2020/06/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にアントワーヌさんが現れました。
アントワーヌ > 夜も更けたとは言え、貴族たちの夜のお愉しみは、未だ此れから、という時間帯。
会食の席が徐々に淫靡な色合いを漂わせ始める気配を察し、
常の如く早めに席を辞した己は、徒歩で屋敷を目指し歩いていた。

歩いて行っても直ぐに着く程度の距離でもあり、比較的治安の良い界隈でもあり、
何よりも、偶には近習の者にも休日をあげなくては、と思った結果だった。
幼い頃から慣れ親しんだ此の辺りでは、迷う心配も要らない。
仄かに頬が色づいているのは、食事の際に少し強めの酒が出たからだと思われる。
足許がふらつく程では無いにしろ、ほろ酔いと言っても良い状態で、
月明かりも朧な曇天の下、人通りの無い石畳に硬い靴音を刻み――――。

アントワーヌ > のんびりした歩みが、其れでも自宅に辿り着く頃。

とある忘れ物に気づいて、緩慢な挙措で振り返ったけれど、

「――――――――…まぁ、良いかな」

歩いてきた距離は大したものでは無い、然し、今から戻るのは面倒だ。
其の上、今戻れば宴の席は見事な乱交現場に変貌していると思われ、
―――――溜め息交じりに緩く首を振って、残りの数歩をやや足早に。
俯き加減に門扉を潜り、前庭に咲き乱れる白薔薇の香りを愛でつつ、
屋敷の玄関を目指して―――――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からアントワーヌさんが去りました。