2020/09/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは王都マグメール、富裕地区。
どの地区であろうとも、人気の無い場所、と言うのは存在している。
今、少女が居る、大通りから外れた小道もそうだ。
ぱっと見入り組んだ感じから、使う者は土地勘があり近道として使うか、偶然迷い込んだりとか、それくらいだろう。
あぁ、後は、それを狙う何者か、もあったか。
………うん、要するに、己のような者の事である。
「………やはり、こうした細い道であれば、そこまでは…」
ちなみに、今の理由は半分で、もう半分は、涼を取る為でもあった。
こうした道なのだ、大通り程に陽光は入り込まない。
微風でも吹いてくれれば、それなりの涼しさである。
手にする広げた扇子を、ぱたぱたと扇ぎ、軽く見渡す。
そうそう都合良く、誰か来るものではないだろうが、一応は期待はしているのだ、少しだけ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」にエイガー・クロードさんが現れました。
■エイガー・クロード > そんな風にあたりを見渡していると、がしゃり、と鎧が擦れる音が聞こえた
見れば女性のような化粧をした、しかしよくよく見なくても男性とわかる騎士が入ってくるのが見えた
背後には布で包まれた槍を背負い、少々不機嫌そうな顔をしている
特に目を引くのは右腕全体を覆う鋼鉄の籠手だろう
そしてそんな彼もまたハンカチを取り出して自身の顔をぬぐった
「あっつ…さすがにこの装備で今の季節の見回りはきついわね…」
そうつぶやきながら、生ぬるくなった自身の水筒の水を飲むのだった
■タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
普段の反応と違い、相手が結構な距離にあってもだ。
鎧を着込んだ相手であるならば、当然とも言えようか。
これは僥倖、そう思えば、少女は物陰へと身を隠す。
ここまで距離を置き、ゆっくりと準備が出来る相手なんて、久し振りだ。
「………さて、今日は…これじゃろうか?」
そんな呟きを漏らしながら、袖に手を入れ、ごそごそと漁る。
取り出したのは、一枚の少し大きめな白い布。
その布を、ひょいっと放れば、ひらひらと舞い上がった。
微風は確かに吹いている、だが、布を舞い上がらせる程の風ではない。
もちろん、それは己の力によるもの。
ゆらりゆらり、宙を舞い揺れる布を確かめれば、一つ頷き。
後はあれだ、獲物がその下に来た途端、その布を上から被せるのだ。
■エイガー・クロード > まったく、と彼は呟き、その顔は警戒しているようには見えない
「あーやだやだ。化粧が崩れちゃうわ。もう、せっかくライムの香水をもらったっていうのに…」
手鏡を取り出して自身の顔を確認して、特に崩れている部分にハンカチを当てる
「んま、汗ですっかりほぼすっぴんになっちゃったわ。んもう」
そう心底嫌そうに呟いて
「…あら?」
ひらひらと、偶然か布が自身の方に流れてくることに気付いた
しかしまだそれがなんであるか理解してないのか、不思議そうに観察している
■タマモ > 少し遠くから、獲物たる相手の姿をこっそり見遣る。
無駄に鎧を着込む感じから、どうせお堅い騎士様だろうと。
こんな人気の無い場所だ、見回りか何か、真面目にやっているのだと、少女は想像していたのだ。
「………なん…じゃと…!?」
そんな少女の耳に届いたのは、その相手の声。
待って、ちょっと待って、声、この声、男子だろう。
あれなに?この言葉遣い、それに香水?
すっぴん、って事は、化粧が汗で落ちて?
これは拙い、非常に拙い。
この男子、物凄く、気になった。
とりあえず、布は落とし、準備万端。
気付かぬとも、気付こうとも、何もしないならば、その布は確実に相手を被うのだ。
ちなみに、切っても刺しても、その布は千切れたりしない。
油断をすれば、布に覆われ………まぁ、それだけだ。
そうなって、驚くさまを見るのが、少女の狙いだから。
■エイガー・クロード > そんな風に困惑している妖狐がいることなど露知らず、男は布がこちらに流れているのを見ていた
そして…
「っ!なにこれ!?」
自身に巻き付こうとする布に驚いた声をあげる
しめしめとその方向を見ようとすれば…
「なっが!?どうなってんの!?」
右腕の籠手にまるでペーパーのごとく延々と布を巻いて凌ごうとするシュールな図があった
■タマモ > 気になれば、覗くのが当然、それが少女だ。
そして、覗いてみれば、その先に見えるものは…
確かに、驚いてはいるのだが、全身を包ませるつもりが、右腕だけ布で包まれた男子の姿。
どうやら、あっさりと捕えさせてはくれなかったらしい。
………出るタイミング、どうしたものか。
右腕に布を巻き付け凌ごうとする男、その姿を眺めているだけの少女。
お互い、何とも言えぬ状況であった。
まぁ、千切れないだけで、実害はない。
そのすべてを巻き取られたら、姿を現わすとしよう、そうしよう。
そう決める、少女であった。
■エイガー・クロード > 「ふぅ、ふぅ」
そんなこんなで、布をすべて自身の腕に巻き付くことができた
しかし右腕がかなり不格好になってしまったうえに、なんというか
「これじゃ東洋の中二病ってやつみたいじゃない…」
そう、まるで邪○やら黒○などが封じられているような感じになってしまった
いや実際にはそんなカッコいいようなもんではなく、物凄く不格好なのだが
「あー、もう。余計に汗かいた。とりあえず汗臭くなる前に~と」
疲れたような声を出しながら彼は自身の顔や首をハンカチで拭う
そしてプシュッ、と香水を自身にかける
見た目は普通の騎士のはずだからおかしいはずなのに、妙に手慣れているというか、様になっていた
■タマモ > 「むむむ…よもや、あの長い布のすべて、巻き取ってしまうとはのぅ…」
腕を布に包まれながらも、身嗜みを整える男の姿。
いや、その状況でそれ?とか思いつつも、はふん、と溜息を吐けば、そう言葉を掛けながら物陰から現れる。
「せっかくの悪戯も、こうも対処されては、どうしようもない。
まったく、大した男子じゃ」
やれやれ、とわざとらしく肩を竦める少女。
再び扇子を手にすれば、改めて扇ぎ涼しむ。
■エイガー・クロード > 「あら…」
声の方に振り向き、騎士はようやく少女を視認する
見慣れない服に聞き慣れない言葉遣い
そしてなによりその尻尾を見て
「これ(布)はあなたがやったの?ダメじゃない、人にイタズラしちゃいけないって教わらなかった?」
とりあえずイタズラ娘として扱うことにしたのだった
もしかしたら他国の姫か妖術師かもしれないと少し警戒するが、そんな警戒の心は微塵も見せない
■タマモ > 己の姿を見るも、そう反応の大きさは見せない。
騎士ならば、何かしら大きなリアクションを見せると思ったのだが…まぁ、良いか。
それはそれで、面倒なく助かるところはあるのだから。
「人と言うものは、やるなと言われると、やりたくなる生き物なのじゃ。
いやまぁ、どちらにせよ、妾は人でないからのぅ。
人の道理に、素直に従うような、堅苦しい事はせんよ。
………まぁ、冗談じゃがな?」
リアクションが薄いだけで、僅かながら、警戒はしているものだろう。
それは、雰囲気で何と無く察するも、当然の事なので気にしない。
そんな事を、平然と返しながら、軽く考える仕草。
「暴れ回るより、可愛らしいものじゃろう?
この程度ならば、笑って許すくらいの、寛容さは見せておくれ?」
そう言葉を続ければ、くすくすと笑うのだ。
■エイガー・クロード > そっと、心の中で少しだけ警戒心をその言葉から強めた
見た目もそうだが、得たいの知れない術を使う相手、あまり油断はしてはならないだろう
なによりこういった手合いは商人気質の貴族に多いのだから
「人でなくてもこの国に住んでるのならあんまりイタズラはよくないわよ?
アタシだったからいいものを、他の人だったら即刻危ないことになってたかもしれないんだから、気をつけてね」
…とはいえど、別にイタズラはイタズラ。そこまで、ひどいことをしてない以上こうして注意する以外ないだろう
それに
「そうねぇ、可愛らしい子だから許してあげるわ。
それに笑い方も素敵だしね?」
そんな風に言ってこちらも少しだけ笑った
■タマモ > 道理を通せば、警戒が緩まるのは分かっている。
だからこそ、こうした手前は、あえて逆行するのが少女だ。
己がこう言った性格なのだ、そう分かれば、警戒も馬鹿らしく思えるだろう。
分からずとも、別に気疲れするだけなので、少女は気にしない。
「妾から、悪戯を取り上げたら、何が残ると言うのじゃ!?
………あ、いや、色々と残るが。
危ない事か、それはそれで面白そうn…いや、何でもない。
まぁ、気を付けておこうか」
明らかに、人の注意を聞きたがらないタイプだ。
それは、注意している時、微妙に逸らされる視線で分かるかもしれない。
ひらひらと手を振って、そう適当に答える様子からも、伺える。
「………可愛らしい、か…むぅ…」
やはり、美しいよりも可愛らしいで受け取られる。
仕方のない事だが、少女はその言葉に、少々不満そうな表情。
とは言え、そこまで気にしてない、表情はすぐに戻るが。
ゆらり、揺れる尻尾が、微妙な動きをしていた。
■エイガー・クロード > 「もう、人の話を聞かない子ねぇ」
そうぶつくさ言いながらも、視線を合わせるように低くしていた腰をあげる
油断はできない。しかし悪意はない。それだけわかれば、十分なのだ
「あら?ひょっとして見た目と年齢が一致しない人?
だとしたらごめんなさい、そこまでアタシ気がつけないの」
少し目尻を下げて申し訳なさそうに謝る
ゆらりと揺れた尻尾に一瞬目をやった
■タマモ > 「世の中、素直に物事を聞いてばかりでは、つまらなかろう?」
呆れたような言葉に、ふふんっ、と無駄に胸を張って答える。
感じた通り、こちらには確かに悪意は無い。
あるのは、単純な悪戯心だ。
悪戯心なくして、妖は語れない………多分?
「あー…まぁ、そこまで気にしておらんから、大丈夫じゃ。
これは、あれじゃ…妾の、拘りの問題なのじゃからのぅ」
ふっ、とどこか遠くを見詰めるように、視線を向けて。
その視線をすぐ戻せば、謝る男に、良い良いと手を振って返した。
と、尻尾に向いた視線には、かくん?と首を傾ける。
■エイガー・クロード > 張られた胸が、揺れるのに一瞬注視した
見た目や言動とは違って、そういうところはしっかり男なのだなぁと思うかもしれない
それでも仕草は女性のようで、やはりちぐはぐというか、違和感を感じるだろう
「拘りは大事よねぇ。拘りなくして人生に楽しみはないもの。
だからそういう拘りはこちらもある程度気にしちゃうのよね」
うーん、と顎に手を当てる
そして首をかしげた少女を見て…思うことは顔こそ変えないがもろばれだろう
「(か、可愛すぎかっ。その首の傾げ方にその顔。身長低いのにその体つきは悪魔的でしょう!
なんでこんな路地裏なんかにいるのよ、危ないでしょ!いや自衛できるからこんなところにいるんでしょうけども…。
あー!なにそのたくさんの尻尾!滅茶苦茶柔らかそうだしもふもふしてそう!
こんな暑くなかったら触りたいっていうのに!!)」
■タマモ > 男の仕草に、どうも違和感を覚える。
鎧姿の割りに化粧をし、それを気にしてはいるも、その仕草には性別に見合うらしきものを感じるからだ。
前に会った事のある、この手の輩は、徹底して心は女、と言うものだった。
だが、目の前の男は、微妙に何かが違う。
とは言え、これがこの男なのだと言われたら、それまでなのだ、気にするだけ無駄だろうか?
「ふむ、それでそう疲れぬならば、それでも良いがな?
妾なんぞ、余り気にし過ぎたりすると、疲れてしまってのぅ。
こう、ついつい…その繰り返しじゃ」
ふむふむと頷きながら、軽く腕を組み、言葉を交わす。
当然、そうすれば再び胸が強調されるようなものだが、普段の事なのだから気にする事もなし。
「………」
じーっと男を見詰める、それは、まるで心の内を探るような、そんな感じを受けるだろう。
実際の話、悪戯も終わったし、次はどうしたものか…
なんて、こんな状況にも関わらず、次の悪戯の案を考えてたりするのだが。
■エイガー・クロード > 心の中でそんな風に悶々としていると、少女から強く見つめられていることに気付いた
「あ、ごめんなさい。名乗り遅れたわね。アタシの名前はエイガー。エイガー・クロードよ」
そう言って恭しく、作法に乗っ取った礼をする
慣れているししっかり教育を受けたのであろう、とても様になっていた
「あなたの名前を聞かせてもらってもいいかしら、マドモアゼル?」
■タマモ > と、男から、名乗りと、問いが掛かる。
その言葉に、はた、と我に帰った。
「お、おぉ…映画か………ん?映画?玄人?
それはそれは、何とも変わった名前じゃのぅ」
違う、それはちょっと違う。
意識半端に聞いていた為か、名前が何か訳分からない事になっている。
礼儀正しくの名乗りなのに、何とも失礼な話だ。
「まぁ、良かろう。
妾の名はタマモ、覚えておくも忘れるも、お主次第じゃ」
そう名乗り返すが、間違いを訂正するのかどうか。
そもそも、それに気付いているかどうか、もあるが。
■エイガー・クロード > 「まって。ちょっと、まって?」
思わず、といった風に名前を言われて声をかける。
「タマモさん?ちゃん?なんかアクセント違うんじゃないかしら?」
ついつい、突っ込んでしまうのは性分なのかどうか
まぁこうして話せる相手なのは良いことだろう
「もう一回言ってもらえるかしら?エイガー、エイガー・クロードよ?」
■タマモ > 「………うん?」
何やら、己の言葉に制止が掛かる。
はて?何か、間違った事を言っておったか?みたいな感じで、男を見遣る。
男が言うには、何かあくせんと?とやらが違うらしい。
改めての男の名乗り、今度はちゃんと聞いている。
あれ?何かちょっと違うぞ?みたいに、不思議そうな表情を浮かべて。
考えて、考えて…少しの間。
ぽんっ、と少女は手を打った。
「おぉ! そうか、分かったぞ!
えーっと…エイガー?クロード?じゃな?」
分かったとか言いながら、確かめるような言葉は、問い掛けるようなものだったが、気にするな。
お互い、名前が分かったろころで、空を軽く見上げれば、日が傾いている事に気付く。
「おっと、そろそろ頃合か。
また機会あれば、出会う事もあろう。
その時は、またよろしゅうのぅ?」
そう伝えれば、挨拶代わりに、ひらりと手を振って。
とん、と軽く地面を蹴れば、男の目の前から、少女は一瞬で姿を消す。
…視線を上に上げれば、建物の屋根、そこへと着地せん少女の姿が、最後に見える事だろう。
■エイガー・クロード > よかった。という風に頷きつつ
「っと、確かに結構時間が経ってたわね。話し込んじゃってたかしら」
そう言いながら、高く跳躍した彼女の姿を見て
「(やばい…『見え』そう)」
一瞬、見えそうになった彼女を見てすぐに目をそらして
「不思議な時間だったわね…また会えるかしら?」
そう言いながら彼もそこから立ち去るだろう
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区のどこか」からエイガー・クロードさんが去りました。