2022/02/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区・酒場」にサロメさんが現れました。
サロメ >  
「マスター、いつものを頼む」

ドアベルを鳴らし入店する女は慣れた様子でそう声をかけ、カウンターの席へと座る
馴染みの店、といえば馴染みの店だ
王都の酒場の中でも品の良い店で、気兼ねなく来ることが出来る

『今日はオフかい?』

「いや、王城からの帰りだ。
 ついでに、重苦しいものを執務室に全部置いてきた」

気さくに話しかけてくれるマスターにそう応え
道理で表情もいつもより堅くないと笑うマスターに釣られ、こちらも笑みを零した

サロメ >  
いくらか肩の荷が降りたというのも実際そうで、
新たな第七師団の王国内での立ち位置も漸く安定し、卑しい王国貴族に作り笑いをする必要もなくなった
先代の時に作れなかった、王城内での盤石な位置関係…
時間は掛かったが、掛けたかいもあったというもの

"いつもの"で通じて出てきたのは、富裕層の酒場には似合わぬ安酒
いい給料もらってるだろうにこんな酒でいいのかと言うマスターに「これがいいんだ」と返し、グラスを口元へと運ぶ

「私がこの店で初めて口にした酒だからな」

この店で、という表現は正しくない
言ってみれば人生初の酒だった

酒場のマスターは大きく笑い、『あの時のことは覚えている』という
客一人一人のことをよく覚えているものだと感心するが、そういう能力もこういった店を運用する上では重要なんだろう