2015/10/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にイルミさんが現れました。
イルミ > 「はぁー、もうこんなに暗くなってる……」

きょろきょろと不安げに辺りを見回しつつ、小走りで石畳の上を走っていく。今日はありがたいことに自分の噂を聞いたという偉い貴族の屋敷に招かれた。こんなことは滅多にないと張り切ってしまい、占いだけではなく奇術の類なども見せてサービスしたのだが、そのせいで予定よりも帰る時間がずっと遅くなってしまった。

「早く帰らないと……こんなところにいたら……って、あれ?」

そこまで言って、ふと足を止める。来たときにはこんなところを通った記憶はない……迷った?その事実を実感すると、一気に顔が青くなる。

イルミ > 「いや、いやいやいや、言ってもこの辺の治安は悪くないはずだし、その辺の人に道を聞けばそれで……ひっ!」

そこまで言ったところで、ちょうど近くを通った夜警の衛兵から目をそらしてしまう。ダメだ、やっぱり男性は怖い。自分から声をかけるなんて以っての外!首を傾げる衛兵が通りすぎるまで、しばらくの間ずっと視線を合わさないまま早歩きしていく。

「……はぁーどうしよう、どうやって帰ろう……と、とりあえず真っ直ぐ歩けば王都の外には出られるかな?でもちゃんと入ったところから出ないと今度は外で迷うし……どうしようどうしよう……」

ぶつぶつと呟きながら歩いていく。あてもなく歩くのが道に迷っているときに一番危険ということ、そして得意の占いで自分のことを占えば帰り道が分かるかもしれないということには一向に気付かない。