差し迫った脅威に対抗するためなら承知の上で乱用するしかない事も、あるかもしれない。」
分からない、から揉めに揉めるだけで、分かってしまえばどのようなものであれ状況により議論の対象だろうと。
そうなれば確かに、売れる高い商品になるのだろうと、商人らしい見方に可笑しそうにして。
「――ありがとうございますズルい言い方をしましたごめんなさい。
…私の問題はもう一つ手前、モグリなんですよ、どこぞの養成機関を卒業した免状付きの魔術師ではないから、
私の技能は保証されない。そもそも諸手を挙げて歓迎される系統ではない上に、
自信の無さがあるとしたら、こっちかもしれません。
…ああ、先生のペンダントをくすねて来れば良かった。」
ヴィルアが商品化するには、胡散臭いやつですよと釘を刺すが。
そもそもそんな風に商品化されるという話が現実的でないので、一つの考え方として聞いているから深刻さは無い。
少し軽くなった口で、どこかぽやぽやと話し、
他人の免状をくすねて身分詐称するなんてモグリ以上の大問題なのでもちろん冗談だ。
「…ありがとうございます。
こういうのが好きなら探せばもっと質の良い魔術師が―― ああでも、うん、相応に高いはずですから。」
自分が貴重だと言ってくれると、これまたどうかな?と照れてしまうが。
こういう界隈の試供品としては悪くないはずだとそろそろ自分を肯定し、お世話になりますと礼を。
ちょっと気楽にさせてもらえて、ひょいとナッツに手が伸びた。
「――ん。」
んまっ!と、口の中でカリッと砕いて広がった香りに一瞬固まり目が丸くなる。
■ヴィルア > 酒の効果はあったようだ
素面であったなら、口が軽くなるには相当に時間がかかっただろう
「知らないものを恐れるのは当然でもある
だが、そこで止まっていては進歩はない…ということだ
なるほど。なら、ここで実力と名を上げていけばいい
ふふ。貴族は敵が多いもの。その相手をしていれば自然と護衛としての君を見てくれる人は増えるだろうさ」
もちろん、免状をくすねる、などといった言葉が冗句だということはわかっている
にこやかに笑いながら、ナッツを口にした瞬間の顔に、男は口に手を当てて笑う
あまりにも素直な反応に、こちらまで嬉しくなってしまったからだ
「なに、人と人との縁は大事にする方でね
今から探すより、キミの方がいい。よろしく頼むよ」
そう断言してから、一息置こう
ナッツは程よい塩気と硬さで、酒で緩んだ口内を引き締めてくれるだろう
上質なワインと合うように品質を整えられたものだから、当然酒との相性もいい
一応まだ大丈夫なようだし、好きに注いでも構わないよ、と言いながら。
落ち着いたころを見計らって
「さて。もう1つ。男性は女性の経験を気にするか、という質問だったね
慰めでもなんでもなく、私がアーネストを知らないから、私の私見ではあるが…
例え複数人に体を嬲られたとしても
自分の元に帰ってきてくれるなら、嬉しいと思うね
続けて言うなら。…もし自分のため、と言って奉仕の手管など覚えてきてくれたなら、それも嬉しい」
一口、ワインを飲んで
ほとんどなくなったグラスを差し出し、注いでくれるかい?と言ってから
「先程の話にも繋がるが、知らないこと、慣れないこというのは恐怖だ
シンディの様子を見るに…以前、何故無理矢理に迫られて快感を感じてしまったのか
そういった不安や恐怖もあるのではないかな?」
嬲られて負い目を感じるだけではなく
自分の身体が不可解な反応を示したから不安なのではないかと
彼女を嬲った相手は…知る限りは貴族だ。
女の扱いなど、慣れていよう。
そんな獣の前に初心な女を差し出せばどうなるかは想像に難くない
「そういった意味では、経験を積むことは悪いことではない、と言った
慣れて、受け流せるように…あるいは相手より上手になってしまえば
…男など単純だ。積極的にしろ、という話ではないが…襲われた時に逆に君が手玉に取り、自分たちの益にすることもできるかもしれない」
柔らかな目線を向けながら、また少し顔を寄せる
付いているよ、と付いてもいないナッツの欠片を拭うふりをして口元に手を伸ばしながら。
■シンディ・オーネ > 「ありがたい事ですがそれは素直に喜べないと言うか、より深刻な状況にならないよう祈ります。
暗殺を生業にするようなのを仕向けられたら、私なんてものの数ではないでしょうし。」
若干言葉の選択が怪しくなってきている。
敵が多いと言うヴィルアに、私の活躍の場欲しさに歓迎はできないと苦笑して。
がんばるが、先日の暴漢程度なら軽くあしらえても、ガチな手合いへの対処なんて無理めですよとあけすけ。
「ご商売の世界って事でしょうか。
ヴィルア様は貴族の良心に見えますが、それは私が中に居て良くしてもらえているからで?
…あこぎな事も、市場の潮目みたいなところでは意外としちゃったりするんです?」
口に手を当てたヴィルアの笑いがどこへ向けられたものか。
部分部分で察する注意力を喪失し、ぶっちゃけ恨まれる覚えあるんです?みたいな事を平気で聞いてしまう。
――ナッツんめえ、と目を線にしてポリポリしながらだ。
身体がふわふわしてキモチイイ。
今すごくベッドでゴロゴロしたい。なんならそのまま眠ってしまいたい。
眠気そのものは主人の前という事でまだ平気なレベルだが、
確かに感じている生理的な欲求を我慢するための自制心が怪しくなっており、
よろしくお願いしますと下がる頭はそのままゆらゆらした。
…男性から見た女性の経験についての話になると、気まずくてゆらゆらが止まる。
帰って来れば良しと言われると、そうかなあと少し安堵したようにモジモジし。
――しかし手管と言うのには、カクンと首が横に倒れた。
「んー――… それは… そうですか?
なんか… いや、知られないようにしたいっていう前提があるからかもだけど…
ヤじゃないです? 他の誰かと覚えた事って、気持ちいい事だとしても、だからこそ逆に…」
ふむー?と悩んでいたら、ヴィルアのグラスが空いている。
おっと失礼と慌てて注ごうとして、一度止まるのは酔いを認識して。
――深呼吸して臨めば、まだ手元が狂ってこぼしたりはしなかった。
しかしその程度には自分の物事に対するハードルが上がっているのを自覚すれば、これ以上自分に注ぐのは控えておく。
…口も軽くなっているぞと、それを機に戒めるように背筋を伸ばす。
「…え、ええ。
生理的な反応でやむを得ないのだと理解していますが、
私は… 以前の私なら、そんな風に言う人を見て言い訳しているとしか思わなかったでしょうし。」
本当に本気で嫌なら、快感を得たり出来ないのではないかという不安は大いにある。
他人の身体の事など分からないから本当のところでは答えの出ない問題にううんと唸り。
…しかし事ここに及んでは、肉体関係への特別視が若干薄れてきているのも事実。
相手より技術的に上手であれば、受け流せるし手玉に取れるというのは身に覚えのある話。
「…そう、ですね。格闘技と同じ、一つの技術と割り切れば… ええ、少し気が楽になるような気も。」
…するけど、それでいいのかな?と酔った頭を傾げつつ、
この時点でも既に男性と素面では出来そうにない話で、それが出来る事自体に、少し気持ちが軽くなっている事は事実。
アニーがそれを喜ぶかまでは別にして、そういう見方は問題に対処する上で有効だよねと受け入れて。
「――ぉうっ!? あああれ、すみません、わざわざ…」
ふむー?と眠気もあり目を閉じて考えがちで、近付く指に気付かなかった。
口元に触れられ驚いて、飲み食いしている口周りはばっちいですよと恐縮する。
■ヴィルア > 「それはもちろん。
だから以前の時も、君を信用しながらも…ベテランと一緒だっただろう?」
と、軽く言う
街に出る時に彼の周りを囲むのは本物のプロだ
経験を積ませる意図はあるが、自分の身を危険に晒すほど馬鹿ではない
「ははは。それは運が悪かっただけさ
ん?……ふむ。そうだね。その内教えるが…確かに、恨まれることはしている
君が以前拘束した中年の男も、その関係さ」
深刻になりすぎないように
彼自身、『それ』が悪いことだとは思っていない故に表情は柔らかいまま
ワインを注がせれば、ゆらゆらと液面を揺らして
「ふむ。なるほど…私は逆に、凄まじい努力だと思うがね
この街では、そういった書物もあまり出回っていないし、学ぶとしたら大抵実地になる
しかも、自分の元に帰ってくるため、安全な相手や場所を選ぶこともするだろう
逆に金を払うこともあるかもしれない。
そこまでして、自分のために…と、私なら感心するね」
あくまで男の考えだが、そう告げる
結局は、戻ってきてくれるならいい、という話に繋がるのだが
「事実、こういう商売をしているとね。
浮気をする女というのは実はそれなりに居ることがわかる
ただ、それで破綻している家は少ない
なぜなら…、『男』に、『女』を惹きつけ続ける魅力があるからだ
シンディが、どれだけ嬲られても彼のところに帰りたいと思うのも、そういった感情があるからではないのかな?」
逆に言えば、間男の魅力が勝ってしまえば破綻するのだが、と付け加え
ナッツを拭い去る振りをすれば、そのまま自分の口元へ
悪戯に、少し子供っぽく笑い
今度はなにも付いていないにも関わらず、指を近づける
「さて、それも踏まえて。
…『技術』を学んでみる気はないかい?シンディ
正直なところ、私の家紋だけでは足りない。自衛の手段を持っておいた方がいいと思ってね
君さえ良ければ、だが」
ぷに、と人差し指で相手の唇に緩く触れようとしながら、聞いてみる
技術が何を指しているかは伝わるだろう
強制することはない。こういったことは、自分で頷いたという結果が大事なのだ
例え頷かれなくても、好意として受け取られるだろうと予想はしているが、さて、反応は。