2016/11/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にセリアさんが現れました。
セリア > 本日は一人での市内見回りということで、他に団員を連れず気ままに街中を歩き回っていた。
剣すら身につけていない軽装で、端から見ればただの町娘とそう変わらないだろう。
大通りに差し掛かったところで一息つく。

「……今日は、特に問題ないみたいね。……今日"は"だけど」

明日、明後日はわからない。
衛兵もそうそう信用できないようなご時世だ。なればこそ、自分達のような正規の兵士達がしっかりしなければダメだろう、とひとり決意した。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にミスティアさんが現れました。
ミスティア > 「♪~♪~~」

先日王宮楽団が演奏していた曲を正確な音程で鼻歌を歌いながら街を散策する少女が一人。
富裕地区の大通り、様々な高級店の立ち並ぶ商店を見て回っている。

王族の少女である彼女は一応市民に変装してはいるが、護衛というものは付けていない。

「あら、アレは何かしら?」

興味を惹いたものがあれば近づきよく確かめ、そして街の散策を楽しんでいた。

人さらいなどがココにいれば、恰好な獲物であるだろう

セリア > どこからか歌が聞こえる。
その歌声に引き寄せられるように目を向けると、まだ年幼い少女が街を散策している様子を目にした。
付き添う者がいないのかと一旦周囲を見渡し、怪しい者の姿もないことを確認すれば近づいていく。

「……ねぇ。こんなところにひとりでいるのは危ないわ。なるべく遅くならないうちに帰るのよ」

ね、と言い聞かせるような声音。
なるべく厳しい物言いにならないよう言葉を選びながら。

ミスティア > 魔導書の店に立ち寄ろうとした時だ、不意に声をかけられそちらへと振り向く

「大丈夫ですわ、こう見えて自分の身は自分で守れますもの」

そう言ってはにかんで見せ、書店の中へと足を運ぶ

セリアの立場であれば彼女の顔を見覚えがあるかもしれない
先日行方不明になり、すぐにバフートで発見されたカルネテル家の小さな姫の顔を

「魔法の本がいっぱいですわ」

そう言って本を一冊手に取れば、ぱらぱらっと少女は目を通していく

立ち読みと言うか、本をぺらぺらっと高速でめくっていく、そんな遊びを楽しんでいるようにも見える。

セリア > 振り向いた少女の顔は、確かに見覚えがあった。
積み重ねられた書類の一つ、行方不明になりバフートで発見された王女。
驚きに目を瞬かせた後、慌ててもう一度辺りを警戒する。今のところ、人通りはあまり無いようだが。

「あ、あなた……何故こんなところで……」

読める速度とは思えない速さでぱらぱらと本を捲っていく王女を一瞥し、困惑したような声で問うた。

ミスティア > 「えっと……」

どうやら、彼女は自分のことを知っているらしい。

とりあえず、口元に指を近づけて「しぃ~」と静かにするようにのジェスチャーをしてみせる。

「お忍び、お城の中は退屈ですのよ、それと……ここではテケリと呼んでくださいま……テケリって呼んでね?」

ココ数日矯正されたお嬢様喋りを止め、『私』の喋りやすい口調で話す。
そして再び魔導書を、パラパラっと一気に黙読する
ここの書店はあまり珍しいものがないみたいで。

「お姉さんお名前は?」

と名前を聞く、自分は名乗ったのだから、相手の名前も知らないといけない。

セリア > 静かに、のジェスチャーを送られれば一度頷き、書店の中に入る。
お忍びだと聞かされれば大きく肩を落とした。

「……だとしても、警護の者くらいはつけたほうが良いのでは……」

最も、警護がつかない方が良い可能性もないではないが。実際自身も先程は間違えた。
黙読する様子を横目に眺めつつ、自分も適当な本を手にとってぱらぱらと捲る。

「私は…セリア・リジゴール。ライブル旅団という騎士団の団長を務めています」

ミスティア > 「だって、警護の者がいると自由に見て回れないでしょ?」

何を当たり前の事を、と不思議そうな顔をしながら首をかしげる

「大丈夫だよ、あ・の・バフートから無事に帰って来たんだから」

とりあえず、一通り目を通す、どれもお城の書庫で目にした物とそう変わらない
ふと本棚の上を見れば、面白い背表紙の形をした魔導書をみかける
うーんと手を伸ばしてみるが届かない。
踏み台でも無いかと辺りを見るが、子供が来るような書店ではないのだろう、そんなものはなかった。

「セリアちゃんだね、騎士団の団長さんか……じゃあ、帰りの警護はお任せするね」

そう勝手に仕事の依頼をだし、さあ、どうやって本を取るか考える、
腕を伸ばせばいいのだけど、人前でそういう術はやらかさないほうが良いと先日学習したばかりである

セリア > 「それはまぁ、…そうですが」

不思議そうな顔に苦笑浮かべた。
バフートから、という言葉に不承不承ながら頷く。ならば自分が警護を買って出るしかないだろう。

ぱらぱらと隣で本を捲っていれば、何かに目一杯手を伸ばすのが見えて視線を向けた。
どうやら魔導書を取ろうとしているらしい。

「ええ、それはもちろん承りますが……これですか?」

ひょい、と手を伸ばしてお目当ての魔導書を抜き取り、彼女に差し出した。

ミスティア > 手を伸ばしていると本を手にとってもらい、差し出される

「そう、コレ、王宮で見たことのない装丁だったから」

そのまま本を手に取りニマっと笑みを浮かべる
年相応の子供らしい笑みを

「こっそり帰ってもいいんですけど、正門から堂々と戻るのが大事だからね
ミスティア姫はどう監視しても城から抜け出してしまう、早々に諦めてもらえれば自由に遊びに行けるからね」

そう言いながら本を開けようとするが、鍵がかかっているのか開かない
『禁書 多重封印によりこれを封じる』
そう表紙には書かれていた。

「開かない本ねえ」

そう言って本に触れ目をとじる

「セリアちゃん、ちょっとだけ静かにしてね」

そう言うと本はゲル状の液体に一瞬包まれ、そしてすぐに何もなかったかのように元に戻る。
本を見ても何か濡れたような痕跡などはない。

セリア > 「王宮にも無い本なのですね。……禁書、って書いてありますけど」

多重封印がどうとか書いてあった。
相応の魔術でも無い限り開けるのは難しそうだな…と考えている。

「早々諦めそうに無いとは思いますが……まぁ、貴女がそう言うのなら」

何度となく抜け出してしまうとはいえ、身分が身分だ。
王宮の連中はきっとしぶといだろう。ましてあんなことがあったのだし…

「え…はい。―――…っ」

ゲル状の液体が本を包み込む、その一瞬を目にした。
驚いたように目を瞠り、慌てて口を噤む。本を見て、濡れた痕跡もないのを確認してまた驚く。

ミスティア > ほんの一瞬の出来事、本を『私』がつつみ、その中まで浸透し解析をしそれを終える。
本の内容、一字一句逃さぬよう全てを『記憶』する

「あ、コレ戻しておいて」

ゆっくりと目を開ければそのまま本をセリアに手渡す
本を見て行う読書より少々つかれるのが欠点だ

「セリアちゃん、何か甘いもののお店知らない?
 そこで甘いもの食べたらお城に帰るから」

術式の強い封印があったため、少々エネルギーを消耗した
こういう時は甘いものがいい、手軽にエネルギーが回復する

そういって、ミスティア、いやテケリは抱っこをせがむように手を広げる

セリア > その一瞬で何が起きたかなど知りようもなく、ただ呆然としていた。
当の王女は何事もなかったかのように本を己に手渡して、平然としている。

「あ……は、はい。…わかりました…」

手に持っていた本を元あった場所に戻す。
特に変な感触もなく、傷もないようだった。何をしたのか、と考えていると声をかけられて…

「……甘いもの、ですか。それならこの近くにそれらしきものが…」

あった気がする、と告げたところで広げられる手。
少しの間があって、何が言いたいかを悟れば苦笑い浮かべた。
そっと両手を伸ばし、荒っぽくならないように注意しながらテケリの身を抱き上げようと。

ミスティア > テケリの大樹は軽く、騎士団をまとめるセリアなら軽々と持ち上げられるものだろう。
ぎゅっと抱きつけばそのまま目を細める。

「じゃあ、セリアに任せる……テケリお昼寝と夕方の沐浴していないから、甘いもの食べてお城に帰ったら沐浴する」

そのままセリアに体重を預ける、そのまま甘いものを食べ、お城へと帰還することになるだろう。
一応セリアには保護してもらったとのことで、手当が出るはずだが、それはまだ知らぬことで。

セリア > 体重の軽いテケリは、易々と持ち上げることが叶うだろう。

「……そうですか。では早速向かいましょう」

抱っこしつつそのままお店へと移動する。
二人で甘いものを食べ、己の保護という名目で城へと帰還した。
手当については少し微妙な顔をしながら受け取ったというが、それはまた別の話―――

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からミスティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からセリアさんが去りました。