2022/10/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ヘアサロン」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 戦場前日
鎧を着こみ、髪を結わえて出向く手前の日となる今日
手入れこそ長い髪を持つ身として行っているものの
戦場という期間の間そうもいかなくなる手前

富裕地区の長い髪を取り扱える場所にて 同性の高貴な者にごまを擦るのが得意な者や
余計な刺激をしない者ではなく、眼鏡をかけた頭部がつるりと丸い、カイゼル髭が整えられた老人の元へと足を運んでいるメイラ。
腰に下げた革のベルトには櫛とオーダーメイドされているハサミがいくつも入り、時と場合で使い分けられる。

メイラ以外の人物も、基本的に女性は髪は長く、侍女に結わえさせる者がほとんど
しかし、中には時折こうして専用の店、場所で行う者もいるだろう中 男性に髪をいじらせる。
それはこの時代では少々珍しいものだろう。 老人も、男性の髪を扱う場合が多い。
メイラは気にすることもなく、穏やかな老人の声やハサミの音 こういった店特有の鼻に届く匂いが好きだった。


『だいぶ傷んでおりますなぁ…、…
 戻ってこられたのでしたら、すぐにお越しいただければまだゆとりも持てましたでしょうに。』


茶店でコーヒーの豆を挽くのが似合いそうな
もしくは静かな古書店でパイプを燻らせるのも合いそうな老人の手指と櫛
髪の状態を見られながら、メイラは髪で唯一固定化されている片側の三つ編み房も解いている。
髪を整える程度に切り、傷んだ髪を潤わせる。

戦場ではできない行為であるせいか、時間もたっぷりと空いているらしい。
時刻を気にすることもなく、好きに弄らせている辺り、年齢不明なメイラと年を重ねた老紳士のやりとりは
つい最近ではないらしいとわかるだろうか。


「一番良い状態で出向きたかった と言えば納得?」


ギザ歯の笑みで話しかけながら、白いカチューシャもしていない純黒の頭部
半魔の血か、人間とはまた違ったもの
栄養 潤い 状態 毛根 頭皮
人間よりは随分と強くまとも しかし、最高の状態を知っているからこそ老人は、傷んでいると述べている。


「またアスピダへ赴きますもの
 万全に整えていきたいじゃありませんの 戦装束。」


そう言って、髪を弄る音に任せ、人の少ない個人経営店
メイラは珍しく 欠伸すら見せている。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 ヘアサロン」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。