2015/10/16 のログ
ご案内:「富裕地区/路地裏」にヘレボルスさんが現れました。
■ヘレボルス > (小奇麗な建物の、人ひとりが通れるほどの路地の奥。
野良猫ほどしか通ることのないその場所で、情交に耽る一組の人影。
建物の壁に背を預けたヘレボルスが、貴族と思しき身なりの青年に繰り返し突き上げられていた。
ドレスのスリットから持ち上げた足を、隣の建物の壁へ無造作に引っ掛けた格好。
まるで遠く離れていた恋人同士のように腕を回し、きつく抱き竦め合っている。
密着した身体の間には互いの体温が籠り、触れ合った肌が秋の夜にあっても半ば汗ばんでいた。
屹立したヘレボルスの男根が、身体を突き上げられるたびぐらぐらと揺れ、相手の腹に擦れて、その先端に薄らと雫を滲ませている。
それでいて切れ切れの水音を立てる股座の間からは、女の愛液が止め処なく溢れ、白い腿を伝い落ちていた。
丸みのある女の息遣い、密やかな声が、通りの表に漏れることなく小さく響いている)
■ヘレボルス > (唇を重ね、その隙間から熱っぽい吐息を漏らす。
青年が大きく息を吸い、身震いするのに併せて、その後ろ腰へ掲げていた足を絡める。
背後の壁へぐっと押し付けられて、己の身体を穿つ性器が強く脈打つのを感じる。
その身の内側へ意識を向けるかのよう、青年の肩口へ顔を埋め、高い声を漏らすに任せていた)
「ッ……は、あーー……はあ、…………」
(内股を甘い痺れに震わせながら、ヘレボルスの背がずるずると壁を滑る。
吐き出された精が溢れて零れるのもそのままに、青年の前に縋りつく。
上品な化粧に彩られた潤んだ眼差しが青年を見上げ、上気した頬を垂れ下がった青年の男根に擦り付ける)
■ヘレボルス > 「………………、」
(それからどれほど経ったか、その場にはヘレボルス独りが足を投げ出して座っている。
長く交わった後の生臭い匂いが、空気の中に溶け込んでいる。壁に凭れ、乱れた髪もそのままに、肩で息をしていた)
「……ッぶあーーーーか。怖気づきやがって。
これだから貴族のボンボンはいけ好かねェんだよ……死ねッ」
(先ほどまでの女の息遣いが嘘のように吐き捨てる。
見ればたくし上げたドレスの陰から、未だ熱を保って勃ち上がったままの性器が小さく脈打っている。
女のヘレボルスは地面を体液に汚すほど満足させられたが――『男』の方はといえば、こうして無下に放られてしまったのだった)
「はあ……くそ。面倒くせェ……」
(自らの唾液に濡らした白い手が、脚の間へ伸びる。指を絡め、ゆっくりと上下に扱く。
このヘレボルスという若者に、元来羞恥心とか、自尊心とかいうものはない。
持て余した熱を無理やりに搾り出すかのよう、ひとり路地裏に蹲っている)
ご案内:「富裕地区/路地裏」にティネさんが現れました。
■ティネ > 「わーっ、変態だ、変態だ~」
キンキンとした嘲るような声が路地裏に響く。
声は反響して出処が掴みにくいが……注意して聴けば、
ヘレボルスの近くに落ちた、誰も気に留めないような粗末な小さい木箱から
発せられているのがわかる。
放っておけば、その木箱はひとりでに動き、亀のような速度で
ヘレボルスのもとから離れていくだろう……。
■ヘレボルス > (とろりと蕩けるような顔で自慰に耽っていた手が、突然の声にぴたりと止まる。
扱いていた体液まみれの手で陰茎を握ったまま、じろりと――平素よりは些か覇気のない目で――睨みつける。
その箱がひとりでに動き出すのを見遣って、小さく溜め息。
苦く笑った唇に引いたルージュは、ヘレボルスの疲弊ぶりに反してあかあかと艶めく)
「……………………、」
(徐に四つん這いの姿勢で、地面に手を突き、木箱へ手を伸ばす。
名前さえ知らぬ青年の精液に汚れた足の間に、充血した男根が揺れる。
飛びつくように箱へ手を伸ばし、中身を引っ繰り返す)
「てめえ……この、出歯亀ッ」
■ティネ > ひっくり返ったその箱からは、鼠のような背丈のティネが落ちてくる。
路地裏の地面に転がってけたけたと笑う。
「あ、怒った? 怒った! なんで怒ったの~?
そんな変なカッコで怒ってもこわくないよーだ。
それに別に見たくて見たわけじゃないしー、
キミたちが後から来たわけだしー」
実際のところ、ティネが路地裏でウロウロしていたところに
やって来たのがヘレボルスらの二人であって、
ティネは面倒なことにならないようにただ隠れていただけらしい。
黙って立ち去ることぐらいは簡単だったろうに、
恨みのある相手に対して何か一矢を報いねば気がすまなかったようだ。
自身の感情に逆らうことができないのか、笑い転げている姿はスキだらけである。
■ヘレボルス > (ティネの笑い声にもどこか朦朧として、は、と喉で笑う。
その甲高い笑い声を聞きながら、木箱を投げ捨てる)
「この矮人が……仕返しのつもりか? 乞食みてえな格好してる奴に言われたかねーよ。
またひどい目に遭わされてーのかよッ」
(ヘレボルスとも、先ほどの青年のものともつかない体液に塗れたままの手で、
ティネの小さな身体を引っ掴まんとする。
その拍子に、緩んだ髪が解けてばさりと落ちる。
髪に光が遮られたヘレボルスの顔は、見るからに女だった。
吐き捨てるような声も、荒れた息遣いも、四つん這いで這う腰つきも。
過日に酒場でティネを嬲ったときとは別人のようだった。
黒いネイルに飾られた指先が、ティネの細い首元に絡みつく)
■ティネ > 「だって誰もボクの服なんて仕立ててくれないし。
キミみたいなちぐはぐなもの着てるよりはマシじゃなーい?
ダークエルフなんていいものじゃないよね。このサル!」
べたついた手に握られても勝ち気な表情で罵倒を続けていたが、
指が首に絡むとさすがに咳き込んで一度言葉を止める。
「…………随分と色っぽいカオになってるじゃん。
女の子にされちゃったの? さっきの人に」
長い指を両手でぺちぺちと叩く。
きょとんとした紅い瞳がヘレボルスを見つめた。
■ヘレボルス > 「けッ、ファッションを理解しないネズミめ。
『こいつ』がどんだけお高いか、想像もつくまい?」
(それにしては無下に埃を被ったボレロのファーを、ふわふわと揺らしてみせる。
自分の面差しにティネが不思議そうな顔をするのを見ると、へっ、と笑う。
ヘレボルスの人差し指と中指とがティネの肩口を押さえつけ、親指がするすると腹の上を滑ってゆく。
貫頭衣の裾をたくし上げ、小さな太腿を探ろうとする動き)
「この僕が、誰かに何かにされるなんてことがあると思うか?
僕は僕だ。全部僕。男も女もひっくるめてな」
(息を吐く。晒した白い脚の汚れに、土がこびり付く。
ティネの前に膝を突き、空いている手が再び自らの男根を探る)
「得な身体に産まれ付いたと思ってる」
■ティネ > 「そっちこそこっちの言ってること理解してないよね。
キミに着られてるそのお洋服が可哀想だって言ってんの」
衣服に指が侵入すれば、ひゃ、と声を上げる。
顔を赤くして、入り込んだ指を太腿で挟み込む。
「……得? そういう風に考えるんだ。
まあ確かに、男も女も相手できるもんね。
ボクは逆に、どっちの相手も満足にできやしない。
……こうして、遊ばれるだけで、さ」
毒づく。かすかな、しかし荒い息遣い、途切れがちな言葉。
指の動きに揉まれることに精一杯な様子だった。
「……な、何? また一人遊びでもする気? どーぞご勝手に」
空いた手の動きに気づく。こわばった表情。