2016/12/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 娼館」にオーギュストさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 娼館」にサロメさんが現れました。
オーギュスト > オーギュストのもとに、冒険者から情報が入った。
サロメが貴族の慰みものになって、ある娼館に捕まっている。

その報告を受けた時、それでもオーギュストは動かなかった。
そこまでは耐えた。一応自制したのだ。
だが。

『サロメがわざと生かされ、第七師団への政治的取引に使われようとしている可能性あり』

この一文を見た時、オーギュストの堪忍袋の緒が切れた。

男はただちに師団の兵達を第一級臨戦態勢――タナール攻略と同じ武装で動員。
この娼館を密かに囲んだ。

サロメ > 比較的華やかな娼館、そんな華やかな光が届かない地下
所謂お得意様だけが楽しめるVIPルーム

その片隅で、サロメは貴族達に囲まれ
文字通り"玩具"にされていた

既に何度も気をやっているのか、光を宿さない瞳がゆらゆらとゆらめき、
壊れた表情でただただ弄ばれる

辺りには使用済みの注射器や道具が散乱する

狂気と嬌喜の入り交じる空間で数人の貴族達が会話を交わす

『成程、この娘が第七師団の』

『良い拾い物だと思ったのですが、曰くつきとは思いませんでしたな』

『あの男が訳あり商品以外を持ってくるワケもありませんが、
 まぁもう壊れているようだ、生きてさえいれば何かには使える』

『まぁ殺さない程度の加減さえすれば良いとあればそれなりの玩具かと』

人を人とも思わない、貴族達の会話は続く

オーギュスト > 師団の兵達は意気軒昂。
何せ、王城まで乗り込んだ事のある連中である。
娼館のひとつやふたつ焼き討ちにした所で、恐れるものなど無い。

「――かかれぇ!」

オーギュストの号令一下、師団の兵がなだれ込む。
護衛達が何事かと慌ててやってくるが、完全武装の師団の敵ではない。

「皆殺しだ! 女子供でも容赦すんな!」
『応!』

サロメ以外、皆殺しにしてかまわないとの命令を受けた兵達は、護衛に向けてライフルを構える。
銃声が響き、護衛たちはあっという間に蜂の巣だ。

第七師団を舐めたらどうなるか。
それを思い知らせ、サロメを取り戻す。
兵達の意識はそれにのみ向けられている。

サロメ > ───騒然

貴族達は突如上から巻き起こった喧騒に慌てふためく
顔面蒼白の家臣が地下に転がり込み状況を説明する

……一つの師団が固まって責めてくるなど、ありえない
ここは戦場でも演習場でもなんでもない
王城のお膝元であり、貴族達が住まう富裕民街なのだ

弄ぶことも忘れられたサロメは壁際に打ち捨てられ、
数人の貴族は慌てて服装を但し、避難用の地下通路へと駆け出してゆく

そして数名の貴族達は、部屋の中で口論を繰り広げる

『どうする、連れて行くべきか?』

『いや、顔が割れるほうがマズい。
 そもそも傭兵崩れのような連中だ、命の保証もない』

『どのみちこの娼館の持ち主はすぐに突き止められるが。
 あの娘を最初に囲ったのはアダンだ、全て奴の所為ということにしてしまえ』

オーギュスト > 護衛はあっという間に壊滅。
師団の兵達は即座に1階の窓を割り、中へと突入する。

娼婦達が悲鳴をあげ命請いをするが、サロメでないと分かった者から撃ち殺され、斬り殺されていく。

第七師団を舐めた者に容赦はしない。
報復は皆殺しのみ。
師団の鉄の掟である。

「――サロメはどこだ!」

逃げ遅れた支配人らしき男の首根っこを捕まえオーギュストが聞く。
支配人は蒼白になりながら階上を指差した。

「――ふん!」

オーギュストは階段を上がる。
後ろで哀れな支配人の断末魔が聞こえるが、振り返りなどしない。

「サロメ!」

扉を乱暴に開け

サロメ > その部屋は閑散としていた
薄暗い中にランプの灯り、それに照らされて壁際によく見知った筈の女が居る

貴族達は逃げ出したらしい
テーブルの上に、フェリサ家の紋章の入った便箋が残されていたのは、
所謂尻尾切り、責任の押しつけ以外の何者でもない工作である
が、師団の人間の興味はそんなところには向かないだろう

「……ぁ、は───♡」

見知った筈の女はまるで見たこともない、壊れた笑みを虚空へ向けて

「おちんちん…♡ もっと、ぉ…欲しい、れす……♡ちんぽぉ……♡♡」

譫言のように口から淫語を零しながら、自慰に耽っていたのだから

オーギュスト > 流石のオーギュストも、その姿を見て愕然とする。
これが、あの誇り高いサロメなのか。

「――サロメ、おい、サロメ!」

肩を揺さぶり、必死に正気に戻そうとする。
その程度ではどうにもならないと、自分でも分かっているのに。

「――っ!」

あの小隊長の言葉がよみがえる。
自分が、もう少しはやく動いていれば……?

「おい、しっかりしろ!」

サロメ >  
「───」

肩を揺らされれば、芯のない人形のようにがくがくとその身が揺らぐ
憔悴しきって尚、快楽に囚われ自慰を続けていたその様子は、正気ではなく

「ください…♡
 なんでも、なんでもします…♡
 だからもっと、もっと───」

犯して───

目の前に人間が誰かもわかっていない
そんな表情のままで、オーギュストへとしなだれかかる

殴打の痣だけでなく、何度も注射を打たれた痕が目立つ
薬物を毎日のように使われていたことは明らかで、その瞳にはもう光は宿っていなかった

オーギュスト > 「…………」

オーギュストは絶句しながらも、そっとサロメを抱き上げる。
とにかく、帰らなければ。
師団に。家族の家に。

「閣下、中の制圧はしゅう、りょ……」

報告に来た情報将校が絶句する。
流石の彼らも、サロメがここまでになっているとは思わなかったのだろう。

「……おい」

将校がびくりと震える。
いけない。これは。

「焼け」

端的に言うと、オーギュストは自ら手近にあったランプを手に取り、カーテンへと投げつける。
火が燃え移り、あたりに焦げ臭さが漂う。

サロメ >  
抱き上げられた後、程なくしてサロメは眠るように気を失った

それはよく知った腕の中で、心知らずの内に得た安堵だったのか、
それともただただ精神的にも肉体的にも限界だっただけなのか

今この場でそれを知るものはいないものの───

今日の出来事に王城の一部の貴族達は震撼することになる


行方不明だった第七師団副将軍
サロメ=D=アクアリアは、一応の帰還となった

救出されたサロメがその壊れ切った心に何を感じているのかは、
眠るようなその表情からは伺い知れないものだった

オーギュスト > 周辺一帯まで火が広がる事も、
ヘタをすれば王都を焼き尽くす程の火勢になったかもしれない事も、
全てがどうでもよかった。

第七師団はオーギュストの命令のまま、館に火を放つ。
結果として隠れていた娼婦たちや、見せしめに生きたまま縛られ放置された貴族たちは苦悶のうちに焼かれ、死ぬ事となる。

オーギュスト・ゴダンは一言も発せず、そのまま師団兵舎へと凱旋する。
師団兵達も高揚はなく、ただ黙然としてオーギュストに付き従う。

娼館一帯は灰燼と化し、天文学的な被害だけが残った。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 娼館」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 娼館」からオーギュストさんが去りました。