2019/05/07 のログ
セイン=ディバン > 「ははははは、まぁ、ほどほどにしておこう。
 近所から迷惑だ、という訴えがあっても困る」

慰めるような相手の言葉に、男はケラケラと笑う。
なるほど確かに。自分が趣味として楽しむのは問題が無さそうだ。

「この国でそういう仕事しながら、生き抜いてんだ。
 まだまだ若い、っていってもエアは侮れないって証拠だな。
 まぁ、俺の場合他の選択肢が無かったから」

冒険者でもやらなければ食っていけなかっただけの話。
男は相手のことを改めて一人前の情報屋として認め。
居住まいを正す。

「俺なんかは逆だけどな。
 ヘタな情報つかまされたくないから、高めに払う。
 それで俺をカモってくるようなヤツなら……」

相手が代金を受け取ったのを確認しつつ、にやり、と笑う。
無論、相手がそういうタイプでないというのは理解した上で、だ。
もしかすると、相手の仕事上男の恐ろしさが広まって仕事がやりやすくなるかもしれない、なんて思惑はある。

「ははは、まぁ、褒め言葉として受け取っておくよ。
 最近は冒険者の質も様々だからなぁ。毎年下らない理由でくたばるヤツも多いし……。
 とはいっても、俺はこういうのは向きだからな。何せ。
 多数を罠にハメるのが大好きでね」

相手にそう得意気に宣言した男だが、そこで男は相手の姿を見て。
少し苦々しい表情になり。

「あぁ、関係ないけど、忠告しておく。
 犬のミレーのメイドと、猫のミレーの隻腕メイドには気をつけな。
 エアみたいな可愛い男の子をパクッ、と食べちゃう趣味があるからな」

まぁ、ウチのメイドなんですけどね、とはいわぬ男。

エア > 「ご近所トラブルは大変やからなーー……」

子供故に普通にうるさいって言われることもあった。あった。今は流石にありません。

「ふふふー。がんばってますっ!
でも。その道をばーんって通ってこれて今までおるんやから
お兄さんはすごい人やと思う」

世辞とかじゃなく。判断を誤ればあっという間にあの世行きの冒険者で、ちゃんと生きてこれている。
多めの料金をほいと寄越せるくらいに、力を持って。

「うんうん。そこは結構わかれるんよねー……
怪しまれへんように、がっつりガッチリな情報をご提供!
誰かだまくらかして生きていこーなんて、ろくな死に方せぇへんよー」

結局のところ、自分が制御できる情報は客に渡すまで。
客に渡した後、その情報をもとに口伝てで自分の事が横に広がっていた場合、誰かをハメて稼ごうなんて考えなら即破滅。
自分はそう考えている。
なお、顧客の情報は一切他所にもらさないタイプなので、本当に「あれな」人の場合は個人的に暗殺を雇うかもしれない、とか考えている。将来的に。

「ん。すごいなーって思ってる!大変なことやってきた人は、すごいよ。やっぱり。
そんで、結果今は得意分野もできて、80程度ならなんてことない。そんな感じやもん。
すごいよっ」

自分には出来ないこと。自分が戦闘能力を持つのは、頭に血が上った時くらいだから。
多数を手玉に取るような、冒険小説の軍師のような戦いはどういうものなんだろうって、ちょっときになる。知らず目が爛々している。

「んえ? 犬ミレーと猫ミレーのおねえさん……?
お、おおおお……お、男の子なら嬉しいって思う所かもしれへんけど内容がわからへんからこわい…!
気をつけます!」

お年頃であり、そういうトラブルは大歓迎なようでいて
気をつけろと言われてしまってはちょっとだけブルっときているのだ。惜しい。

セイン=ディバン > 「あぁ、本当にな」

タダでさえ男の家はかなり奇抜、というか。
面白い来客が多いので。そこは気をつけないといけない。

「ははは、エアのセールストークはそんな感じなのか?
 褒められて悪い気は、当然しないけどな?」

中堅所の冒険者としては、あまり褒められるとむず痒い。
とはいえ男としても、生き延びてきた自負も無いではないのだが。

「ははははは、本当になんていうか。
 商魂逞しい、っていうか。
 あらら、耳が痛いかもな。俺も善人ではないから」

相手の言葉に笑う男。
しかして、男とて言葉どおり、善人ではない。
人を騙したりすることも無いではないので。
その辺りは、バツが悪そうである。

「いやいや、褒めすぎだって。
 まぁ、そうさなぁ。もしもこの仕事が上手くいったら。
 礼も兼ねて、色々話とかしてもいいかもな」

微妙にテレながら言う男であったが。
相手の続いての反応には苦笑する。

「はははははははははは。
 文字通り、というかなんというか?
 性的に食べられちゃう、って話だよ。
 さて、情報は貰ったし、俺は帰るとしようかな」

戸惑う相手にはっきりと告げながら、男はベンチから立ち上がる。
案外、こうして知り合った縁が繋がり、本当にこの相手がメイドに食べられちゃうかもしれないが。
それはまた、別の話、であろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からセイン=ディバンさんが去りました。
エア > 「にゃー、言うても、この国で『完全にええ人』ってそうそうおれへんわけですし?
お兄さんみたいにお仕事をちゃんとお話できる人でもええ人やとおもいますよ?」

そう。こうしてちゃんと話せる相手で、契約できる相手であれば、少なくとも悪人ではないのだろう。

「わっ、それはすっごい嬉しいかも!
いっぱいお話聞きたいです!上手く行ったらなんか聞かせてくださいねっ!」

これは嬉しい。純粋に嬉しい。ああ、楽しみなことができた。
人とのつながりは、だから面白いんだ。

「ほああああああ。えっちく食べられるんや!楽しみにして果たしてええんやろうかっ!
成功と無事をいのってまーす!
がんばってくださいねっ!」

えっちなのは嬉しいけど、痛くされたらどうしよう、なんて心配をしながら
お兄さんの背中へ手を振るチビ助である。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からエアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」にハーティリアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」からハーティリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」にカインさんが現れました。
カイン > とある貴族の屋敷の裏門。富裕層の集う地区の一角にしては小さめの路地に面した場所に陣取るその場所に、
短めの槍を片手に腰に剣を履いた大柄な男が突っ立っている。
門を跨いだ先から聞こえるのは、宴も闌といった様子の喧騒である。
それを横目に見ながらだらしなく突いた槍に寄りかかれば自然と嘆息が漏れる。

「全く、ここに居るのは結構なリスクなんだがなあ。
 弱みを握られてるってのは困りもんだな」

その屋敷の持ち主の貴族とは随分古い付き合いになる。貧民地区の娼館にお忍びで来ていたのを、
悪さして叩きのめしてできた縁だがあれよあれよと口車に乗せられて偶に護衛を引き受ける間柄だ。
今日は大事な賓客が訪れるとかで駆り出されたのだが…

「魔族を徹底的に排斥唱えてる様な連中を呼ぶ宴に俺を使うなよ、っと。
 別にバレる要素はないとは言えバレたら面倒臭いことこの上ない」

ぼやいて視線を表通りに向けると賓客として迎えられていた一部の騎士達が去っていく所である。
直接の知り合いに心当たりはないが、かと言ってリスクも冒す必要もないと裏手に回ってきたのがつい先程。
賓客の案内に笑顔を振りまく必要のなくなったことに安堵の息を吐きながら体を伸ばす。
傍から見ると完全に衛兵がサボって気を抜いている図である。

カイン > 「しかしこの手の正装ってのは動きにくくていけないな。
 騎士とかはこんな格好が常で良く戦えるもんだ」

元より甲冑を身にまとっての戦い方などが元来性に合わない手合である。
自分の豪奢な、言い換えれば余計な飾りのついた衣装を見下ろした後、
遠目に見える恐らく護衛だろう甲冑姿の騎士の姿を遠く見送りながら不思議そうな声が漏れる。
勿論町中で見る騎士達が常にその様な格好ではないのはよく知っているのだが。

「このに衣装引っ掛けて賊を取り逃がしたなんて笑い話があったら、
 クレーム入れてやる。…そろそろ終わりじゃあるようだが」

気がつけば宴の音もかなり遠く、客足が去っていくのが裏門からも気配でわかる。
メインの賓客がいの一番に帰った後は好きに離れていいと言われて居る以上、
もう仕事としては終わって居るのだがこのまま根城に戻るのも何となく憚られ手持ち無沙汰の様子で衛兵を続け。