2019/08/29 のログ
■クロニア > 大通りを真っ直ぐ歩いても結構な距離がある。
貴族と一言ことで言っても派閥からその地位から色々とあり、
我が一族はそれなりの地位にいるようだが、屋敷は少し王城から離れている。
矢張り馬車かメイドの1人でも迎えに来させるべきだったか?
と後悔するくらいの距離はあるのだ。
「……ハァ、ワインでも買って帰るか?それとも何処かで飲んで帰るか……。」
足をピタと止めると、さてどうする?とその場で腕を組んで、右足の踵でカツカツと石畳で舗装された路面を叩く。
苛立ちとかそういうモノではなくただの癖。
思案している最中は必ず何かしら叩きたくなる。
今回は路面、場合によってはメイドの尻の場合もあるのだが、
それは、まあ今は思い出さなくていいか。
素直に社交場に戻るという手もある。
だがそうなると父親の説教が間違いなく待っている。
どうするか、さてどうするべきだろうか?
整った相貌ではあるが眉間に皺を寄せ、今度は手櫛で金色の髪をかきあげて、後ろに流す。
パサリと髪が揺れると今夜の為につけてきた香水の香りがふわと広がるのであった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にレナーテさんが現れました。
■レナーテ > 貴族と言えど、その思惑で全ては異なる。
国の事などそっちのけで、欲望を貪るだけの愚者もいれば、先を見越して最良の選択を選ぶ高貴な者もいる。
傭兵業に近い仕事柄、引き受けるとすれば護衛が多いのだが、それとは別に拠点を構える集落の管理も必須。
流通の中心を担うべく港と王都の合間に立ち、山越えも請け負う為、商業にも通じている。
今日は運送ルートや、新しい商品の搬入など物資に関わる話をすべく貴族の家を回っていたが、気づけば随分な時間だ。
楽しみにしていると言われ、広い屋敷の中を通されるだけでも、長い道のりといえよう。
ようやく屋敷の外へと使用人へ導かれ、丁寧な見送りをされると、大きな鉄柵の門が開かれた。
隙間から抜けるようにして通りへ出れば、静かに門を閉めて使用人が奥へと戻るのを見送る。
2つの扉が閉ざされれば、やっと緊張の糸を問いて深くため息を吐き出し、ぐったりとした様子で瞳を伏せていく。
(「……疲れますね」)
なれたとは言え、神経をすり減らしながら相手を気遣う会話というのは疲れるもの。
一日中そればかりだと、血流巡りが良い体でも肩こりの一つや二つ覚えてしまいそうだ。
右に左に首を傾けてから、帰ろうか、それとも温泉によって一休みするか派出所で眠っていくか、そんなことを考えている一連が見えるだろう。
■クロニア > ――…あー小遣い減らされたんだっけか?
ワインを買って帰るだけには足りない軍資金。
懐の財政厳しく、金貨数枚程度しか懐にないのを思い出し、
気だるそうに力なく笑みながえらガクと両肩を落して、
いざ諦めて帰ろうと足早に大通りを駆け足でぬけようとしたところで、遠めに何だか自分と同じような疲れた人影を眺め
(ああ、解る、解るし理解出来る……。)
思わず足を止め心の中で同情をする。
表面上だけ聞けば言葉だけ聞けば、話を聞いてお酒を飲むだけで、
良い伝手が生まれるというボーナスゲームだと思うだろう。
だが実際は腹の探りあい、下手すれば料理に薬入り、聞きたくも無い自慢話を延々と聞かされ、
愛想笑い浮べて相手の機嫌取り、それをする方も疲れるし、
される方も疲れる――…そういうのを楽しめる性分でなければだ。
同情しても何の面白みも無い。
何も得るものが無ければ矢張り足早に……と境遇的な意味合いで同族の姿を見送りながら、その人影の背後をぬけようとして、ピタ、と再び足を止めた……その理由は
「……何しけた面してんの?オレの屋敷に来るのに迷子になったから?」
見知った顔であった。
もっと言えば昨日であったばかりの顔であった。
だから、声をかけると同時にその小柄な身体を抱き寄せるようにして、腕を伸ばして自分のほうに抱きこもうとする。
それだけなら、甘い光景の一つに見えなくも無い。
だから両手は遠慮も躊躇もなく腕ごと抱え込むように抱きこもうとしながら、その胸元の膨らみを鷲掴みにしてやろうと。
もし振り向くならへらっと軽薄そうな笑みを見る事が出来るだろう。
それを見れば言葉は全て冗談だと言う事がわかるかもしれない。
■レナーテ > 相手は良心的な相手が故に、自慢話ばかりという事にはならないのだが……如何せん気を使う。
先日のことも有り、良心的に見えても内面は異なるケースもあるのだから、普段以上に気を張っていたのかもしれない。
近づく姿にも、気配にも反応が遅れるぐらいには疲れていた。
肩を落としながら溜息を零した瞬間、背後から掛かる声に、ベレー帽のたれ耳がぴくりと跳ねる。
ぇ? と間の抜けた声を零すと同時に、小さな体は簡単に抱き寄せられてしまい、彼の方へと身を寄せていく。
あの夜と変わらぬ柑橘の甘酸っぱい香りがふわりと舞い上がり、見た目より重ための体重も彼へ寄りかかる形に。
両腕を封じられてしまうと、咄嗟に胸元を庇うことが出来ず最早されるがまま。
ブラウスの上から触れる小振りの山はブラの硬い生地ごしながらも、クッションビーズに指を沈めるような柔らかな感触を伝え、簡単に奥にある肋骨の硬さも分かるだろう。
それと同時に、見た目より重たい理由もわかるかもしれない。
真っ白なブラウスに見えるそれも、生地の感触が異なり、それこそ細い鉄線を編み込んだような不思議な硬さを感じさせる。
そのはずなのに、普通の布地と同じように拉げて形を変える奇妙なもの。
慌てて振り向いた先には、あの夜に見た嫌いではない悪人の笑みが見え、瞳を瞬かせながら硬直した後、身動ぎするように身体を左右にねじった。
「違いますっ、今日はお仕事でこの辺りを回っていただけですから……っ! それより、勝手に胸に触らないでくださいっ」
今更ながら胸に触られた事実を自覚し、かぁっと頬を真っ赤に資すると、恥じらいに瞳を伏せていく。
羞恥に僅かながら鼓動が早くなるのも小さな乳房越しにも伝わってしまうのが恥ずかしく、短い息を早めながら、藻掻くばかり。
■クロニア > (……そうそう、この柑橘の香り。たまらないよな……。)
言葉の代わりに僅か鼻のしたを伸ばしてしまおう。
彼女の薄茶とこげ茶の混ざる不思議な髪色のその髪から香る、
芳しくもそそる香りに昨晩帰宅した際にメイドに同様の香水を
振りかけて遊んでみたが、此処までそそる香りにはならず、
本物の香りは矢張り違うと、思わず伸びたのだった。
それ以上にそそるのは掌と指先に返すふくらみの触感。
マシュマロを大きく作り上げたものを指で触れるとこんな感じか、
と思うほどに指が沈み込む感触が良し、ただ贅沢を言えばボリュームが聊か足りず、
それは伝手で豊胸クリームだのポーションだのを進めるとして、
今はこの触感とその奥の硬さからして小ぶりながらの愛らしい乳房を
遠慮もなく指先で揉み解そうと、下着の着用に関しても
豊胸クリームやポーションそれ以上にマッサージ師を呼んで、
いやその妄想は後ほどで良いか。
「……嘘つくなよ、いいんだぜ何時だってレナーテちゃんなら歓迎だからさ。独り身の夜って寂しいだろ?オレの屋敷に部屋を用意してやってもいいぜ」
軽薄そうな笑みは引き続く。
それに彼女を背後から抱き寄せて、捕まえ続けるのも同じくだ。
しかし、ちょっと気になってるのが彼女に良く似合うブラウス?なのだが、
不思議な硬さ?しなやかさ?が今まで触れた事がないような感触で、
後で引ん剥いてちょっと布を分けてもらうとか、提供してもらおうか、
して後々何かの役に立てようと。
まあ今はそれよりも可愛い小ぶりの乳房育成である。
持ち主も愛らしければふくらみのサイズも愛らしいと。
■レナーテ > 甘ったるいだけではなく、吹き抜けていくような爽やかさを合わせた香り。
自身の体臭と合わさっているのもあるかもしれないが、何気に集落にある香水の店でしか売っていないオリジナルな点もあるのだろう。
戦仕事もしなければならない為、その汗の匂いを掻き消すというのもあり、飾るための香水とは少し勝手が違っている。
まさか自身の乳房を大きくしてしまおうと思われていると走らず、抱きかかえられて藻掻く姿は、小ささもあって、家猫が抱っこから逃れようとするかの様だろう。
「だ、だからそこの家の方とお話をしてたんです…っ! 流通のお仕事にも関わってますから…っ」
まるで酔いどれの様な絡み方だなと思うも、これもわざとだろうと笑みから察する。
とはいえ、それに抗わないわけにも行かず、頬を赤らめたまま言葉を重ねていった。
同時に、顎をしゃくるようにして、門の向こうにある立派な屋敷を指し示す。
各地に宿を構え、王族も好んで愛用することから貴族へとのし上がった商人として知られている当主の家だ。
今は誰も見ていないようだが、こんなところで抱きつかれているのを見られるのも、後処理が面倒になるばかり。
触られるに連れ、次第に先端に血が溜まっていくと、軟質ゴムのような小さなニップルが膨らんでしまい、よくよく探れば気づくかもしれない。
「と、とりあえずここは色々面倒なので……場所を変えてくださいっ、見つかったらお互いに利はないですよっ」
自分としては仕事終わりに貴族の男と相瀬を交わしていたと、面倒な話が。
彼としては、父君の耳に入れば面倒を起こすなと言った相手にちょっかいを出した事実が。
互いに害なす情報だけが広がると忠告をするも、欲の強い彼がそれだけで引っ込むとも思えず。
近くに置かれていた馬車の裏手を指先だけで指し示し、あっちにと移動を促しながら彼を見やる。
少々不機嫌そうに眉を顰め、金色の瞳は羞恥に淡く濡れ、頬を赤らめた羞恥混じりの慌て顔で、なんども視線でそちらを促す。
■クロニア > 流石に不機嫌そうな顔をされると、頬なり何なりを引っかかれそうな空気を感じて、
空気を読む事だけには長けた、と自負(慢心)をしている自分は
少女の案に縦に頷くことで了承してみるのだが、離すことはない、折角捕まえたのだから、離すものかと。
ただ彼女の唇から紡ぎ伝えられる話はさわりの部分だけで、
何がどうとか、こうとか先もオチも想像がつくであった。
家同士の事は興味は無い。
まあ放逐されたらそれはそれで良い、が彼女のへそを曲げる
のは当然NOであり、チラリと彼女の顎先で指し示された屋敷を見れば……
「ゲッ、此処はアイツの屋敷じゃねぇか……。」
と、当然覚えがあって嫌な思い出のある場所より、
離れていこうと彼女を抱きしめたまま、苦虫を潰したような、
苦い笑みを浮べて軽薄そうな笑みを上書きし、
早く退散するに限ると傍目から見れば誘拐するようにしか
見えない方法で彼女を近くにある馬車の裏手に引きずり込もうと……。
「……あっレナーテ、乳首硬くなってない?なってるよな?」
よくよく探らぬ理由のない彼女の乳房の膨らみをブラウスの上から弄り続けるその部位の変化をポソと彼女に耳打ちするのであった。
――…少しだけ
嫌味なアレが彼女を狙ってるとしたら、あいつの屋敷の壁に
手をつかせて彼女を喘がせれば面白い事にならないか?
と思いはするが……自分自身の思考に却下しておく。
■レナーテ > 引っ掻くぐらいで済むならいいのだが、何気に組織内では近距離での戦はトップクラスに強かったりする。
交渉中に殺し合い勃発となることもあり、本来は取っ組み合いをすれば体術の心得がない相手なら簡単に投げ飛ばすのも蹴り転がすのもできる。
ただそれをしないのは、騒ぎを起こしたくないからであり、彼も貴族だから無駄に暴力には訴えづらい。
その前置きを差し引いても、権力だけで奪おうとする貴族よりは良い方だと評価しているのもあるが。
「そんな嫌な顔をするほどの相手ではーー」
対応も朗らかだし、帽子をとって耳を見せても嫌な顔ひとつしない良心的な人だった為、かれが嫌がる様子がわからなかった。
キョトンとした顔は年頃より幼く見えるかもしれないが、その声は押し切られるようにして馬車裏へ消えていく。
誘拐じみた連れ去り方を誰も見ていなかったのは幸いである。
視線を遮る空間へと移ると、安堵の吐息を零し、表情は少々和らいだが……耳元に囁かれた直球な言葉にビクリと体が震えた。
半目閉ざした呆れた視線で彼へ振り返ると……今度は深く溜息を零す。
「……真っ直ぐに欲望で引っ張ろうとするところは評価しますけど……もう少しデリカシーを持ってください。その……触ってれば誰だってこうなります、自然現象…ですから」
権力で振り回したり、小切手で頬を叩いてねじ伏せたりもしない。
抱きたい、欲しいと欲望に訴えられたあの夜は、手法こそ酷いが嫌悪することはなかった。
自身の集落にも同じように欲望に忠実な男がいるのもあり、その人に近いと思うほどに。
とはいえ、包み隠さぬ言葉は少々下品が過ぎて、不機嫌そうに文句をつけてしまう。
だが、その後の言い訳は再び頬を赤らめながら、そろりと視線をそらして紡いだ。
消え入るように小さく、そして口にするのも躊躇うような支えた言い方になりながら、顔を隠すようにうつむいていく。
無論、彼のあてつけじみた妄想には気づいていなかった。
■クロニア > 彼女が強い子だなんて想像もしていない。
自分の中では彼女はちょっと強いだけの可愛い愛玩猫であり、
ちょっと肉食の気があっても指を齧られる程度で済むと思っている。
だからこそ力づくで何て思って行動をしているし、
彼女が貴族を相手にしているからこそ暴力で訴えないでいるとも思ってもいない。
――さて、あの屋敷の人物への彼女の評価が高そうなのだが、あれの正体を彼女は真に知らないからである。
なので、大げさなほど溜息を吐きながら、馬車の裏手と言う
それでも怪しく微妙な場所で説明をするのだった。
「あれはバケモノだぞ?悪意なんて全く無い、距離感もない、貧民地区で炊き出しをやるとかアレはどこか螺子外れてるぞ割りと本気で……。」
矢張りアレの説明をするときだけ眉間にくっきりと皺を刻もう、アレはダメなのだ合わないのだ近くにいるだけで怖気が止まらない。
首を静かに左右にふりかぶり、意識をそんな変質者よりも
折角捕まえた可愛い猫を弄くる事に戻そうとし、
笑みも苦いのを消してへらっと軽薄そうな笑みに戻すと、
遠慮なく彼女の二色の混じる髪に鼻先を押し付けて匂いを嗅ぎ始める。
この匂いがいい、この匂いが欲しいのだ。
吐きだす言葉がストレートになるのは仕方なし。
「うんうん、矢張りこの香り。なぁ本気でうちでメイドやろうぜ?そうしたらデリカシーでも何でも我慢するからさー……。自然現象ってことは乳首がたつくらい、多少は感じてくれてるんだろ?」
甘い言葉よりも品の欠けているが彼女に向ける言葉は何も隠しもしない
どストレートな言葉しか向けていない、ある意味好意の表れ気に入った者への礼儀。
悪戯をする指先もだ。
礼儀を見せる言葉の中にあったそのストレートに指し示す箇所を
彼女の淡くはあるがふくらみのしっかりある乳房のまるみの頂点だけを探るように、指先で乳房の膨らみを押しながら、
爪先で乳首の位置を確かめ布越しに引っ掻く、だがそれでは
満足が行く筈もなく、引っ掻く指はブラウスのボタンを外す指へと変えていく。
路上で、富裕地区で、人が住まう近くの場所で躊躇いも無く遠慮もなくだ。
■レナーテ > 「……それは、ノブレス・オブリージュというものでは?」
それこそが本来の貴族たる所以ではなかろうかと思えば、彼の言葉に目をまんまるにしながら瞬かせる。
富を得ることはその人の力の表れであり、それを否定することもない。
だが力を持つということは、他を抱えて立ち上がるのと同意であり、一人では成し得ない。
だからこそ、持たざるものに施し、国に尽くすのは高貴な行いなのではないかと思えば、彼が毛嫌いする理由が分からなかった。
偽善者だと罵るタイプなのかもしれないが、欲に汚れた者達に比べるとどうもその具合が異る。
だからこそ、彼の言葉の真意が分からず思考の渦に飲まれる中、彼の顔が髪に突っ込んできた。
髪に直接顔を埋めるなら、薄っすらと石鹸の心地よい香りの後、上から染み込ませた香水が程よく溢れる。
髪ツヤも貴族の令嬢と遜色ないほど丁寧に手入れをされており、さらさらと頬を優しく擽るたびに彼の求める香りを零す。
この匂いが欲しいとはっきりと言われると、ドクンと心臓が強く跳ねた。
可愛くあるために整えた部分は心の急所とも言えて、自身の穢れを隠すための装い。
それを求められ、認められる瞬間、顔こそ見せないように伏せているが、嬉しそうに崩れてしまう。
「……そんなにメイドらしいことをするほど、時間がとれませんから…」
否定ではなく、理由があっての断りに気づくだろうか。
メイドらしいことはできないと緩く頭を振ると、自然と彼の顔へ髪をこすりつけるような状態になるのも忘れていた。
ストレートすぎる願望は嫌ではなく、鼓動の高鳴りは収まらない。
だが、相変わらずに下品すぎるほどの問いかけには、思わず溜息を零したのだが、窘めるように”貴方は”といいかけ唇からは、違う音が溢れる。
息を短く吸い込んで、小さく身体が跳ね上がっていく。
あくまで生理現象として膨れてしまっただけだったが、明らかにそこを探り当てて引っ掻き始めると、心の拒絶感がない分に淡く快楽が身体を駆け巡る。
腰を押し付けるようにして身を引きながら、金色をギュッと閉ざして刺激に耐えていく。
ぷつりとボタンの一つが外れるのに気づくと、慌てふためいて瞳を開き、彼へと顔が振り返った。
「待ってください…っ、もう、分かりましたから……ちゃんとしたところにしてください。あと……乱暴ばかりも……嫌です」
殴ってしまえばいい、投げ飛ばしてしまえばいいのに。
それが出来ない理由だって、覆すことも出来たはずだ。
けれど、彼の熱意に根負けしていくと、先程までの凛とした優等生な顔はなかった。
恥ずかしさを必死に堪える、年相応な幼顔を見せながらポツポツと要望を吐き出し、じっと見つめる。
わずかに身体を脱力したのも、逃げる口実ではないと身体自然と示した答えだ。
■クロニア > アー聞いたことある。
メイド長の婆さんや父親が口酸っぱく言ってた。
貴族たるもの「ノブレス・オブリージュ」を忘れる事なかれと。
オレに言わせれば自分で稼いだ財産を何に使おうと、
稼いだものが好きに使えばいい、と思うので意味が正直わからない。
特に無償の施しなどわからんし理解もしたくない。
少なくとも無償でやれば無償でやったことの価値が下がる。
例えば似顔絵を絵師が描くとしよう、それを無償でやることで、
我も我もと集る者が出てくるし、足元も見られるだろう。
少しでも金を取れば無償でやっていたのは何故だと。
全くもってくだらない、いやそれとは少し違うか……。
雇って働けば賃金を落すのだし、必要以上にやるのは……好かない。
それよりもコッチだ。
鼻腔を一杯に広げて吸い上げる芳しき柑橘の香り。
彼女の髪の香り、手入れが確りなされているのだろう、
やわらかく、しなやかで、甘く、さわり心地を愉しませてくれる極上の髪だ。
「じゃあどうする……メイドに誘うのは止めて、当初の予定通り玩具にするかな、地下室で一杯可愛がってやるからな。巨人のアレを模した張子とか、品種改良されたスライムとか、鎖で縛って吊るすのも……。」
堕ちるところまで堕ちている。
腰をおしつけ身を引く彼女に年相応の顔を見せて振り返る彼女の眼鏡のレンズ越しの金色の瞳に、
軽薄そうな笑みではなく、笑みを消した真剣な表情を浮べて、
悩んでいる表情をあますところなく見せつけ彼女の要望と真逆の事をつらつら並べる。
……しかし
「ああ、乱暴はダメか。ならメイドがお勧めだなー朝起きるときにしゃぶらせたり……ああ別に毎日通わなくてもいいよ?だってさメイドには夢とロマンとメイド服が詰まってる気がするんだよ。」
彼女には彼女の理由がある。
だから彼女には選択肢を、玩具として堕ちるか偽りでも甘くされたいか、尋ねる尋ねなが一つ二つボタンを外し、
少しだけ露出を高い状態で彼女の身体を両腕から開放し、
眩く輝きそうな金色の髪をくしゃくしゃと掻く。
「まあ、答えは今すぐ聞きたいけど、一先ずうちに来るかい?今更安宿でやるってのも……最初くらいはそのちゃんとしたところがいいんだろ?」
と多少矢継ぎ早な言葉を向けると、有無言わさず行くぞ?と利き手のほうを彼女に差し出す。
■レナーテ > きっとそれを口にしてしまえば、交わりどころの話ではなかっただろう。
善意に甘える悪意もあるが、それでも弱者全てを悪としてしまえば、国の纏まりは失われる。
奴隷種族だからと虐げられ、まともな職も得られなければ、身体が壊れて働けないものも見てきた。
それを悪とは言えないと、真面目な説教が始まるところだったのだから。
だが、彼の人柄から見るに種族で毛嫌いするよりも、内面と外見の両方からみて才を評価するのだろうと思っている。
だから、それほど正論じみた長々した話もしないだろうけれど、気は削がれるはず。
愛撫とじゃれつきに腰を引いたところで、耳元に囁かれる声が現実に引き戻すも、真面目な顔で並べる欲望に、再び呆れたような視線を向けていく
「……それでいいですと、すんなり頷けるわけないじゃないですか」
欲望を遠慮なく並べていく事は、嘘偽りがないとして評価しよう。
けれど、玩具にされて悦ぶ程破滅願望はないし、それに苦しめられた自身からすれば拷問だ。
良くも悪くも欲に素直だと思わされ、呆れた表情はすれど、軽蔑した様子はない。
どちらかといえば、少し年下のやんちゃな少年を見るような…そんな心地に近かった。
「……何でもいいです。ただ、鞭ばかりは嫌って話です。私にとっては……あの時の記憶は辛いものですから、それを抑えられるだけの飴がないと、受け入れられるわけがないです」
偽りでも甘い愛情だけというわけでもなく、彼の欲望にそう答えを苦笑いで紡ぐ。
彼がしようとしている事、壊れるほどの玩具で穿り返されるのも、鎖で痛めつけられるのも、魔物の慰み物にされるのも、受け入れられる理由を求めた。
辛い分にしっかりと可愛がってくれるなら、それに報いるべく耐えることも出来るだろう。
あの牢獄のように、貪られるだけの交わりは嫌だと答えるが、彼がそれを飲み込むかは分からない。
ボタンが外され、スリップの白地が見えてくると、彼へ向き直るように離れ、瞳を伏せながら開放された胸元を掌で覆う。
最初に出会った時よりもしおらしく、静かに何も言わずに隠すだけ。
「……そうですね、乱暴されてもいいと思えるぐらいエスコートしてくれるなら考えます」
ボタンを正しながら答えれば、差し出す掌に苦笑いを見せながら掌を重ねていった。
■クロニア > 「レナーテは我が侭だなぁ……。」
自分の事は棚に上げよう、思い切り高く見えない位置に。
彼女の苦笑いを浮かべる唇からは飴が欲しいと、
飴さえあれば鞭もと言われれば、今度はこちらが苦笑する番だ。
無論可愛がらない筈もない。
彼女を傷つけて壊すだけなど有り得ない。
もしあの夜の出逢い方が悪く、彼女が容易く堕ちていたら、
此処まで興味は湧かなかっただろう。
そういう事である。
呆れた表情も中々可愛いのはすみっこに避けておき、
重ねられた彼女の手を優しく握り締めると、苦笑いよりも軽薄な笑みをへらへらっと浮べ
「ハイハイお嬢様。壊してくださいって言いたくなる程にエスコート致しますので、その薄いハートが蕩けた暁には是非オレの妾にでも……。」
冗談半分、つまり半分は本気である。
まあそれを細かくつきつけるよりも先に彼女の手を引いて、
自分の屋敷の方へと歩いていく、途中で金貨5枚程度の安いワインでも買って……。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からクロニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > 富裕地区の道を、こつり、こつり、とヒールの音を響かせて歩く少女が一人。
楚々とした動きの少女は、その背に竜の翼と、ふんわりしたスカートの下から零れる竜の尾。
米神の少し上から後ろに伸びる竜の角を持つ、人竜と呼ばれる少女であり、トゥルネソルの名前を持つ三姉妹の次女である。
三姉妹で一番苛烈と噂に名高い少女は、しかして表情などにはあまり出さないタイプである。
にこやかなままに、全力をもって叩き潰すのが、少女の性格であり、やり口だ。
どこに地雷が埋まっているかわからない地雷原と言表現が正しいと思われる。
そんな少女は、珍しく眉間にしわを寄せていた。
その理由は、単純であり、聞けば納得してくれる諸兄もいるであろう。
「―――めんどう、ですわ。」
何が、と言うのは、家の事なのである。
長女で家主の少女は、いま実家のダイラスの父のもとで勉強中。
三女の妹は、何時もの放蕩癖と言うべきか、冒険者の依頼を受けて帰ってこない。
つまり、家のあれこれを自分がしなければいけないのだ。
家令が居て、大半は任せているのではあるが―――。
それでも、少女が判断しなければならないことも発生するのだ。
家の中で、のびのび研究していたい系の引きこもりには、扉をノックされるのも煩わしいもので。
軽くため息を吐き出しながら、少女は外を散歩するのだった。
むろん、気晴らしのために。
■竜胆 > 気晴らしに出かけてはみたがさて、何をしたものだろうか。
少女は、街路にある椅子に腰を掛けて施行することにする。
プランニングも何もなく気分転換のために出てきたがゆえに、何も考えていなかったのだ。
近い所のパン屋などで甘いお菓子でも買って食べるのもいい。
どこかの図書館に移動して、本を物色するのも面白い。
本を物色と言うのであれば、古書店や、魔導書を売っているような店を歩くのもいいかもしれない。
ほかには。
「あの子とかあの子とかいれば、捕まえてするのもいいかもしれませんわね。」
もしくは。
「友人がいるなら、その人とお茶もまた。」
思考が流れていくが、決定的な、これだ、と言うのがないので。
とりあえず、少女は腰を浮かすことがなく、人の流れを眺めつつ考えるのだ。
■竜胆 > 「……ふぅむ。」
少女は白い指を己の顎に充てて、思考を這わせる。
その視線は、青い瞳は、行きかう人々の方を向いていて、それを見ていなくて。
少女の中で、何かがしっかりとくみ上げられているようにも思えるのだろう。
この暑い空気の中、一滴の汗も流さずに只々、思考に耽るのは、彼女の技能が理由でもあろう。
少女は己の力で周囲の気温を低くしているのだ。
なので、秋口の様な涼やかな空気を身に纏っていて、熱いと感じることがない。
だから、人々が涼を求めて足早に歩くこの町の中、のんびりとして居られるのである。
「お菓子も……捨てがたいですわね。」
甘いものは、女の子のたしなみ。
でも、本も気になるのだ、魔術師として。
その両方をかなえてくれるようなお店はあっただろうか――――?
■竜胆 > 「―――――。」
思い、当たらない。それはそうである、本とは大事な物であり、知識の継続に必要な道具。
そんな大事なものを汚してしまうような食べ物と同時に扱う店などはありはしない。
高級品なのである、書物と言うものは得てして。
なので、どちらかを選ばないといけなくなるわけで、それを考えて、少女は軽くうなることにする。
どちらがいいかしら、と。
甘いもの食べて幸せも覚えたいし、新しい本を見て、快楽を感じたい。
ああもう、悩ましいわね。
心の中で少女は呟き。
そして、決めることにする。
「少し歩いていれば、いい案が出るかも。」
それは、見事な後回し思考。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > 街頭に照らされる、ピンクのひらひらしたワンピース
人懐こそうな顔立ちの少年は、富裕地区のブティックで見つけたそれを着て、ご機嫌で跳ね回っていた。 傍目には可愛い女の子だが、単純に可愛いもの、きれいなものが好きなだけである
これを着てれば、知ってる皆は褒めてくれるかな、なんて考えながらくるり、くるり、ひらひらとスカートをはためかせて街路をあるく。
ふと、気配を感じて目を向けた。
じぃ、と、好奇心に満ちた猫のような目つきで竜胆を見つめる
人とも天使とも魔族とも違う、でも強い気高い気配は好奇心をくすぐる。
とたたっと、竜胆の方へと誘われるように、一直線に向かう。目があっても、間近にくるまでは足は止めない
「こんにちはっ♪」
にこー、と笑顔で挨拶してみよう。人懐っこい元気な笑顔で手を上げて、挨拶
■竜胆 > ベンチに座って、さて立ち上がろうか、と周囲を見回す。
夜も遅くなってきているせいか、周囲に歩く人の流れが変わっているのがみえてくる。
貴族や、金持ちそうな男は、肌も露な女性を連れて回り、其処彼処で、高級娼婦が客を待つ。
それだけではなくて、金に飽かせて平民を陰で組み敷いている役人らしき存在も見えるのだ。
「――――?」
そして、そんな夜の街に場違いな光を目撃する。
光、と言うのは正しい表現ではないだろう、竜眼には、そう映っただけと言うのだから。
強力な、魔力の塊と言うべきか、魔法生物と言うべきか。
―――angelと言う種族だったか、この辺では、あまり見ない存在だ。―――
正直、見るのが初めてすぎて、それが本物なのかどうかも疑わしくなる。
そもそも、存在していたのか、と言うレベルで見たことないのだ。
魔導書などにはよくよく存在は仄めかされて、白魔術の触媒として存在している事を思い出してしまう。
それが、此方に向かい近づいてくるのが見えたのだ。
疲れたのかしら、幻覚魔法でもうけたのかしら。
そんな風にすら考えてしまう。
「――――…………。」
そして、挨拶してきた。
こちらに用があるらしい、その容貌とかから、妹を思い出してしまうのは、無理からぬことか。
「―――何か?」
その、魔力の塊のような存在が、いったい何の要件なのだろう。
警戒を隠す事無く、女は質問をするのだ。
■シャルティア > 元気良さそうな、活発そうな少年は、竜胆の前に来ても笑顔のまま挨拶、じーっと竜胆を見上げて、なにやら嬉しそうな顔で無闇にニコニコしてる。ものすっごく無防備そうな雰囲気
「むー? なんかむすーっとしてる、こんばんはっ!あのねあのね、珍しい気配がおねーちゃんからするの。人間さんでも魔族さんでもないから不思議だな―って」
素直にそう答える。くるくると、飛び跳ねながら竜胆の周囲を回って、竜胆を360度見て
「あはー、なんか違う、すごく強そう!かっくいーし綺麗!」
なんというか、頭がものすごく弱そうな表現だ。まあ幼いゆえに直球ストレートではあるが
「ぼくはシャル!シャルティア♪ おねーちゃんは?」
あい、と手を出してみる。握手、と言ってみて