2021/10/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 スタンディングバー」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 夜も更けた富裕地区の街中
大店の依頼や人伝手が造られる大衆酒場や、大枚を落とさせる商人や貴族ご用達店とは違い
物好きや大人数を商えない一人だけの店主の店というものは、この王都にいくつほどあるのか

店の構え方も知っている者が来ればいいかのように、扉も目立たぬ黒樫製
上に洋燈と酒を扱うブロンズのレリーフがあるだけのもの

メイラはいつもの外を出向く、鎧姿とは違った粗黒一色の姿にて来店すると
控えめなドアベルの音と共に、二人分だけしかない通路と立ったまま飲む為の大きなテーブルカウンター
グラスを磨いていた、執事服でも纏えば似合っているだろう白髭を整えた老紳士の店主に向かい

「ごきげんようマスター 今日は静かな夜ですわね。」

店内の広さ的に、スカートを持ち上げる挨拶もせずに、誰もいないからとマスターが斜めに立つような位置取り
左肘を乗せるようにしてカウンターに寄りかかれば、蜂蜜を落とした琥珀色の樽酒を注文し
注がれた盃を手にグッと大き目な一口を呑みこんだ
喉を焼く40度以上の熱 胃袋に流れても存在感が強いそれがあれど 上等な蜂蜜の甘い味が残っているから
ギザ歯の向こうから熱が漂うほどの間隔を感じても、メイラにはどうということはない

でももしこれが無味無臭や、酒の辛さと苦さだったら舌を思わず出してしまうほどだっただろうか。