2019/08/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」に竜胆さんが現れました。
■竜胆 > マグメールの富裕地区の一角、街中を歩く一人の少女。
ドレスを身に纏い、しずしずと歩く姿は上流階級の子女を思わせる雰囲気ではあるが、その背中には一対の竜翼が折りたたまれている。
それでも、この界隈では特に反応するような存在はいない、何故ならば、少女はそれなりに長い間この町、この国に居るから、住人も慣れているというのが有るのだ。
何事もないかのように道を進み、少女は通りの傍らにある休憩用のベンチに腰を掛ける。
この暑い中、一切汗をかいていないのだが、近くを寄るものが居ればその理由が判るだろう。
少女の半径3m程の空間は、とてもひんやりしているのである。
真夏の太陽の下とは思えないぐらいに涼しく不快覚えるような蒸し暑さもないのだ。
それは、この少女の能力であり、自分の力をフルに使って心地の良い状況を作り上げているのだった。
そして、何事もないかのように、少女は書物を開き、それを目に通す。
それは、まるで、此処で誰かと約束をしているようにも、見えるだろうか。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」にモリィさんが現れました。
■モリィ > 「あれ? ジャ…………竜胆?」
休職してから暇なもので、持て余した時間をどう使ったものかと悩んだ結果健康のための散歩も兼ねて個人的に街を見回ることにして数日。
日中のこれは却って健康に悪いんじゃないだろうか、と思うほどの猛暑に汗を流しながら、涼めるような日陰を求めて歩いていると知り合いの姿を認めて駆け寄った。
「竜胆、今日は外で読書ですか?」
しばらくぶりの彼女の前に視線の高さを合わせるように屈んで声を掛ける。
■竜胆 > この暑さを意図もせずに本を読んでいた少女は、声をかけられて視線を上げるのだった。
其処に居るのは自分の嫁である警備兵の少女である。
汗まみれになっている彼女を手招くようベンチをポンポンと叩いて見せた。
「ええ、モリィが見当たらなかったし、お仕事かしら、と思ってね。
家に居ても……ね?」
最近は家に居ると煩いのだ。
元から、姉夫婦は年がら年中盛ってるし。
妹は姪たちと遊んでいたりする。
集中したくてもできないわ、と肩をすくめて見せつつ、本を閉じる。
「モリィ、適度な運動は良いと思うけれど、今の時期はあまり外に出ない方がいいと思うわ。」
汗が滲む彼女を眺め、魔術で中空から、水と氷でできたコップを作り出して。
飲むといいわ、と差し出すのだ。
■モリィ > 「お仕事は休職中ですよ。新婚ですし……」
なんて言うのは少し恥ずかしいけれど。
なるほど。あのお屋敷では落ち着かないというのもあるだろう。自分も住まわせて貰うようになって、なんとなく分かる気がする。
それにしてもこんなに暑い中でも涼しい顔で陽の下にいる彼女は、妻の贔屓目を差し引いても絵になるもので見惚れてしまう。
「そうなんですけど、それこそじっとしていても落ち着かなくて。動ける内に運動しておかなきゃ」
招かれるまま彼女の隣に腰掛けて、ハンカチで汗を拭い水を受け取る。
こくりこくりと白い喉を動かして水を嚥下すれば、その冷たさと美味しさに思わず笑顔になってしまった。
「あー、生き返りますね。ありがとう竜胆、とっても助かりました」
■竜胆 > 「あら、じゃあ、もっとイチャイチャしないと。」
恥ずかしそうにしている彼女に対して少女は軽く笑って見せる、冗談交じりでは有るのだけれども。
自分を見つめる彼女の視線に気が付けば、ぱちり、と片眼をつむって見せて。
「それなら、それで良いのだとは思うけれど、なら……ちゃんと水分補給とか、しなさいね?」
隣に腰を掛ければ、周囲の気温がぐっと下がるのが判るだろう。
快適な気温にしてあり、太陽の光からの熱も遮断してある、この場所だけ、秋口のような涼しさなのであった。
水を飲む彼女、その様子を眺めてから、本を閉じて少女は本をドレスの中にしまい込む。
「モリィだけの体ではないのだから、ね。
さて、この後モリィは何をするつもりなの?
私は特にやることもなかったしプラプラしてただけだけれども。
これからデートにでも行く?」
可愛らしく笑う彼女、目を細めていい子良い子、と思わず頭を撫でて見せて。
そして、今現在何も考えてないけどどうしましょうか、と問いかけるのだった
■モリィ > 「そうですねぇ、せっかくのお休みですし、もっと……」
ひんやりと涼やかな彼女に寄って、そっと肩をくっつけて微笑む。
彼女のウィンクに心臓が跳ねるのは惚れた弱みだろう。
「思ったより暑くて持ってきたお水は飲んでしまったんですよ」
ポーチから空になった瓶を出して揺らし、中身がないと示す。
ちょっと散歩のつもりで財布も持ってこなかったので追加を買うことも出来ず、此処で彼女に出会えたのは本当に幸運だったと思う。
彼女が魔法で作ったのだろう涼しい空間と、よく冷えた水のおかげで火照った身体もだいぶクールダウンした。
「……はは、そうですね。私だけの身体ではないですから気をつけないと」
窘められると苦笑して、氷のグラスを置いて視線を下に落とす。本当に気をつけないと。
「うーん、このまま散歩……と思っていましたけど、竜胆に会えましたしそれじゃもったいないですよねぇ」
頭を撫でられて恥ずかしいような嬉しいような。
でも嫌ではないので大人しく頭を預ける。こういう時間も心地よい。
「デート、行きます?」
私も彼女も特にこれという用事が無いなら、それも良いかも知れない。
■竜胆 > 「ええ、もっともっと、いちゃいちゃしてもいいと思うのよ?」
寄り添う彼女を抱き寄せて、その額にキスを落として見せる。
顔を赤くしている姿を見て、可愛い、と小さく笑って見せて。
「そういう時は無理しないで、戻りなさいな。
ここで倒れたら、介抱するふりして犯すような男だっているのだから。」
もう、と半眼で見据えてから少女は瓶に手を当てる。
こぽこぽこぽ、と冷たい水が瓶の中に。
能力で、空気中の水分を冷やして、水を作り上げたのだった。
「ええ、行きましょうか。
まず、モリィはお腹はすいてるかしら?
すいて無いなら、どこかの劇団で歌劇でもみましょうか。」
氷のグラスをえい、と蹴って、その辺の茂みに、そのうち解けて水になるだろう。
便利な使い捨て容器であった。
■モリィ > 「私は竜胆みたいには……」
彼女みたいに積極的には行けないなあ、と少し肩を落とす。
もっとこちらからぐいぐいと行けたら良いのだけれど、退き気味の性格というものが少し恨めしいのだ。
なんて気を落としているところへのキス。
街中でのそれに恥ずかしさで思考が止まってしまったのは、むしろ良かったのかも知れない。
「はは、私をなんて凄い趣味ですよね……」
休職中とはいえ衛兵の格好をした、見た目にも決して美女ではない女を敢えて狙う男が居るのだろうか。
ともあれ、伴侶に心配させるのは本望ではないので気をつけよう。
「本当に魔法って便利ですよね……」
あっという間に水に満たされた瓶をポーチに戻してぺこりと頭を下げる。
夫婦といえどお礼は大事。優しい伴侶の思いやりに感謝を示した。
「ちょっと食欲は……今はいいかな。歌劇ですか、実は見たこと無いんですよね。竜胆はよく観るんです?」
立ち上がった彼女に続いて立つ。
ひんやりと心地よい竜胆の腕を取って、ならばせめてデートらしくと腕を組む。
■竜胆 > 「私の様になる必要はないわ?だって、モリィはモリィだもの。
モリィの思うがままにすればいいだけの話よ?」
別に、積極的になればいいというわけではないのだ、自分とは違うのは当然だ、其処に良い悪いなどはないのだ、と少女は伝えよう。
お淑やかと言うものが良いと言う人もいるのだから。
つまりは、得手不得手と言う所だと、少女は思うのだった。
「あらぁ?それは、貴女に求愛して、嫁にした私も、『凄い趣味』と、言うのかしらぁ?」
美女だけが、女ではないと思う。
衛兵の格好をした女に欲情する男だっていると思う。
少なくとも、彼女には彼女の魅力が有るのは確かで、その魅力に惹かれたのは間違いないのだから。
「あら?これは魔法ではないわ。」
頭を下げる彼女に軽く言う、魔法のように見えるが、魔力は一切使っていない。
とは言え、彼女にはわからない事だったか、と言うか、能力を伝えたことあったかしら、と首を傾げるのだ。
後で伝えようと思った、理由は外だから。
「いいえ?でも、どこでどんな演目をしているかぐらいは知っているの。
せっかくだし、暑さを忘れたいし、愉しいものを見に行きましょう。」
腕を絡めて返し、腰に手を回して抱き寄せる。
じゃあ、こっちに、と少女は歩いていく。
目的地は大きな建物で、有名な楽団であり、演目は確か楽しいものを今は行っているはずだ。
とことこ、と彼女を連れて、チケットを二枚買い、入っていくのだ。
■モリィ > 「それでも、私だってもう少し貴女に積極的にアプローチしたいと思わないわけじゃないんですよ?」
もう少し積極性があれば、もっと自分からぐいぐいと行けたかもしれない。
見目麗しいわけではないので、あとは内面の勝負……と分かっていても、その内面をアピール出来ないのが自分自身情けないと思ってしまうのだ。
「……そ、そういうわけじゃないですよ? でも、その…………ありがとう、竜胆」
竜胆の審美眼を疑うわけじゃない。
……いや、多少見境なさげな気はしなくもないけれど。
でも彼女に娶ってもらった自分の容姿をあまり下げるのは彼女への侮辱かも知れない。気をつけよう。
「……魔法じゃない? え、でも今……ううん?」
どうなんだろう。彼女に嘘を吐く理由は無いけれど、素人目には魔法にしか見えなかった。
ただ彼女が説明しないということは、説明できない理由があるのだろう。
「全然そういうのを知らないっていうのは貴女の妻として不勉強ですよね……ええ、楽しいものがあればそれで。なるべく穏やかなのがいいなあ」
身体をぴったりとくっつけて、見る人全てに夫婦と分かるようないちゃいちゃムードを漂わせて劇場に入ってゆく。
並んで席についたなら、肘置きの上でそっと手を重ねたりするのだ。