2018/07/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 舞踏会」に空木さんが現れました。
空木 >  曰く、雲の上の人たちは下界が見えないそうだ。
 しかしこれは場にそぐわぬかと女は一人酒を嗜んでいた。
 いつものごとく宛もなく仕事を探していたところ、とあるつてから護衛の仕事を頼まれた。給金は弾む、お前のような女ならなどと口説き落とされたのがきっと悪かった。
 サアいざ行かんと赴いてみれば奴隷を囲んで男たちが腰を振ってるわ、異常な臭気を漂わすタバコとは名ばかりの何かを吸っているわ、とにかく特権階級の裏を煮詰めたような会であった。
 果たしてこれが世に言う仮面舞踏会と同意義の会なのだろうか。

「………ふむ、酒は、美味しいようでございますね」

 護衛の身で勝手に酒を嗜むなど許されるはずがない。
 なんのこともあらん。勝手に拝借して、こっそりと飲んでいただけだった。
 女は酒池肉林阿鼻叫喚の舞踏会を眺めつつ、場にそぐわぬふるぼけた外套姿に申し訳程度の仮面をかぶって佇んでいた。

ご案内:「王都マグメール 舞踏会」にアリルネージュさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 舞踏会」にエズラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 舞踏会」からエズラさんが去りました。
アリルネージュ > 女性の奴隷の傍、踊り子はその女性に身体を絡みつかせていた。
その体勢のまま、ゆっくり、ぼそぼそと耳元で囁く。
甘い吐息が耳に触れるたび、女性の目は潤んでいき…。

「さぁ…心を開いて?」

とん、と男性達の元に背を押してやる。
複数名の男性に囲まれ、女性はすぐに見えなくなってしまった。
ふふ、と小さく笑う。
踊り子のまた、別の男性から肩に手をかけられるが…。
抱き合い、また耳元に甘く囁いてあげ、別の女性へと視線を向けてやる。
そうすれば、男は踊り子を忘れたようにその女性へとふらふら近寄っていった。

そうして踊り子はまだ自分の身体を汚す事なく、情交の宴を加速させていく。
そうしながらふと、場から離れて酒をたしなんでいる女性を見かける。
興味をそそられ、ゆったりと近づいていく。
気配やヒールの音。それで感知はされるだろう。

空木 >  舞踏会が聞いてあきれる。
 もっとも、呆れ返って帰るほど枯れてはいない。
 目が見えない故に詳細に何をしているかまではわかりかねるが、粘つく体液の音、絡み合う吐息、むせ返る性臭とくれば状況はわかる。
 その舞踏会を盛り上げる為にいるのか、踊り子らしき人物がふらついていた。
 舞うように人に寄っては、その人を高ぶらせて放免する。音が多すぎる故にその姿はまるで影のように思考に写っていた。

「あぁ、魔族、の類でございますか……全く、最近はこのような魔族とよくめぐり合うようで……」

 自分も分類によっては魔族であろう癖に、自分のことを棚に上げてそう語る。
 酒を飲む為に仮面をずらし、一口。
 そうこうしているうちに人物が極めて近い間合いに入っているだろう。

「わたくしは踊りの類は苦手でございますので……」

 これをしている。器をかかげてふてぶてしく。

アリルネージュ > 自分が近寄っても殊更に驚いたり、避けたりという素振りはない。
ふてぶてしくグラスを掲げて見せる始末。
踊り子が招かれた体を思えば、この女性も発情させてあげるべきなのだろうが…。
あえてそうはしなかった。今はまだ、かもしれないが。

「ふふ、いいのではないかしら。今日の名目は酒宴ですものね。」

甘い声。その声で囁かれたら、と想像をかきたてるかもしれない。
ちらりといよいよ盛り上がる舞踏会という名の乱交を横目に、
踊り子はこの離れた位置に座っている女性に興味をそそられていた。

「…踊りは苦手、という事だけど…貴女は『あっち』の方は嫌い? 混ざらないのかしら。」

まだ目が見えていない事には気づいていない。
ただ、そこにいる風変わりな女性と思って声をかけている様子。

空木 >  あっという間にグラスの中身が空になってしまった。
 流石に酒に何かが入っているということはなかったようだが、強い酒だったようで全身がかっかと熱い。
 舞踏会という名目の乱交パーティーから聞こえてくる嬌声がくわんくわんと耳に反響するようだった。

「“名目上は”といったところでございますか。高貴な身分の方々とは大層高等な趣味をお持ちのようで」

 などとその高等な風景に空のグラスで乾杯のしぐさをしてみせる。
 女は足を組みかえると、相手の質問にふむんとのどを鳴らした。人差し指を立ててゆらゆらと動かす。

「すきか、きらい、で言うならばそうでございますね、気持ちのよいことが嫌いなものがおりますでしょうか、と……」

 断定はしないが、断定できるものいいだった。
 空のグラスを置くと、別のグラスを机の上から強奪する。なにやら飲みかけだが構うまい。
 もう仮面をかぶっていても意味などなかろうと、無遠慮にも仮面を脱ぎ光のない瞳で宙を探す。
 相手がいるであろう方角に目を向け、新しいグラスを掲げた。

「乾杯。逆に問いかけますが、あなた様は“あっち”には混ざらないのでございますか?」

アリルネージュ > 女を酔わせ、自分達も酔う為の酒だ。
それは強くもあるだろう。自分はあまり酔えた事はないのだが。
皮肉げな物言いに、くすっと思わず笑ってしまう。

「えぇ、その様子。私もこういうお仕事で呼ばれましたしね…。」

乾杯の仕草。
しかし、何に乾杯したのやら、と言ったところ。貴族の腐り加減だろうか、と考える。
踊り子とて、腹の中ではあまり貴族達を良く思っていない様子。
所詮はビジネス、といった所なのだろう。

「あら。てっきり嫌いだから混ざらないのかと思っていましたけど。」

仮面を外した女性の顔はなかなかに美しい。
けれど、その瞳を見て、あら、と呟いた。

「貴女、目が。」

しかし、目が見えていなくても自分の事はわかっている様子。
こちらへと掲げられるグラスに、ふふ、と小さく笑った。
手近なワイングラスを手に取り、掲げられたグラスにチンと音を立て合わせて見せる。

「乾杯。食指をそそられれば混ざりますが。
……今は貴女の方が興味深いですわね?」

わずかに身を寄せてみる。甘い声、甘い体臭。反応はどうだろうか。

空木 > 「なに、目暗も悪いことではございません。
 目を閉じているほうが見えることもあります故に」

 この腐った宴会に乾杯。その先では快楽に酔わされた奴隷が犬のような鳴き声をあげながら穿たれている様が写りこんでいる。
 何の酒か、構うものかと一気に飲み干す。恐ろしく強い蒸留酒だった。若干咽ながらもしかし嚥下してみせる。

「雰囲気というものもありますので……げすな連中に肌を晒すのもそれはそれでそそりますが……」

 好きか嫌いかはっきりしない言い方だった。
 相手が身を寄せてくる。体格としてはこちらが長身か。得物は。などと戦闘に傾く頭を酔わせる鈴のような声色。
 抵抗しようと思えばできた。女はしなかった。あえて身を任せる。

「生憎目が利きませんので、踊りは見えませんが……。
 その声には興味を惹かれますね」

 椅子から腰を上げると、相手が聞こえる方角に手を伸ばす。
 まるで火に惹かれる蛾の如しだった。

アリルネージュ > 「なるほど。…まるで武人のような。」

踊り子は目の前の女性が達人である事には気づいてはいない。
なので、ような、という表現になってしまう。
しかし、乾杯した酒を飲み干せば強い酒だった様子。
傍にあったチェイサーを差し出してみようか。

「ふふ。まぁそれは確かに。せっかくの交わり、獣に退行してしまうのも無粋、という事ですわね。」

そして、女性が手を伸ばしてくる。
伸ばされた繊手を、そっと絡めとるように手で包み込めば身体をさらに寄せる。
ほぼ密着するような体勢で、耳元に唇を近づけていくだろう。
そうしながら、女性の繊手を自らの身体に導いて。

「ふふ、大丈夫…声が聞こえれば十分。
ほら…触ってみて? 貴女の頭の中で、ゆっくりとくねる身体を…。」

甘い声は、想像を掻き立てる。
触感で認識させ、声で想像を煽っていく。

空木 > 「獣のように三日三晩交わるというのも、よいとは思いますが……しかしあまり回数を重ねて慣れては面白みが」

 くどくどとああでもないこうでもないと言葉を並べる女。強すぎる酒を相手が差し出した器の中身で口から流す。
 手を声に従って差し出してみると、柔らかな手に包まれた。
 武人のようにかさかさとした皮の分厚い手ではなく、艶やかな赤子のようなきれいな手だった。
 ぴったりと密着した姿勢をとると、相手の声が間近に聞こえてくる。
 耳をまるで目のように使う女にとって、音を介して流れ込んでくる囁き声は媚薬そのものでしかなかった。

「……なにやら、不思議な感覚が……」

 女の手がたわわな胸元に埋まる。そして、自然と抱き合うような姿勢へと変化していく。
 耳元で鳴る踊り子の声に全身の肌という肌が波打ち、総毛だった。

「はぁ、ぅ………」

 もたれかかるような姿勢のまま、女の吐息がかかるたびにぴくんと肢体を窄ませていた。

アリルネージュ > 「我を忘れる程、夢中になれば気にならないという事もありますわ…。
ふふ…さぁ、その感覚だけを感じてみて…?」

踊り子の衣装はほとんど身体を隠していない。
武人の繊手は、柔らかな胸元にうずまっている。
しっとりとした肌の感触。やわらかな乳房。それが指の一本一本に吸いつくように。
ぴく、ぴく、と身体を震わせる姿に気を良くしたのか…。

「はぁぁぁ…。」

甘く熱い吐息を耳元にかける。
そして、フリーの両手はゆっくりと女性の上着の中を目指していく…。
入り込めば、着物の合わせを探り当て、その中にゆっくりと侵入していくだろう。

「踊る…踊る…貴女の頭の中で…私が…。とってもいやらしく…淫らに貴女を誘っているわ…。
感じるままに…私にゆだねてみて…?」

その声は甘く。
たやすく男女を狂わせたのがわかるくらいには思考に絡みつくような声。
導くように。誘うように。声に、愛撫に、身体を預けるように囁きかけていくだろう。

空木 >  息を使うということは吸って吐くことだ。密着していればそれが如実にわかるというもの。
 地に落とした針の音さえ感知する繊細な耳は、踊り子の女が発する淫らな息遣いを残さず聞いていた。

「~~っ……っ、ひあ」

 吐きかかる吐息に耳が犯されていく。
 同時に理性の糸がふつりと切れて自分が奈落へと落ちていくような感覚も覚えた。
 かくんと足が折れてもたれかかりかけたが、かろうじてこらえる。文字通りの酔っ払いのように。
 女の上着は簡素な作りだった。ただかぶっているだけだからだ。着物も同じく、布を合わせて帯で締めているだけだった。
 故に踊り子の蔓のように細い指はたやすく侵入することができた。

「ぅ………う、っ」

 脳裏に浮かび上がるは、布地の少ない淫らな装束を纏った一人の美しい女だった。
 肢体をくねらせ、誘うように腰を揺らす。匂いたつような肌の色合いがよく映えて……。

「っは……はぁ……体が熱く……」

 女は知らずのうちに、踊り子の肢体にしがみつくようにして、表情をとろんと蕩けさせていた。
 声が耳にかかる度、全身がのたうった。

アリルネージュ > 「ふふ…大丈夫。とっても気持ちよくしてあげるから…。」

堕とした女性と同じようになっていくのを踊り子は見つめている。
蕩けるような甘い声が、発情を促す事をよく知っている。自分の事だから当然だ。
しかし、踊り子は他の女のようにこの女性を男に差し出す事はしなかった。
場に流されない意志、美しい容姿。
ぜひとも自分で交わりたい、と思っている。

「いやらしい踊りでしょう…? 胸?股間?…どこを見ても、もう目は釘付け…。
ふふ、とてもいい顔…。可愛らしいわ。」

目が見えなくても頭は働く。
目が離せないという事は、つまり思考が、妄想が止まらないという事。
同時にさわ、さわ。入り込んだ指先が、胸元をまさぐる。
ゆっくり、やわらかく。時折、胸の先端を軽く。
他愛無い愛撫。しかし、眠っている性感に訴え、感度を引き上げていくように。

「ふふ…それでいいの。もっと甘えて…。」

身体を預けてくる女性を受け止め、柔らかい胸元に顔を埋めさせる。
安心感を与えると同時に、深い胸の谷間から匂い立つ、甘い香りをかがせるために。

空木 >  頭の中がどろどろに溶けていく感覚に陥っていた。
 ただでさえ敏感な耳元から侵入してくる声を阻む手段などありはしない。
 脳裏で激しく、淫らに、緩急つけて乱舞する女性の姿に釘付けになっていた。
 まるで行為をするように腰を揺らしたかと思えば、瀕死の白鳥のように緩やかに舞ってみせる。
 そして妄想している相手が自分のすぐそばにいるということが、気分を余計に高ぶらせた。

「はぁっ………ッん」

 下着の内側に入り込んできた指が既につんと硬さを増している突起を触る。
 じわり、じわりと内側を燃やすように、じらしながら愛撫されていくと、己自身もまるで踊るように腰がひくついてしまう。

「ぅぅ……いい、においが………っあ……はぁぁぁ……」

 柔らかな胸元に顔を埋める。急速に力を失っていく足を支えるがごとく。
 甘いココナツとも桃とも付かぬ魔性の香りが本能を燻らせる。

「っん……抑えが利きませぬ……」

 知らず、自分自身で外套を落とし、帯を緩め始めていて。

空木 > 【中断します】
ご案内:「王都マグメール 舞踏会」から空木さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 舞踏会」からアリルネージュさんが去りました。