2018/10/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にレイン・レジネスさんが現れました。
レイン・レジネス > 人肌が恋しい夜――というものがある。
普段は怠惰の性が故、遠くまで出歩くことをしない女ではあるが、
この夜は少し気まぐれを起こして、普段よりつかないような酒場まで出向いた。

夜分遅くとも、酒場は人で賑わっている。
その賑わいは猥雑な性を伴ってはいるが、しかし貧困地区程の性急さは無い。
貴族を気取る男や女が、優雅に相手を見つけては、二階へ上がるか外へ連れだって行くか――そういう場だ。

「強めの何か、一杯。……あ、樽の香りが強くない奴で」

大雑把な注文だけして、店の隅の席につく。
一夜の慰めの出会いでも――と期待するように、店内を時折、ちらと盗み見ながら。

レイン・レジネス > 運ばれて来た酒を呷り、一呼吸。
周囲の席の、親しげに言葉を交わし合う者、或いは身を寄せ合う者を眺める。
彼らの閨は暖かいのだろうと思えば、羨むような溜息が零れる。

「……もう一杯、お願い」

運ばれて来た二杯目を、くうっ、と。
独り者の寂しさと共に飲み干した。

レイン・レジネス > その内に――眠気が来る。
強い酒を、普段より早いペースで飲んでいれば、そういうこともあろう。
夜明け近くまで居座るつもりで居たが、既に視界は揺れている。

「マスター、お会計を……あと、二階貸して……」

誰かを連れ込むのでなく、純粋に泊まる為に二階を使う客は珍しい。
そんな風に言われながらも鍵を受け取って、女は二階へ上がって行く……。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からレイン・レジネスさんが去りました。