2016/09/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にヴィールさんが現れました。
ヴィール > 家族――というより兄たちと両親――で遠出をするから留守番を頼まれたのはつい昨日のこと。
家に残るのは小間使いと、執事。それと姉。
姉も常に家を留守にしていて、あまり顔をあわせることはない。
身の回りの世話をしてくれる爺の目を盗みさえすれば外を自由に出歩けるので、だいぶ気楽ではあった。

今日もその類。
とある豪邸に差し掛かったところで、確か以前訪れた富豪の邸宅だと気付き背筋が寒くなる。
手を出されてこそいないが、目をつけられているのは確かだ。

「………ったく……」

どうにも貴族の肥えた男達は、そういったコトがお好きらしい。
呆れと軽蔑の入り混じったため息をひとつ、こぼす。

ヴィール > あまり此処にいると目をつけられそうだ。
ぶるりと身を小さく震わせ、歩き出した。

「――もう二度と来ねぇぞ、此処」

ぼそりと呟いた言葉は独り言となって秋空に消える。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からヴィールさんが去りました。