2017/08/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/某公爵邸近辺」にリュシーさんが現れました。
リュシー > い、――― ッ、たい、痛いって、首、首締まってる、っ……!

(なんとなく、こうなるだろうな、と思ってはいた。
いた、けれども、ほんの少しだけ、ほんとうに少しだけ、期待をしていたのだ。
外見が、どころか性別すら違ってしまっていても、誰かひとりぐらい、
「お坊ちゃま」だと気づいてくれるのでは、などと。
なんといってもここは、己が生まれて育った家なのだし。

しかし。
そろりと庭先へ入りこんだところで、首根っこを掴まれてこのざまである。
迷いこんだ野良猫でももう少し優しくしてもらえそうな、
なんとも素っ気ない扱いで屋敷の前の通りへと放り出され、
ぺしゃりと石畳の上へ尻もちをついて、ほんのり涙目になりながら振り返る。
己を放り出した庭師の男は、もう、生け垣の向こうへ歩み去ろうとしていた。)

……いたた、……たく、あいつうぅ……、
さては、あいつの娘にちょこっとチューしたの、根に持ってるな……?

(思い切り打ちつけた尻の辺りを押さえてよろよろ立ち上がりつつ、
恨めしげに低い声で呟いた。
過去のろくでもない行状のひとつを思い出せば、あの庭師の反応は、
己をそうと知った上でのものだとしてもおかしくない気がして。

なるほど、これが因果応報というものか。
―――それにしても痛かった、なんて、お尻をもうひと撫でし)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/某公爵邸近辺」にジードさんが現れました。
ジード > 何かさわが――おや。
いやあ、お嬢ちゃん何かお困りごとかい?
悪戯で忍び込んで放り出されたというのならあまり力にはなれないかもしれないけどね。

(この近くに住む貴族との商談を終えた帰り道。
 騒動が一つ起きていると思った瞬間、目の前で放り出される人影が目に入る。
 かなり高位の貴族の家らしい佇まいを一瞥した後に放り出された少女の風体に興味を惹かれて、
 横合いから声をかける。最も、周囲には余りに似つかわしくない
 風体は有体に言って怪しいと思われても致し方ないものだが)

リュシー > ―――ち、がぁあうッ、てば……!

(確かに忍びこもうとして放り出されたけれど、決して悪戯ではない。
そんな思いをこめて勢い良く振り返った先、相手の姿を視界に捉えるや、
すう、と、胡乱げに双眸がすがめられて)

……いちおう、聞いとくけど。
悪戯で忍びこんだんだったら力になれない、としたら、
どんな時なら力になれる、と思ってるのかな。

(ものすごく怪しい、と思っていることは、きっと表情からも、眼差しからも、
若干腰が引け気味になっている立ち姿からも明らかだろう。
―――だって、絶対この人、ご近所さんではないと思うのだ。)

ジード > アッハッハ、まあそういう反応になるよね。
風体はさておき、この辺の子かい?

(最初から家出娘か何かだろうとあたりを付けていたようで、
 ある程度反応は良そうしていた様子。貧民地区ならさておき、
 平民地区か富裕地区の住民ならば見かけない顔という反応は当然である。自分でもそうする。
 そこで逃げ出さない程度にキモが座っている少女をどこか楽し気に見据え)

そうだな。例えば、戻るに戻れないで手持ちがないなんて言うなら夕飯を奢ってあげる程度は出来るけど。
後は安物でよければアクセサリーとか薬とか?…流石に香辛料はちょっとね。
丁度戻る所なんで他所の地区に行くなら一緒にどうだいって所だね。

(自分の商品を指折って列挙しつつ、相手の質問に答えて反応を伺う。
 この当たりでは宿を探すのも大変だろうという、相手の身の上を
 知らぬが故のいらぬ気遣いも混ざった発言ではあるのだが)

リュシー > (やたらとほがらかな笑い声が往来に響くが、対する己は渋面のまま。
この辺の子か、と問われると、ますます深く眉根を寄せながら)

……「この辺」の子、じゃ、ないよ。

(むしろこの、目の前の家の子なんです、と、喚き散らせたらどんなに良いか。

相手に己がどう見えているのかは知る由もないが、少なくとも、
融通できるもの、としてアクセサリーを持ち出すあたり、
やはり交渉相手が女の子だと、信じて疑っていないに違いなく。
ここ最近の諸々で、ようやく芽生えた警戒心を尖らせつつ、
慎重に口をひらいて―――)

……なにか、企んでたりしない?

(考えているかと思えば、返す言葉がこれである。
率直過ぎる質問に、企んでいる相手ならきっと、ハイ企んでますとは答えない。
つまりは意味のない質問なのだが、頭の片隅でカタカタと算盤を弾いている己は、
その無意味さに気づいていなかった。
最悪、ご飯をご馳走になったところで、するりと逃げれば良いか、などと)

ジード > おやまあ、当てが外れたね。それはすまない。

(少々意外そうな顔をしながらも謝りはするものの、
 何か事情持ちだろう程度にしか考えない。目の前の家の子供とは
 いくらなんでも予想外にも程があった。
 慎重を期すように考え込んでの結果だろう、少しの間が相手の問いかけ。
 思わず顎に手をやって男の方も考える所作を見せた)

そりゃあ下心はあるさ、例えばこの後の帰り道と
食事が一人だと味気ないから連れ合いがほしいとかね。
ああ、後は一人寝が寂しいから同衾相手がほしいとか?

(前者は軽く何でもないように、後者は冗談めかした調子で投げかける。
 ある程度正直なのは男の商人という身の上故だろう。
 最低限食事に関してはそれ以上はないといった点を強調しつつ、
 少女の様子を正面から見据えて楽しげに笑い)

リュシー > ……あて、って、どういう意味?

(己が「この辺の子」だったら、なにか別の思惑でもあるのだろうか。
訝しげに首を傾げて問い返すものの、とりあえずは先に放った問いへの、
彼からの返答を聞こう、と。)

……それは確かに、ご飯は一人で食べるより、誰か一緒のほう、が、
――――― は?

(うっかり納得顔で頷きそうになって、後半部分でぎくりと強張る。
くっと顎を反らして、己より随分高い位置にある彼の顔を睨みつけながら)

……ぼくは、ごはん、食べたら帰るからね。

(たっぷり逡巡する間をあけて、ひと言ずつ、はっきりと、
誤解や曲解の入る余地がないように。
―――ご飯が美味しくなかったら承知しない、などと難しい顔で付け加えつつ、
彼のほうへ一歩、距離を削ろうと)

ジード > 何、運が良ければ親御さんとお知り合いになれるかって下心もついでにあっただけさ。
こんなナリだけど商人だからね、顔というのは幾ら広くても損にならない。

(全く悪びれもせずに言い放つところは正に商人らしいと言えばらしい姿。
 逆に言うとそれ以上の目算は特別ない様子ではある)

同意してもらって何よりだ、それじゃあお嬢さん。名前を聞いてもいいかい?
俺はジードという露天商だ、普段は貧民地区のあたりを根城にしてるけどね。どうぞ宜しく。

(どこかで礼儀作法は学んでいるのだろう、風体に似合わずしっかりとした一礼を取ってから右手を差し出す。
 しかし続いた注文と言葉に思わず吹き出しそうになるのを堪えつつ頷く。
 裏を返せば食事するまで帰らないというのに等しい宣言だなと思いはしつつも口には出さず一歩前に踏み出し)

了解。何というか、あんまり口説かれるのになれてないね?

リュシー > (彼の返答を聞けば、今度こそ、なるほど、と頷くことができた。
たしかに自宅にも昔から、何人も商人が出入りしていたし、
娘に親切にして、親の懐へ入りこもうという考え方は理解できる。
―――だからといって、いま、己の父を紹介しようとはしないけれど。)

そう、……それは、残念だったね。

――――― 名前、って……

(差し出された手と、頭を下げる存外綺麗な仕草に、軽く目を瞠りつつ。
空を仰ぎ、石畳を睨み、溜め息をひとつ吐いてから、ようやく、小さな右手を差し出して)

……リュシー。ぼくは、リュシーだよ。

(本名ではなく通り名を口にしたのは、単にこの外見に合わせようとしたからだ。
ぎこちなくも、口許だけを微かに緩ませようとしたのだが―――
最後のひと言が耳に届くと、わずかに頬を赤らめながら顰め面をつくり)

うるっさいな、……言っとくけど、口説かれたつもりはないからね?
ご飯食べたらすぐ、ごちそーさま、さよーなら、するからね?!

ジード > 残念って程でもないさ、この先可愛いお嬢さんと暫し一緒に居られるわけだし。
俺としてはそっちの方が大事といわば大事だね。

(それこそ最初から興味をひかれたから声をかけた以上の話はないのだから、
 どうという程の事もない。笑い飛ばして返しながらも少女の名乗りの空白にきょとんとした表情を浮かべつつも、
 差し出された手を取って軽くそれを上下させ)

宜しく、リュシー。…んー?そう思ってもらえてないってのは、
アプローチが足りないって事だな。なるほどなるほ、どっと。

(表情が良い方ではない物の目まぐるしく変わる少女の様子がどうにも楽しく感じ、
 余計なひと言を付け加え続ける完全に苛めっ子の考えである。
 握った手を絡め取る様にして少女の華奢な体を己の胸元に引き寄せて顔を覗き込んでしまおうと力を籠める。
 首尾よく体を抱き込めれば軽く背筋から臀部にかけてゆっくりと手を這わせて、
 愛撫するかのように臀部を揉み上げるおまけ付きである。とはいえ暴れられればあっさりと手を離すだろうが)

その気にさせられなかったらもちろん追いかけるつもりはないさ。

リュシー > ―――いやいやいや。商人が、それじゃダメでしょう。

(モノにできるかわからない女よりも、やはり商人なら金ではないのか。
苦労して金を稼いだこともない身が、偉そうにそんなことを言ってみる。

差し出した手が男の大きな掌に包まれ、上下に揺すられる。
当然、次の瞬間には離してもらえると思っていたのに―――引き寄せられて、
小柄な身体は容易くバランスを崩し、男の胸元へ飛びこんでしまうことに。)

ぅわ、―――――ッ……!!

…… な、…なっ、……なにし、ッ……!!

(ぼふ、と勢い良く彼の懐へ埋めてしまった顔を、慌てて持ち上げて視線を交わす。
しかしそのころにはもう、背中へまわされた手が、先刻したたかに打ちつけたお尻を、
じわりと揉みしだきにかかっていた。
熱く痺れるような感覚が背筋を駆け上ったのは、きっと、尻もちをついた所為だ。
断じて、断じて、気持ち良かったから、なんてことはない、と主張したい。
びくん、と強張らせた身体を、一拍おいて懸命に捩り、くねらせ、
両手を彼の胸元へついて、身をもぎ離そうとしながら)

しん、…信じられない、変態、痴漢、い、きなり、そんなところ触る!?

その気になんか絶対ならない、ならないったらならない、から、
アプローチとか、要らないから!!

(あっさり手が離れるなら、あらためて飛び退るように、彼とは距離をとろう。
やっぱり、ご飯を食べたら脱兎の勢いで離れるのが正解だ、と、
ひそかに決意しつつ―――彼とは一定の距離を保つまま、
女の子、にしてはやや大股に歩き出そうと)

もう、抱きつくのも手を握るのも禁止!
半径1メートル以内、近づいたら蹴るからね!

(そうまでして、なぜご飯だけは一緒に行こうと思うのか。
頭のゆるい娘だと思われても、弁解の余地もないだろう。
己としてはもう、ここまで来たら意地でも、この男の財布を
思い切り軽くしてやりたい一心なのだけれど)

ジード > 商人だからこそ、あまりがっつきすぎないのさ。
街一つっての案外狭くてね、あまりやり過ぎるとあっという間に噂が広がる。
そうなったら商売がやりづらくなるのは目に見えてるだろう?

(何事もほどほどに。余程確固たるものが無ければ完全な御用商人というのは避けて通る。
 それが今の男のスタンスだった。そのあたりを気にしない商人やがっついていく商人が多いのもまた確かではあるが。

 そうして会話を交わした間隙を縫って抱きしめた少女の様子は、
 自分の期待通りかそれを上回る反応だった。
 振りほどこうとする力を感じればそれに抗う気はないとばかり、手を離す。
 少女の柔らかな感触が離れるのは少々名残惜しそうではあったが)

アッハッハ――いや、そういう物凄い可愛らしい反応されるからこう、
ツイ苛めたくなるんだけどね、うん。
半径一メートル以内はちょっと食事に差支えるので、
もう少し近くならないかい?ああ。そういえば食事の好みを聞いてなかったな。
その分美味い飯を用意はするからそれで勘弁してもらいたいね。

(最早隠す気も無いようでさらりと少女の反応を見て言い放ちがてら、
 少女の後ろを追いかけるように歩きだす。
 慌てた様子の少女と異なりこちらは平常運転でございと言わんばかりではったが)

リュシー > (商いに対する考え方は、勿論、人それぞれであろう。
そこを議論しようとは思わないし、さほど頭の良いほうでもない。
彼がそう言うなら、そういうものかな、と頷くだけだ。

しかし。
隙をついて抱き締められたり、どこか触られたりしていてはたまらないし、
そこについて、譲歩するつもりはない。
それはそれは爽やかに、あっけらかんとした反応を見せる男を、
ものすごく不審に思っています、という顔で睨みあげながら)

可愛がられるのも、苛められるのも結構です、間に合ってます、
ぜっっったい、1メートル以内はダメ、っ!!

(離れた席でご飯を食べるつもりだろうか、それとも、
1メートル離れられるほど、広いテーブルのある店でご飯をねだる気か。
いずれにせよ、1メートル、と剣呑な表情で繰り返しつつ、
ご飯は美味しいお肉が食べたい、などと、遠慮もなく分厚いお肉をリクエストして。

ざくざくと大きな歩幅で歩いても、互いの足の長さの差ゆえ、
きっと相手にとって追いかけるのは造作もないことなのだろう。
送ってもらっているのだか、こちらが送っているのだか、
といった風情だが、とりあえず自宅の前からはいったん撤退を。
1メートル、の戒めが最後まで守り通せたかどうかは、
二人だけが知ることとして―――――。)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/某公爵邸近辺」からリュシーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/某公爵邸近辺」からジードさんが去りました。