2017/06/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にヴァレリアさんが現れました。
ヴァレリア > 王城から続く大通り、華やかな店が並ぶそこを白いブラウス姿の一見少女のような少年が愉しげな笑顔を浮かべ歩く。
滅多なことでは外に出して貰えない身分故にたまの外出となれば気分が高揚してしまう。
その身分故に顔を知っている者がいるかも知れない。
だから……と侍女が勧めてくれたのは女性用の衣装だった。
最初は不満に思ったものの――

「……うん、悪くない。予って実は可愛い?」

ショーウィンドウに映る自分の姿を眺め、ほんのりと顔を赤らめ、可愛らしく小首を傾げてポーズを付けてみたりと満更でもない様子だった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にブリームさんが現れました。
ブリーム > 町の中で男達とつるんでちょっとした賭けを伴う罰ゲームが命された。『(目についた)あの女の子と一発、そうすれば誰かの勝ち』下世話なものである。
そんな話題は露ほども零さぬ微笑を湛えた口元に目には優しげで婀娜な光を湛えて、少女に思えたその人の真横に並んで少し背を屈め、視線の高さを合わせるようにして最初の挨拶はそっと声をかけ。

「こんばんは。お洒落して良い格好だね?こんな僕でもよかったらデートしてくれないかな」

軟派な言葉を投じて、ヒヨコの帽子飾りがヒョコンと揺れて一緒に頭を下げ。首を傾げてどうかな?と問いかけを。

ヴァレリア > ショーウィンドウの前で可愛らしいポーズをいくつか決めながら自分の姿を楽しむ。
次は帽子なんかもいいかも知れないとつばが広い帽子を被っている自分の姿を妄想なんかもしていると不意に視界に影が差す。
視線を上げるまでもなく顔を覗き込む青年の姿を見つけ、少し驚いたように数歩後ずさる。

「ん?え?あ……。」

お洒落?デート?
投げ掛けられた言葉が自分に対するものだとはすぐには気付かず、周囲をきょろきょろと見回して長い白銀の髪を揺らし、そして、自分以外に近くに誰もいないことを確認し、ようやく目の前の青年が声を掛けたのは間違いなく自分であると気付く。

「あ、えっと……予に言ったの?」

まだ声変わり前の高い声は少女と変わらず、少し困ったように腰の前で両手の指を遊ばせる仕草もまたどこか少女的。

ブリーム > 「君だよ?君しかいないじゃないか。とびきり可愛い、それとももう…誰かと約束を済ませてしまったかい?」

体の前で動かされる指を見て瞬時に目の色が変じ。動くものを寄越されて興味を引かれる猫のような素早さで手を伸ばしてその愛らしい動作をする小さな指をするりととってしまおう。流れる所作で一つの膝をついて心撃たれたかの如く自分の胸の上に手を置き、笑ってみせる。彼女と呼ぶ子の指先を受け手の中に緩く収めて。

「この町では決まりがあってね。女の子は夜になると誰か一人を決めなければいけないんだ。」

すらすらと嘘の口が働いて、この辺りの事を良く知る子でなければと願って片目を閉じればちょっとしたウインクのよう。
春らしい薄着の服装はふわりと、季節外れになりかけているが微風で裾が靡かれて。声が朗々と風に乗り。

ヴァレリア > 「いえ、その、約束とかはないけど……。」

再度可愛いと言われるとみるみる顔が赤く染まっていく。
跪かれ手を取られるとまるでお姫様になったよう。
自然とそんな所作を行える青年に男として敬意を懐きつつ、しかし、まるで本当に女の子になってしまったかのように鼓動が高鳴る。
自分は男……のはずなのにどうしてこんなに胸がドキドキしてしまうのだろう。

「そ、そんなルールがあるの?えっと……。」

男なんだけど…と内心思いつつも向けられたウィンクに恥ずかしそうに視線を逸し、小さく頷いて受け入れた。

ブリーム > 「やった!ありがとう!」

一頻りのシチュエーションが終わりほっと落ち着いた心地で芯からぱっと笑顔があふれ。感謝の言葉を言ってから、自分より随分と小さく思える少女の格好をした子の指先に嬉しそうに口付けて。相手がドキドキしている様子を見せるのは表面に隠しようもなく表れているのでわかった。

「早速だけど―――そこのホ…小さいお屋敷で休憩していこう。夜の町は何かと危険にあふれているからね。」

早速次の行動に移るべく言葉を選びはじめ、間違えてホテルと言おうとしてしまったが何のこともない風に言い直して。自分が危険な人物の一人になりかねないことは黙っておいて。
返事を待つ時間も惜しいらしい様子で手を握り、くいと引いてすぐそこにあるキラキラしたイルミネーションが燈された屋敷に彼を連れて入って行こうと。

ヴァレリア > 「そ、そんなに嬉しいの?」

感情を隠すこと無く喜びを表現してみせる青年の姿に思わず笑みが溢れる。
しかし、強引に手を引かれると一歩つんのめり、驚きに瞳を見開いて、先程から男女が腕を組んで足を踏み入れている屋敷へと連れ込まれる。

「わわ、ちょっと待ってっ!こけちゃうってばっ!」

まだ何もしていないのに休憩?かすかな違和感を感じるものの、圧倒的な経験値不足により貞操の危険を感じ取ることが出来ず、見物人の同情の視線を背中に受けながら扉の奥へと姿を消した。

ブリーム > ずっと後ろで様子を伺っていた男達のニヤついたり項垂れたりするのを、振り返って様子を覗い、扉の中へ入ると涼しい飄々とした表情で親指をつき立てて彼らに見せつけ見送り。何かしらと陰気臭い空気を追い払うようにパパッと扉を締めてしまい。受付で一言二言会話を交わして、彼女の頭上で暗黙の了解ととれる言葉を連ねると、よくルールを知らない者の耳にはさっぱりだろう。
転びそうになる"少女"をゴメンネと言って腰を抱き寄せて、ロビーにある大きなソファの所で膝の上に乗せて。ソファは少し体を移動させると樹木の影となる。
ちょっと趣向を凝らしたホテルは衝立で部屋のように間取りが仕切られ、シチュエーションを楽しめる造りになっている。ちらほらと、物陰で衣擦れやおみ足が覗く。

「ごめんね。さっきは痛くして。気をつけるから許して頂戴。」

優しげな口調で言って、頬にそっと口付け。膝の上で抱きしめながら体をまだ子どもにするように撫でる。