2019/01/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 図書館」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 王都の中でも、五本の指に入るであろう大図書館。
広い敷地にもかかわらず、本棚の数は膨大で、本棚と本棚の間は、人が二人やっと通れるレベル。
所々に椅子が置かれているのは、そこで座って本を読むためでも勿論あるが、それ以上に広い敷地で本を探すのに疲れてしまった人用というのもあるのだろう。

そんな中、闘牛士服の男が居るのは、魔導書のコーナー。
魔法に関連する者しか使用者が居ないため、普段から殆ど人が居ない場所だ。
手持ち袋を持って、その中に本を入れていく。

「えーと、『元素魔術概論』『概念魔術入門』『実用魔術とその理論』……」

ある程度本を入れた後、近くのベンチに座って、手提げ袋から本を取り出し読む。
どうやら、今日はかなり長時間、この場所で本を読むつもりのようだ。

クレス・ローベルク > 何故、こんなに魔術系の本を読むのかと言えば、勿論魔術師対策である。
前々から研究はしているのだが、やはり"魔術"のジャンルは幅広い。
前にとある女性錬金術師から魔術対策を教えてもらったが、それだけでは足りない。

「魔術師対策の本とか、あんまりないからなあ。
王都の衛兵とかは、そういう訓練を受けててもおかしくないんだけど」

とはいえ、流石に宮仕えをする気にはならない。
宮仕えとなれば、どうしても生まれた家との因縁が問題になってくる。
尤も、そもそも宮仕えをするコネもないのだが。

「それにしても、陰気な場所だよなあ……」

床が絨毯張りだったり、照明が魔石によるシャンデリアだったりで、内装自体は豪華なのだが。
日の光が入らず、照明自体もやや薄暗いため、少々不気味であすらある。

「まあ、明るすぎるとそれはそれで本を読みにくいから良いんだけど……」

クレス・ローベルク > それから暫く、男はページを捲り続けた……
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 図書館」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > ざくりと、湿った泥を掻き出す音。
思いそれを放り捨てるような音が続けば、少年は顔をあげる。
跳ねた泥で頬を汚した少年は何をしているかと言えば…ドブさらい。
当然ボランティアではなく依頼だ。冒険者のお仕事だ。
冒険者とは一体何なのかと問いたくなるような依頼であるが、金持ちになればなるほど冒険者のことを便利屋と勘違いしているということは
この街に来てから嫌という程学んだわけなのだが…
彼らのたちの悪いところは、こういう汚らしい仕事に関しては金払いが異常にいい。
それほどまでにやりたくないのだ。主が主なら使用人も使用人なのだが
こちらからの依頼となると、現実を知ってる分報酬がしょぼくなる。まったくもって割に合わない。

「ちくしょ…こんなこたぁ…冒険者の仕事じゃっ…!」

金に釣られた自分が言う言葉ではない。それが一番わかっている。
水に濡れ、赤く染まった指先は、感覚が鈍くなってるくせにやたらとじんじんと痛む。
さっさと終わらせて温まりたいところだ。

ブレイド > はぁっと吐く息は白く、空からはチラホラと雪が舞う。
雪を見ると、少しばかり嫌なことを思い出す。
嫌なことというか…辛いこと?いや、悲しいこと…なんと言えばいいのか。
異国から連れてこられたという女性。民を守るために身を捧げたという少女のような女性…。
どうすることもできなかったことを思い出して複雑な気持ちになってしまう。

「はぁ……冬は、やな季節になっちまったな」

少し渋い顔をしてから、また視線を落とす。
この街を表すかのようなドブ泥をすくい上げる仕事に。
この国にはびこる汚泥のような連中をスコップひとすくいで綺麗にできればどんなに楽か。
だんだんこの国のあり方に慣れてきている自分がそういうことを思う資格もあまりないかもしれないが。

「…雪、ねぇ」

小ぶりならいいが、ぼたん雪になってくればちんたらやってなどいられない。
雪が積もって仕事にならなくなる。急がなくては。

ブレイド > しかし、思った以上に冷え込む。
手はかじかんできているし、体も小さく震えが…。
少し温まりたいところだが…休憩などしているところに依頼人関係者がきたりしたら目も当てられない。
奴らは、雇った人間が仕事を中断するのを死ぬほど嫌う。
状況はどうあれ仕事をしなければ金を渋る。まったくもって不釣り合い。
報酬がよくても、昼近くまで残ってた張り紙はやはり待遇が違う。

「あー、ちくしょ…」

温かいスープでものみたいところだが…この汚泥にまみれた姿では
仕事を終えたとしても入れてくれるような飲食店はないだろう。
とてつもなく面倒だ。
やはり終わったらひとっ風呂浴びてダラダラと休むべきか。