2019/05/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2/屋敷裏口」にカインさんが現れました。
カイン > とある貴族の屋敷の裏門。富裕層の集う地区の一角にしては小さめの路地に面した場所に陣取るその場所に、
短めの槍を片手に腰に剣を履いた大柄な男が突っ立っている。
門を跨いだ先から聞こえるのは、宴も闌といった様子の喧騒である。
それを横目に見ながらだらしなく突いた槍に寄りかかれば自然と嘆息が漏れる。

「全く、ここに居るのは結構なリスクなんだがなあ。
 弱みを握られてるってのは困りもんだな」

その屋敷の持ち主の貴族とは随分古い付き合いになる。貧民地区の娼館にお忍びで来ていたのを、
悪さして叩きのめしてできた縁だがあれよあれよと口車に乗せられて偶に護衛を引き受ける間柄だ。
今日は大事な賓客が訪れるとかで駆り出されたのだが…

「魔族を徹底的に排斥唱えてる様な連中を呼ぶ宴に俺を使うなよ、っと。
 別にバレる要素はないとは言えバレたら面倒臭いことこの上ない」

ぼやいて視線を表通りに向けると賓客として迎えられていた一部の騎士達が去っていく所である。
直接の知り合いに心当たりはないが、かと言ってリスクも冒す必要もないと裏手に回ってきたのがつい先程。
賓客の案内に笑顔を振りまく必要のなくなったことに安堵の息を吐きながら体を伸ばす。
傍から見ると完全に衛兵がサボって気を抜いている図である。

カイン > 「しかしこの手の正装ってのは動きにくくていけないな。
 騎士とかはこんな格好が常で良く戦えるもんだ」

元より甲冑を身にまとっての戦い方などが元来性に合わない手合である。
自分の豪奢な、言い換えれば余計な飾りのついた衣装を見下ろした後、
遠目に見える恐らく護衛だろう甲冑姿の騎士の姿を遠く見送りながら不思議そうな声が漏れる。
勿論町中で見る騎士達が常にその様な格好ではないのはよく知っているのだが。

「このに衣装引っ掛けて賊を取り逃がしたなんて笑い話があったら、
 クレーム入れてやる。…そろそろ終わりじゃあるようだが」

気がつけば宴の音もかなり遠く、客足が去っていくのが裏門からも気配でわかる。
メインの賓客がいの一番に帰った後は好きに離れていいと言われて居る以上、
もう仕事としては終わって居るのだがこのまま根城に戻るのも何となく憚られ手持ち無沙汰の様子で衛兵を続け。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2/屋敷裏口」にミユさんが現れました。
ミユ > (ミユは自慢の瞬足全開で平民地区へ繋がる裏通りを走っていた…腰にはこの地区の空き巣で収穫した金品財宝が詰まった腰袋…時に走り、時に隠れて衛兵を避け、次の角を曲がれば平民地区へすぐに到着するだろうところで、一人の護衛兵の姿を見る…戻って別の角を曲がるか…それともそのまま突っ切ろうか…ミユは迷わず護衛兵の前を横切ろうと突っ走っていった…)
カイン > 「ふあ…しかし困ったな、こうも暇だと色々と訛ってしまいそうなんだが」

そうは言いながらも油断なく視線を向けるのは表門の方である。
まかり間違って騎士でもやってこようものならば、
一波乱どころの話ではないのが目に見えている。
こんな所でやりあうのは当然極力避けたいと、ばつが悪そうな表情で息を吐いた所で聞こえた足音。
次いで人影の様子をざっとすれ違いざまにざっと見分して片眼をつむり。

「ん?…おい、嬢ちゃん。そこで止まりな」

どうしたものかとの思案の後に、少女が少し自分の前を通り過ぎた所で声をかけた。
この周辺には似つかわしくない少女の姿、はさておいても荷物から明らかに少女の持つモノではないだろう物品の気配を感じては、
面白そう…もとい、仕事熱心な衛兵としては声をかけずにはいられない所である。

「嬢ちゃんの持ってるモノ、どこら辺で仕入れてきたんだ?」

ニンマリと意地の悪い笑みを混ぜた表情を浮かべながら問いを投げて見せる。
少女が盗品を手にしていると判断した理由はそう多くない。
挙動と走る少女から聞こえた音、そして物の動く気配。これだけだ。
半ば確信、しかし半ば鎌賭けといった体で少女の様子を興味深そうに見やり。

ミユ > 「なんだっ…!」
(護衛兵をやり過ごせた…と思った直後、護衛兵からの声が聞こえ、足取りが止まってしまう…とっさにダガーに手をかける…このままやり合うか…逃げようか思案する。しかし、ダガーでやり合えばすぐに衛兵がかけつけるだろうか…ミユの頬を冷や汗が垂れる…)
「かんけーないだろ!」
(護衛兵の次の言葉に、そう言い放つと咄嗟に煙玉に手をかける…)

カイン > 「そうだな、俺の警護してる屋敷から盗まれたわけでもなさそうだし、
 俺はやとわれの身の上でね。別に騎士様とか衛視とかって訳でもない。
 …関係ない、という事はそんなわけがない、とは言わないんだな」

少女の言葉にあっさりと自分の境遇を明かし、手にした槍の石突を地面に置いて肩をすくめて見せる。
否定はしなかった少女の様子に少しだけ笑いながらも腰に伸びた手に視線を向け。

「ま、俺としては別に見逃してもいいと思ってる。
 その対価としてとりあえず暇してるんでな、話に付き合え。
 つかまりそうだったら俺が話を合わせてやるよ」

悪い話じゃなかろう、と冗談めかして笑って見せながら反応をうかがいがてらあいた手をひらひら振って見せ。

ミユ > 「…!?」
(ミユは護衛兵の反応に戸惑いを感じる…今まではこの境遇ならば捕まっている所だ…迷うミユに陽気に笑いを見せる衛兵…ミユはそれでいいならと…両手に構えたダガーと煙玉を懐に収める…訝しげな顔をみせながら、衛兵の前まで歩いて行き…)
「つ…付き合うのは解った…話してみろよ」
(と…その場に座り込んだのであった…)

カイン > 「…そこで座り込むのはやめた方がいいぞー、とは言っておく。
 ま、俺が言う事っていうよりもお前さんの話が聞きたい、ってのが正しいわな」

いざというときに逃げるのが遅れる、と座り込んだ相手を横目に見て笑いながら茶化した後、
相手の言葉には顎に手を当てながらそう言い返す。

「何でまたこんな所で盗みを?やるなら、もうちょっと面倒ごとがない場所はいくらでもあるだろうに。
 あ、とりあえず名前だな。俺はカイン、傭兵だ。お前さんは?」

それこそ捕まったら命がない……処か死ぬよりもひどい目にあいかねない場所がここである。
人間の命などなんとも思ってないような貴族も偶にいるのだから始末に負えない。
その辺りがどうにも気になっていた様子でまず切り出したのはそこだった。

ミユ > (傭兵の言葉に慌てた様子で立ち上がり…お尻についた埃を両手でポンポンとはらう…)

「私はミユ…見ての通りの盗賊さ…確かに面倒ごとがない場所もあるにはあるんだけど…
 ちょっと平民地区は入り辛くなってさ…ここまで足を運んで見た…ってトコ」
(ミユはそのまま視線を逸らす…ミユは逃げたい一心を抑えながら…すこし睨んだ表情で問いに応えた…)

カイン > 「そりゃあまた、ご愁傷様。何かしくじりでもしたかい?」

軽い調子で笑い飛ばして言い返すと、睨まれればひょいと手を挙げて何も持ってないことをアピールして見せる。
最も、片手に槍を持ってる状態でそれをしてもどこまで信用されるかは怪しいが。
かといってそれを離すわけにもいかないのが雇われの辛い所である。

「それだと逃げ込むのは貧民地区のあたりかね。あのあたりは俺も普段根城にしてるが、
 もっとろくでもないのが少なからずいるからなあ」

どこに行っても物騒なのが困りものだと他人事のように告げて顎に手を当て。

「俺もこの仕事が終わったらそっちに行くんでな、何だったら護衛でもしてやろうか?」

ふと何か思い至った様子でそんなことを問いかけて見せる。
どうにも意地の悪い笑みは浮かべたままなのでからかうような調子が抜けないが。

ミユ > 「ん~しくじったわけじゃないんだけどさ…」
(ボリボリと頭をかく… その弾みで深くかぶったフードが後ろへと…露骨に顔を晒してしまった…)
「まあ~なんていうか…空き巣に入りすぎちゃって警戒が厳しくなっちゃったってトコかな」
(平民地区で何度も衛兵に追いかけられる情景を思い出し…焦ってフードを被り直すと、ばつの悪そうな表情を浮かべながら傭兵の問いに答え…)

「私は貧民地区に住んでる…盗賊が護衛されるとか恥ずかしすぎる…!」
(ぷいっと顔を背けると、腕を組み…少し怒った声で答えて…)

カイン > 「そりゃあご愁傷様。そういう時は、一定間隔で別の町に行くのが良いぜ。
 この辺りだと仮宿にするならダイラス何かが狙い目だな、あっちはあっちでやりすぎるとこっち以上に怖いが」

何事も節度が大事だと説きながら、方策の具体例まで挙げて見せるあたり、
本当にこの男は衛兵には向いていないようだ。
もっとも雇い主もそんなことは先刻承知ではあろうが。
そうして晒された顔の様子に何となく合点が言った様子で肩を竦め。

「正体隠しながらってんならま、なおのこと面倒ごとが多いわな。
 何言ってんだ、盗賊だから使えるモンは何でも使った方がいいと思うぞ?情報も暴力も、全部使ってなんぼってもんだろ?
 ……何というか、初々しいなミユは」

それが金か、それ以外の方法で買えるなら安いものと軽い調子で言い放つ。
少し楽しげにそんなことを笑ってのべて見せれば、ふと遠くで騒々しい足音が聞こえてくるのを感じて片目を瞑り。

「そうだな、っと。丁度おあつらえ向きな状態みたいだから、一つ交渉と行こうじゃないか。
 遠くの足音は多分アレお前さん追いかけてるんだと思うが、俺はお前さんを匿える。
 この屋敷の主とは古い付き合いでな、お前さん匿うくらいは訳がない。
 この誘い、受けるなら安全確実にお前さんは貧民地区に帰れるぜ。
 もちろん信じる信じないはお前さん次第。
 かなり危ないかもしれないが、このまま逃げるってのも当然選択肢としてありだろうな」

ここでの立ち話の時間で、当然地区の入口は固められてるだろうと睨んでの提案である。
そこで一度話を切って、少女の方に視線を向け。

「対価は……そうだな、金に困ってるわけでもなし。
 俺がお前さんを口説く権利ってのはどうだ?
 もちろん口説くだけで、その先を受けるかどうかはお前さん次第だが」

次いで、口に出したのは完全にセクハラじみた単語であった。
少女の反応を楽しんでいるのがバレバレである。

ミユ > (カインの声にもう一度目を向けるとコクコクと頷きながらも話を聞いている…しかし、盗賊としてはまだ駆け出しレベルである事を思い知らされる。確かにまだ盗賊歴は浅い。地理も王都くらいしか知らないし、ましてやその他の地域などは行った事もない。)
「ん…」
(ミユは神経を周りに集中させると、既に逃げ場がないことが分かる。カインの提案に少し考える仕草をするも、考えるだけ意味がないと感じ、提案を頷いて受け入れる。)

カイン > 「ほとぼり覚ますってのはやり方を覚えた方がいいな。
 後は盗賊稼業暫く休業して堅気の仕事をする、とかな」

一番それが手っ取り早いと笑って言い放って見せながら、
少女の頷く様子に少しだけ驚いた表情を浮かべて見せる。
少しは拒否感を示すと思ったが至極あっさりだった当たり、根性が座ってると笑い飛ばし。

「ハッハ、思ったよりも肝が据わってるな。いいぜ、気に入った。
 それじゃあとりあえず、契約成立だ。宜しくな、ミユ」

改めて名前を呼んで手を差し出してニヤりと笑い。

ミユ > 「堅気の仕事なんてできるわけないしさ…!だって元奴隷だもん…」
(手を握り返しながら、そう答える。顔が知れると屋敷の主人に捕まる事も告げて…契約成立の声に少し頬を赤らめるあたりこの稼業がむいていないのかもしれない…)

(カインの提案を受け入れると…屋敷の裏口へと入って身を隠したのであった…)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2/屋敷裏口」からミユさんが去りました。
カイン > 「そこはまあ、蛇の道は蛇ってやつでな」

貧民地区なら色々あるぞと喉を鳴らしながら言い放つ。
そのまま、相手の様子を見ればほほえましいものを見るような目を軽く向けながら、
手を握って身をひるがえす。そのまま二人がどうなったのかは二人のみの知るところとなるだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2/屋敷裏口」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」にミユさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からミユさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」にミユさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からミユさんが去りました。