2015/11/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/廃墟」にサタンさんが現れました。
サタン > 大通りより離れた閑静な貴族の住宅街。
昔、この場所にはとある大貴族が自らの繁栄と権力の象徴のような大豪邸を構えて居たのだそうだ。

政争に敗北でもしたのか、確かにあったらしい邸宅は焼け落ち、廃墟と化したこの場所は未だ貴族の呪詛が強く残り、この地は未だ人の手が入らぬ廃墟として放置されている。

そんな場所に一人男は佇み、双眸は閉じたまま咥えた葉巻を燻らしていた。
一陣の風が吹き、男の前には人に擬態した従者の人狼族の男が控えており。

「……ふむ。面倒な事だな。獲物は王城内にいるか。」

否、別に王城の中に入り込む事等造作も無い。
ただ、自らの実益も兼ねた仕事の中で、わざわざ自らがこの国の中入り込んでいる事を、王国の連中に教えてしまうのも面倒だ。
狙うのならば、王城がら出歩いている所を狙うのが楽。

「……もう少し、詳しく奴について探れ。勤務状況、良く行く店、馴染みの女の場所。丸裸にしてやれ。」

そう命じれば、一礼してまた人狼は街の中その身を紛れさせていった。

サタン > 「……しかし、街娘を強姦した挙句に殺して晒し者か。魔族の我が言うのもなんだが、貴族の若造というのも大概よな…。」

僅かに残った廃墟の壁に背を預け、燻らせた葉巻の香りを味わう男はふと呟く。

娘の母親が殺したいほどの憎悪を抱き、噂頼りにある場所に依頼を書き残した。
その結果としてまた一つ、純度の高い感情が手に入るのだから、貴族の騎士にはある意味では感謝なのだが、人の世も中々に乱れていると、寧ろ魔界の方が秩序あるのではないかとさえ思えてしまう。

サタン > 「……そう言えば、竜族の子がもうじき生まれるのだったか。近々領地に戻らねばな…。」

自らの領地を思い返してふと、眷属にまた新しい命が生まれる事を思い出す。
暫く領地に戻って無い故に、きっと政務はたっぷり溜まっている事だろう。
ジ、ジ、ジと葉巻は燃焼の音ともに半分近くが灰へと還り、紫煙が一筋廃墟の中立ち昇っていた。