2022/04/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にダーン・ディープリバーさんが現れました。
ダーン・ディープリバー > 王都マグメール 富裕地区 桜花通り

季節柄 周囲は花弁が散り左右には白桃色の花が枝分かれする木々に群れている
それが真っ直ぐに並んでいれば、道景色の色はそれで染まっていた。

道に落ちる花を定期的に清掃する必要性もあり、公園の手入れのようにその時のみに雇われる働き手らが
花が朽ちて泥色にならないうちに全て回収していく。
クエストでの低賃金労働では簡単なものであり、しかし範囲は広い仕事

しかし子供から老人までできるので、この手の仕事は尽きない。

又、そういった行為をさせる故にここは富裕地区以外は自生や放置くらいしかない。


ダーンはこの日、トレーニングや仕事がなく
かといって王都の内側にいるのであれば、最近での“路”の具合などの話を交えながら
数人の商人や同業の運び手と情報交換や更新を行っていた。

最近の盗賊や道で起きた事故 ふさがれてしまった道など、である

そう言った小話や定期的な顔合わせは必要なことであり
それを終えたダーンは空腹だった。

食事や酒を断り、ブレザーネクタイにスカート どこか制服風を思わせる姿と
商会腕章の姿で道を出歩き、季節柄の道はロングヘアのアルビノカラーがゆったりと春風で動いている。
ちらちらと時折花弁が舞いながら、革ブーツの踵をコツリと鳴らし、舗装されている道を歩く。

「まだ散り切っていなくて幸いだ。」

そう言って、少し桜花の道筋を歩くと、一つのベンチに腰を下ろす。
花弁が数枚上に残っていたなら、手でササ、と掃うだろうか。

ダーン・ディープリバー > 時刻は昼
花を見ながら酒を飲む者や、何かをつまむものがいるせいか
この時期の売り物屋はそれなりに稼いでいる。

ダーンは、花を見ながらと思えば屋内の店ではなく、屋台売りの場所を先ほど訪れていた。
ベンチの上で広げるのは、鞣した船葉を折って造られた薄い箱型。
中には豆を絞った乳白を海水で固め、油で揚げた焼き袋に包まれた白麦の酢合えを詰めた所謂 狐袋
それが親指丈で切り落としたものが詰められ、宝袋 茶根や橙根などを削って甘辛くを詰めた袋縛りがあった。

一つ一つ包めば手間がかかるから、長く任せて輪切りにして出し
客が帰れば端をまた包んで次の客を待つ
これで中身を乾かすことなくさせた、切りもの。

「ん、おいしそうだ。」

花の下の一人の食事
添えてあった摘まみを持ち。

「いただきます。」

富裕地区だからできることだろう屋外の食事。

一つ手に取り、焼き袋は照りながら味を含ませた汁が滴らない程度にしみこんでいる。

「(じゅぐ。)」

狐が好むと言われてている焼き袋の薄さと甘い味
中の炊いた白麦の酢が混ざって、しっとりとしたそれ
もぐもぐ むぐむぐ と食べながら、時折目の前で立っている数本の桜花を見る。

「(あむ。) ん。」

むぐむぐと咀嚼しながら飲み込むと、見ながら食べるという行為。
この時期だけと思えば、安全圏で食べるのだから貴重なものだろうか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からダーン・ディープリバーさんが去りました。