2019/02/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区繁華街」にイスラさんが現れました。
イスラ > 「 っと。失礼――」

(すれ違い際、対向する人影とぶつかりそうになり。一声掛ければ身体を逸らしてすり抜ける。

この辺りは夜半であっても、通行人の途絶える事が無い。
寧ろ夜遅くなってからこそが本番。そう言わんばかり。
魔導の灯りに煌々と照らされた屋台が並び、香ばしい湯気が漂っている。
静かで落ち着いた喫茶店と、騒々しい流行りの音楽を奏で続けるバーとが。不思議と両立し。
噴水を背に芸を披露する若者も居れば、それを尻目に愛を語らう男女の姿もちらほらと。

誰も彼も、眠るには未だ早いのだろう。娘も、同じく。
寧ろ昼間、嫌いな授業をサボった時間を、午睡に当てていたせいで。どうしても目が冴えている。
そして。まだ屋敷には帰りたくない。
今夜は本家筋の者達ばかりが集まり語らっている。妾の子はどうしても、肩身が狭くならざるを得ないのだ。
とっとと逃げ出した後ではあるが、想像するだけでも…気が重い。
首を振り、彼等にどう表されているやら、という想像を追い払えば。改めて、喧噪の中を歩き出す。
何でも良い。面白くて、時間が潰れる、そんな物を探す為)

イスラ > (そして同時に。良からぬ物が多々散見されるのも。
夜には眠る、という当然の摂理を放棄した界隈ならば。恐らくは当然と。

着飾った若い娘達が、姦しいおしゃべりに花を咲かす傍らを。
首輪に繋がれ綱で引かれる奴隷の娘が、俯いて通り過ぎる。
山野の遺跡からの掘り出し物をうたう、実に怪しい露天の隣は。
逆に最新最先端を売り文句に、卑猥な玩具を並べている。

その上で。肌も露わな奴隷や、露骨極まる性具等にも。
当たり前の光景と受け容れ、取り立てて反応する事もない人々が行き交うかと思えば。
彼等に見られる可能性に、興奮でも覚えるのか。
噴水広場の男女はベンチに腰掛ける侭、密かに互いの肌を探り合う。
正負が混沌と入り混じる、国家の縮図。…国民が住まう場なら、当然なのだろう。

見ている分にも、それはそれで面白いが。同じ阿呆なら何とやら、参加したいのも当然だ。
取り敢えず。一つの屋台、その前で足を止めれば…)