2023/01/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にサマエルさんが現れました。
サマエル > 【待ち合わせ待機中です】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアルグレーネさんが現れました。
サマエル > 富裕地区のとある喫茶店。
人が多く、賑わっているそこに少年は座っていた。
新作の飲み物が出るという話があり、それに興味があって足を運んだのだが……。

「まさか、こんなに混んでるとは」

困ったように眉を下げて、目の前の行列を見る。
10人以上の列があり、店が満員にもなっているようだ。
この分じゃあかなりの時間を食うことになりそうで。

「うーん……並んでみるしかないのかな」

諦めきれない少年は仕方なく、その最後尾に並んだのだった。

アルグレーネ > その喫茶店の列の中、少年の一つ前に騎士装の女が並んでいた。
新作のものに引かれたわけではなく、この喫茶店自体が行きつけだったというわけなのだが。
時折こういう風に混むことは知っているのでとくに慌てた様子もなければ困っている風でもなく。
そして、列に並んでいる時に店員が回ってくる。
事前に注文を確認するのと、店内か、持ち帰りか、相席の可否を確認するため。

「今日は大分混んでいるようだな。店内だとどれくらいかかりそうかな?
……なるほど。思ったよりは回転が速いんだな。では、今日は店内で。
相席は構わない。注文は、いつものもので。」

手慣れた風の注文と、それで通じる店員の様子。
それらをメモした上で、次に並んだ少年へと店員が問いかけてくるか。

サマエル > 並んでいる途中にふと目前の列の女性を見る……というよりは見上げる。
女性自身の体格も大きいため、年齢差もあるだろうが身長差も強く出ていた。
すごく落ち着いている女性だなぁ。と思いつつも、静かに列が少なくなっていくのを待っていたら店員がやってくるのを見て。

すらすらと答えていく騎士装の女性に倣って自分も同じように。

「今日で3回目です。えーと、前回のクーポンがあります。
あ、店内でお願いします。相席なのも構いませんが、本日販売のは……。
あ、もう売り切れてるんですか……。じゃあ、ホットケーキとカフェオレで……」

残念そうな顔をしながらそう注文して、店員が去っていくのを見送りながら。

「お姉さんはここの常連さんなんですか?」

と、手持ち無沙汰になったので気になったことを女性に聞いてみようと。

アルグレーネ > 注文が終われば後は待つだけ。
なので、特に益体もない事を試作し始めていた所でかかる声。
少し目を瞬かせて声の主の方へと顔を向ければ、自分より小さい、少年と言った方がいい位の相手。

「そう、だね。結構来ている方だと思う。家と勤務先の丁度間に合って都合がいいのもあるし、店内と持ち帰りのどちらもできるのもありがたい。
それと、自分の口に合っているのもあるかな。なので、よく使わせてもらっている。君は?」

質問にそのまま回答を返しつつ、少年自身はどうなのか、という返し。いわゆる世間話の一環で。
いきなりの声掛けに少し驚いた所はあるものの、少なくとも、なにも返さないというのも失礼かと思った様子。
普通に世間話は継続しそうだ。

サマエル > 「なるほど。たくさん利用されているとは思ってましたが、そういう理由もありましたか。
あっ、僕は前にここに雨宿りで立ち寄らせてもらったんですよ。
その時にここのホットケーキにハマっちゃって……飲み物もいろいろあるから巡ってみようと」

と、こちらが利用するようになったきっかけの話をし始めて。
自分よりも慣れている様子から、いろいろ他にも知っていそうだなと感じる。
こうして話を続けてくれるのだから、きっといい人なのだろうと判断して。

「あ、僕はサマエルって言います。コクマー・ラジエル学院の生徒してます。
せっかくなので聞きたいんですが、持ち帰りとかするなら何がいいとかおすすめはありますか?」

見上げて話し続ける少年の瞳は閉じており、瞳の光も見えない。
にも拘らず。少年はしっかりと目前の彼女の顔に向けて見上げていた。

アルグレーネ > 「雨宿りがきっかけか。雨に降られたのは災難だったが、良い店を見つけたと考えると得したのかもしれないな。」

少年のきっかけの話になるほど、と頷いて返していく。
そして、名乗りを向けてくる相手。
パッと見た感じ学院の制服ではなさそうだが、院外でも制服を着る着ないは自由だったはず。
そういう意味では、説明が加えられてより分かるようになった所か。

「ああ、丁寧にどうも。
私はアルグレーネ。騎士団に所属している。
おすすめか……持ち帰りの時は、大体飲み物のみが多いかな。
朝一が事務仕事だったりする時によく買っていくよ。
私はコーヒー系が好きなので、季節によってホットだったりアイスだったりするがね。
持ち帰る距離が近いなら、サンドイッチやケーキを持ち帰る人もたまに見かけるかな。」

向けられる問いに返した返事。
瞳を閉じている様子から、盲者かと思いつつも、そういう人が色んな音や気配から相手を認識することは知っていたから特に気にした様子もなかった。

サマエル > 「えぇ、今ですとそう考えるようにしてます」

ニコニコと、その言葉を聞いて別に自分が褒められたわけでもないのに嬉しそうに。
実際今の服は制服ではなく私服だった。……雨が降ってしまったらと考えると制服で出歩きたくはないのだ。

「アルグレーネさんですか。なるほど、だからそんなに強そうなんですね」

騎士団にいると聞いて、装いも相まって納得はしていた。
というより服装からそう連想するものだが、この国は騎士団でもないのに
騎士のような装いをしている者がかなりの頻度でいるため、本当かどうか判断がつかない時がある。

「ふむふむ。飲み物はここは鉄板ですよねー、コーヒーとっても美味しいですし。
豆じゃなくて挽き方の方が自慢らしいですから、腕がいいのも信じられますよね!
サンドイッチですか……そういえば食べた事なかったな。今度頼んでみますね」

そう言いながら、列はどんどん少なくなっていって。
いつの間にか自分たちの番が来てテーブルへと通されることになる。

「よいしょっと……相席になりましたね、ふふ、なんだか嬉しいです」

少年にはここの椅子は高いらしく、若干跳躍して座って。
注文の品を待っている間に、話していた女性が共の席であることに笑顔を浮かべる。

アルグレーネ > 「まぁ、ある程度の強さはあるとは思うがね。上には上がいるから。」

特にウチの上司とか、などと付け加えて小さく笑いをこぼす。
自分の言葉に感想を返してくるサマエルの言葉に、相槌の声を向けつつ頷いていれば、テーブルへと通される。
が、ここまで混んでいれば当然相席になるだろう。

「まぁ、ここまで混んでいればこうなるかな、とは思っていたけどね。」

だいたい予測の範囲内、と言葉にしつつ。ひとつ前は何人かのグループめいていたし、
既に会話をしているのであれば相席にしても問題なさそうと店舗が考えるのも当然のこと。
盲目と認識しているが故に、視線を向けて状況によっては手を貸そうかとも思っていたが、思ったよりもしっかりと動けている様子を見て、そこは手を出さないでいた。

そして、事前に注文を取っていたからすぐに注文の品がやってくる。
己の前にはコーヒーとBLTサンドイッチ。
この時間の『いつもの』はこういう感じになっていた。
時間帯によってはコーヒーだけとか、もう少ししっかりした軽食がきたりとかするのだが。

サマエル > 「へぇ~。謙虚なんですね!」

自分から見てこの女性が弱いとは到底思えなかった。
それは自分自身がそこまで強くないという劣等感も僅かにあったかもしれないが。
しかし、小さく笑った女性の顔を見て、嬉しくなった心でそれを塗りつぶした。

「確かにそうですね……まだ他にもお客さんいますし」

自分たちが並んで、また最後尾に別の客が並んで。
まだまだ店員の苦労は終わらなそうだなと思いながら注文の品を見る。
少年の前には白色が強く甘い香りがするカフェオレが注がれたグラス。
そして5枚重なったホットケーキそのままが乗った皿が置かれる。
近くにはジャムやハチミツなどの調味料が置いてあり、その中からイチゴジャムとハチミツを手に取った。

「あ、アルグレーネさんも1枚か2枚どうですか?
僕、4枚でお腹いっぱいになっちゃうので……」

と、少し申し訳なさそうに眉毛を下げて、愛想笑いを浮かべながら1枚どうかと聞いて。

アルグレーネ > 謙虚、と言われれば少し苦笑めいた様子。
自分より強い相手を常々目の当たりにしてれば、謙虚にもなるというものだ。
そこまで説明まではしなかったけれど。

まだまだ繁盛しそうな待ち客の様子。
盛況なのはいい事だと内心考えながらいれば、サマエルからかかる言葉。
それはそれでありがたいのだが……

「そうだな……では、私のも一口くらい、もらってもらえないかな?
もらうばかりではちょっと気が引ける。」

そんな言葉を向けてから、お腹がいっぱいになってしまうという言葉もあるので
サンドイッチを半切れ、サマエルのお皿の端に載せてみた。
その上で、これだけもらってくれと言うならそれはありがたくもらおうという考えで。

サマエル > 「あぁ、ありがとうございます!
いやぁでも、僕からしたら店の事とか教えてもらったので、そのお礼も兼ねてですよ。
でも、せっかくですしいただきますね。ありがとうございます」

そうにこやかに言いながら彼女にホットケーキを1枚移して。
自身の皿に彼女からもらったサンドイッチを乗せて。
ホットケーキにイチゴジャムを乗せて、そこにハチミツをかける。
一旦ホットケーキはそのままに一口カフェオレを飲み。

「ん、美味し……」

呟くようにそう言った後、サンドイッチをまず手に取り食べる。
ザクッ、とカリカリのパンの耳の食感が口に走って、そこから溢れる味に足軽くばたつかせて。

「このサンドイッチ美味しいですね!今度はこっち頼んでみます!」

目が開かれていたらきっと輝いていただろう視線を彼女に向けてそう笑った。

アルグレーネ > 半切れのサンドイッチと一枚のホットケーキを交換すれば、
いただきます、と食前の挨拶の後に、手を付ける。

まずはコーヒーを一口口にしてから、自分のサンドイッチを先に。
こちらは軽食、ホットケーキはデザート。
その認識だからこその動きだったのだが、
どうやら相手も同じ感覚だったらしく。

「ああ、そうだろう?……ここはだいたいなんでも美味しいんだけどね。
私の好みがこれ、と言うだけ。
ハムサンドにせよ、タマゴサンドにせよ、気分で選んでも外さないと思う」

喜んだ様子に少しほっとしつつも、
味覚が近い様子にそんな言葉を返していく。
そして、自分もゆっくりではあるが、食事を進めていくのだろう。

サマエル > 食事を進めていけば自然と心も豊かになっていくもので。
少年の顔はどんどん楽しそうになってナイフとフォークを持つ。
サンドイッチを食べ終われば口を拭いて、ホットケーキを切り分けていく。

「なるほどなるほど~。そうですね、大体美味しいなら……。
あー、でも、大体美味しいとむしろ全部食べて見たくなりません?
ミックスセットみたいなのとか、出たら美味しいと思うんだけどなぁ~」

ぶらぶらと両足を揺らしながら切り分けたホットケーキを食べ始める。
ジャムとハチミツを混ぜて、非常に甘そうなそれを頬張るととてもいい笑顔をまた浮かべた。
もぐもぐと口を動かしつつカフェオレでそれを流し込むように飲みながら。

「そういえばアルグレーネさんは今は仕事の途中か休憩中なんですか?
そうじゃないならもっとお話ししたいところなんですが……」

ふと、顔を上げて、彼女の顔に頭を向けながらそう聞く。

アルグレーネ > 暫し食事を進めていれば、そんなに急がなくてもサンドイッチとホットケーキはなくなってしまう。
どうしても職業から、他人よりも食べるのが早い所はあるのだから。
そして、コーヒーをゆっくり楽しむ体制に入っていれば、
サマエルの言葉には笑みだけを返して聞いていて。

そんな中に向けられる問い。少し目を瞬かせるが

「あぁ……別に仕事中ではないよ。
今は仕事から上がって帰っている途中、だな。
だから、もうしばらく位はお相手できる。」

何の話をしたいのか、までは流石に分からないので、
小さく首をかしげて次を待つ様子。
だが、これでおしまい、とは言わない。
今少しの時間は取れると少年に。

サマエル > 「あぁ、それは良かったです。
せっかくのご縁ですし、ちょっと話したくなっちゃいまして」

少し困ったような顔を浮かべるが、内心ではどちらかと言うと照れの感情の方が強く。
思わず引き留めてしまったが、何を話せばいいのかわからなくなっていた。
と言っても、先ほどまで話していた内容から続けるように。
ホットケーキの3枚目を切り分けながら彼女の方を見て。

「いやぁ、でもアルグレーネさんのような人とこうして話せたのは幸運です。
僕、富裕地区はあんまり足を運ぶことが多くなかったからちょっと苦手だったんですよ。
でもこの喫茶店を見つけて、アルグレーネさんに会えたのは幸運でしたね。……ん」

そう嬉しそうに言いながら、食べ進めるが。
それより前に口に運んでいたグラスからカフェオレがなくなってしまう。
お冷がどこかないかと軽く首を回して探し始める。

「ご友人とかともここに一緒に来たりとかするんですか?」

アルグレーネ > 「まぁ、私も帰るだけだから、そんなに気にしなくても大丈夫だよ」

困った様子を見せるサマエルにそんな返事を返していれば、
ほんの少しだけ言葉が途切れる。
コーヒーを楽しんでいる自分と、ホットケーキを切り分ける少年。
丁度行動が言葉を途切れさせる瞬間と言うものもあるものだから。

「富裕地区にはあまり来ないのか……そうすると、普段は平民地区辺りが多いのかな?
……まぁ、この辺りで暮らしているのでなければ敷居が高く感じたりすると聞くがね。」

そうしていれば、何やら探す様子の少年。
恐らくは飲み物を探しているのかと察すれば、
手元のコーヒーとなくなったカフェオレのカップを入れ替えて

「いや、ここに来るときは大抵一人かな。
そういう気分な時も、あるだろう?」

口元笑みを刷かせてそんな言葉を。

サマエル > ほんのちょっと途切れたその時間。
少年は初対面の人と会話が途切れるのが少し怖くなるタイプだった。
だから次の話題を探そうと胸の中でいろいろ考えてしまい、先ほどの話になったわけで。

「えぇ、基本は平民地区で。富裕地区よりは貧民地区の方が足は運びやすいですね。
富裕地区の方ですと、結構目線がキツい時があるので……。
そうですね。あとドレスコード?みたいなのも自分、持ってませんから……」

そう話しながら、周囲を見渡していれば。
そんな様子に察されたのだろう、コーヒーと入れ替えられたのに気付いて。

「なるほど……そうですね。僕の場合はむしろ一人で来るのが多いので……あはは。

あっ、いや、大丈夫ですよ!?アルグレーネさんの頼んだものですし…。
それにこれ……(このままだと間接キスになっちゃうんじゃ……)」

交換されたコーヒーを目前に、申し訳なさそうにそう声を挙げたが。
後半に思ったことは口にせずに、気恥ずかしさから頬が少し赤くなった。

アルグレーネ > 「あぁ、なるほど。そういう風に言う人も多いね。
私はこっちが普通だからあまり気にならないんだが。
そういう意味では私は貧民地区の方が落ち着かないかな。」

サマエルの言葉に納得した様子を見せつつも、
表裏のようなもので自分の状況を伝えていけば、
大抵一人と言う言葉に口元穏やかな笑みのまま相槌のみを返していくか。
その言葉はあまり掘らない方がいいかと思ったからで。

入れ替えたカップに対する反応に、くすっと小さく笑いをこぼせば

「何、飲み物がなくなって、少し困ってたんだろう?
店員も忙しそうで、何かもらうまでに時間がかかりそうだし、
だったら丁度近くにあったものだから、ね。
あまり気にしないで、どうぞ?」

そういう部分はあまり気にしている様子もなかったか、
気安い調子でそう返していて。